評価 (3点/5点満点)
この本は、ごく自然に部下が従ってくる上司の秘密を心理学の視点から分析し、解説したものです。たくさんの心理法則を引用しながら、誰にでもすぐに実践できるような話題がたくさん盛り込まれています。
著者の渋谷昌三さんは目白大学社会学部教授で、現代心理学の研究成果をビジネスに応用するための著作も多く、本書は1999年の刊行から20刷を経て、2014年末に新装版として再編集されました。
(1)人使いがうまい人になる、(2)やる気集団をつくる、(3)この上司のためならと思わせる、(4)女性パワーを引き出す、(5)人望を得る、(6)会議を自在にコントロールする、(7)しぐさ・動作から深層心理を読む、(8)ボスを味方につける、そんな人(部下)を動かす8大法則と、今日から使える48の実践方法が紹介されています。
心理学の基礎的な知識が分かるよう、有名な心理法則をできるだけ詳細に、分かりやすく解説することに心がけた内容です。
人間心理のメカニズムを理解するのは、ビジネスにおいても有効だと私も最近感じています。それを押さえた上で、部下一人ひとりに応じたコミュニケーションができればいいですよね。
【my pick-up】
◎部下の努力をきちんと評価する
とにかく、どれくらい努力しかたで評価するのだ。間違っても、能力を評価してはいけない。成功したときに能力をほめると、失敗したときに叱りようがなくなる。ところが、成功したときにも、「よく努力した。この成功は君の努力のたまものだ」とほめておけば、失敗したときにも、「努力が足りなかったからだ」と評価することができる。