評価 (3点/5点満点)
著者は、オックスフォード大学教育学大学院にて日本人で初めて教育学の博士号を取得し、現在は東京外国語大学で比較・国際教育学や異文化コミュニケーション学などの学問領域を教えている岡田昭人さん。
この本では、岡田さんのオックスフォードでの学びの経験をベースにして、「自分の頭で考え、伝える技術」を紹介し、かつ身につけることを目的としています。
オックスフォード大学は、イギリス国内では26人の首相が出身で、50人以上のノーベル賞受賞者を生み出しています。
そんなオックスフォード流の「自分の頭で考え、伝える技術」とは、「ブレイクスルーを起こす」ということ。自分と相手の間にあるコミュニケーションの壁をブレイクスルーするための思考・伝達プロセスです。
1.「準備の技術」:良き師を見つけ、模倣しながら自分らしさを探求する
2.「自分の頭で考える技術」:何にもとらわれずに自由に発想し、柔軟な思考力を身につける
3.「言葉を作る技術」:言葉を大切さを知り、作り方を鍛錬する
4.「伝える技術」:試行錯誤を繰り返しながら積極的に伝え続ける姿勢を持つ
5.「フィードバックの技術」:すべての過程を省みて、自分自身を整える
「考える技術」「伝える技術」「フィードバック術(改善術)」といった種々のスキルを相互に関連させ、総合的な力として習得させることに、本書の特徴があると思います。
また、ハーバードといったアメリカの大学とも違う、教育方針・方法も感じ取れます。