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2015年186冊目『自信がない人は一流になれる』

2015-11-03 20:55:47 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

著者はロンドン大学教授のトマス・チャモロ-プリミュージク氏(専門はビジネス心理学)。自信は低いほうが実力をつけるには都合がよく、自信を手に入れるには実力を高めるしか方法はないと主張します。つまり、自信を高めないようにすることが大切で、私たちに必要なのは自信ではなく本物の実力だとして、その実力を手に入れる方法を本書から学ぶことができます。

自分を向上させたいと思うなら、スタート地点では自信はないほうがいい。自信を持つことは、本当の実力をつけるまではむしろ役に立たない。そして自信のなさは、実力を高めることにつながる。言い換えると、成功は努力のたまものであり、そして努力するには自信はないほうがいいということだ。(自信のなさを利用する:P.75)

実力がものを言うのは、謙虚な態度と組み合わさったときだ。他人が興味を持つのは、あなたの自信ではなくて実力であり、それに自信は低いほうが他人に好かれる。(他人からの評価ですべてが決まる:P.111)

もしキャリアで成功したかったら、何よりもまず努力しなければならない。どんなに才能があっても関係ない。自信があるかどうかも関係ない。こんなことは今さら言うまでもないのだが、ただ会社に行っていればキャリアで成功できると信じている人があまりにもたくさんいる現状を考えると、やはりこうやって努力と勤勉の大切さを長々と説明せざるを得なくなる。(キャリアと自信:P.159)

たしかに世間では、自信があったほうが人付き合いもうまくいくと考えられているが、現実はその正反対のようだ。自信があるようにふるまうのは自分の限界や弱点を隠すためだが、むしろ謙虚な態度で自信なさそうにしていたほうが、もっと簡単に同じ効果を上げることができる。実際のところ、自信満々な態度を額面通りに受け取ってくれるのは、本当の実力を見極める能力を持たない人だけだ。それに、そんな人たちが相手であっても、やはり謙虚な態度のほうが、もっと簡単に好きになってもらえるだろう。(社交スキルの自信と実力:P.181)

健康という分野でも、自信と実力の間に明確な相関関係はほとんど存在しない。自信があるほど健康になるという「常識」は、やはり疑わしいようだ。自信の高さが健康につながる因果関係を思わせるような事実は、ほとんど見つからない。そもそも健康に自信がないのは、実際に健康に問題が生じているからだ。そして健康に自信があるのも同じことで、実際に健康だからにすぎない。(自信がない人は健康で長生き:P.221)

「自信のなさを大切にする」というアドバイスだけでも、世に出回っている自己啓発本の99%より役に立つだろう。人は不安があったほうが成長できる。自信の低さを生かすことができないのは、自分の問題から目を背けている人だけだ。現実を見ない人に希望はなく、そして現実を直視できるあなたは、希望があるだけでなく、自信の低さを能力の高さに変換するチャンスもあるのだ。(言うは易く行うは難し?:P.260)

最近のビジネス書や自己啓発書でよく言われる「根拠がなくても自信を持て」「自信があればできないことは何もない」と、真っ向から対立する本書の内容。私も本書の考えのほうが、より説得力があると思います。

中見・実体のない必要以上の過剰な自信は、むしろ成功の妨げになります。

【my pick-up】

◎人から好かれる

誰かに雇われて働いているなら、あなたの出世と成功を決めるのは上司だ。正しい世界であれば、上司はあなたの仕事ぶりや会社への貢献度を評価の基準にするだろう。しかし現実の世界では、完全に客観的な評価ができる上司はほとんどいない。その部下が好きかどうかということが、当たり前のように評価に影響する。だから、キャリアで成功したいなら、上司に好かれることが大切だ。上司には愛想よくして、反抗的な態度は取らないこと。上司の頭痛の種になってはいけない。むしろ一緒にいて楽しい部下になろう。そうすれば、思ったよりも早く出世させてもらえるだろう。

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