自分でやった方が早い病 (星海社新書) 価格:¥ 861(税込) 発売日:2012-05-25 |
評価 (3点/5点満点)
デキる人、優しい人に多い「自分でやった方が早い」という考え。この「自分でやった方が早い」という思考には、①まわりよりも自分がデキてしまうから、②相手に悪いしお願いが下手だから、という2種類があります。
特に30代に多く見られるこの「自分でやった方が早い」と思うのは「病」であり、30代の段階で卒業しないとその先はない、と著者の小倉広さんは説明します。
それは、会社やチームとしての損失でもあるし、本人自身が体を壊してしまうのです。「自分でやった方が早い」という状態は、プレイヤーとしては優秀だけれど、リーダーとしては失格だと言えるでしょう。
この病を完治できたら、次のような状態になれるでしょう。
・まわりの人が成長することで、自分も成長できる
・心身ともに健康になれる
・昇進、昇給できる
・本当に信頼できる生涯の友ができる
・孤独な老後を迎えなくてすむ
・会社が安定する、成長する
・現場の仕事から離れ、経営の仕事ができる
・プライベートな時間も充実する
「自分でやった方が早い病」は、病院では治せない病気です。治すのは、あくまでもあなた自身です。その基本は、他人のせいにせず、自分に責任を向けてみること。そして、長い目で自分や周りを見ることです。
本書では、周囲に仕事を任せるスキルやテクニックといったことにも少し触れていますが、上記のような人として成長するヒントがたくさん盛り込まれています。
【my pick-up】
◎<悪化すると>仕事を抱え込み、病気も抱え込む
私は45歳になって、ランニングを始めました。走っている人のライフスタイルに憧れたのです。走り始めてまだ2年しか経ちませんが、走ることの重要さを身に染みて実感しています。健康は、仕事をするうえで最低限必要なものだという見方もありますが、私はそれ以上のものだと思っています。私に言わせれば、「健康=仕事」です。
走っていないと、結果的に能率の悪い仕事をすることになります。経営者に走る人が多いのも、そのことを本能的に、もしくは経験上わかっているからなのです。まったく運動をしない人は、自分の心と体が不調であること自体に気づきません。
走ることで、確実にストレスは解消されます。どういうときに気づくかと言うと、仕事の都合でどうしても走れない日が1週間ほど続いたときです。「なぜ、毎日走るのですか?」という質問に対して、今では「走るのは仕事ですから」ときっぱり答えられるようになりました。
◎<処方箋>仕事を任せてもいい人の特徴を知っておく
当たり前のことですが、仕事を任せても大丈夫な人とそうではない人がいます。それは「信頼性があるかどうか」「責任感があるかどうか」です。
絶対に約束を守る、裏で努力をしているといったことで、その人の信頼性と責任感がわかります。一番怖いのが、責任感のない人に仕事を任せてしまうこと。口先ばかりで責任回避をしている人は信頼性がありませんから、絶対に仕事を任せられません。