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いい仕事をする人は、「いい言葉」を選ぶ: 「話し上手」「伝え上手」が大事にしていること 価格:¥ 1,260(税込) 発売日:2012-08-01 |
評価
(3点/5点満点)
著者は経営コンサルタントで、『コンサルタントの「質問力」』(PHPビジネス新書)など著書も多い野口吉昭さん。
本書のテーマは「言葉の選び方」です。相手の気持ちに沿った言葉は、お互いのコミュニケーションを活発にし、深い絆が築かれます。また、いい言葉が使えるということは、優れた判断力や決断力があることも意味します。
日々の何気ない対話の表現を、ほんの少し工夫すれば、相手との関係性を大きく変えることができます。相手との関係性を変える、コミュニケーションにおける小さな工夫が、ここで言う「言葉の選び方」なのです。
信頼関係を築くための言葉、相手に納得してもらうための言葉、相手に認めてもらう言葉など、すぐに使える具体的な表現がシーンごとにたくさん例示されています。
本書にも書かれていますが、自分の話す癖に気付くことが大切ですよね。それをもとに、相手に好意的に受け止められる表現を意識的に使ってみましょう。中身は良くても、話し方・伝え方で損をしていることは結構あります。
【my pick-up】
◎「目指すゴール」が決まれば、使う言葉も決まってくる
私の会社でも会議の場において話をする際に、話し手自身、結論が見えていない場合には、
「つまり何が言いたいの?」「この話を受けて、どう動けばいいの?」
とお互いに突っ込みを入れるようにしています。
相手の時間を奪わずに話をする、ということは自分なりの主張、判断軸をしっかり持っていないとできないことです。ビジネスシーンでは、「伝えることを決めている状態」でないといけないのです。
◎「言い訳」に聞こえる言葉を使ってはいけない
こんな形で伝えると評価がまったく変わります。
「今回は、限られた時間でしたので、○○に絞って考えてみました」「手に入った情報から、自分なりの仮説を立ててみました」
こう伝えられると相手は「言い訳」ではなく「謙虚さ」を感じます。なぜかと言えば、自分の頭で考えているということがメッセージとして伝わるからです。内容が十分でなくても自分なりにどう考えたかは明確に伝わります。依頼した相手も十分な時間、情報がないことは了解しています。そんな中でどう工夫してくれたかに期待しているのです。