厳選!ビジネス書 今年の200冊

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2012年108冊目『もっと仕事は数字で考えなきゃ!』

2012-08-06 09:04:22 | おすすめビジネス書
もっと仕事は数字で考えなきゃ!   黒字社員の言葉、赤字社員の発想 もっと仕事は数字で考えなきゃ! 黒字社員の言葉、赤字社員の発想
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2012-07-25

評価  (4点/5点満点)

黒字社員とは会社の利益を増やす人。逆に、赤字社員とは会社の利益を減らす人です。何気ない会話や仕事ぶりに表れてしまう、赤字社員と黒字社員の違いとは「数字」。つまり、仕事の成果を数字で考えることができるかどうかです。ちなみに、ビジネスにおいて数字が重要となる理由は、「具体性」と「測定可能性」の2つからです。

本書は、以下の5つの数字を自在に使いこなせるようになる「黒字コトバ」を紹介するものです。「黒字コトバ」とは、公認会計士・税理士である著者の香川晋平さんが、ビジネスの現場等で耳にした言葉のうち、「儲け」の本質をうまく表した名言のことです。

①売上、②コスト、③仕事の生産性、④資金繰り、⑤隠れコスト

この5つの数字は、会社の利益につながるもので、皆さんが会社からより高い評価を得るために意識すべき数字です。

『仕事の成果を数字で大きく見せる秘訣がある。それは「掛け算」を効果的に使うことだ。その際のポイントは2つある。1つは、より多くの人にシェアすることだ。もう1つは、数字で考えることを繰り返し継続することだ。』(「おわりに」より)

数字を使うことで説得力を養い、会社の周囲に良い影響を与えてください。

【my pick-up】

◎価格のことを代金って言うやろ?何の代わりなのか、この説明が重要なんや。

「売上の方程式」について、1つの要素が「商品単価を上げる」こと。これを実現するために重要なのが、「この価格(代金)は、何の代わりなのか」という説明である。この説明ができるかどうかによって、商品価格が変動しているのが現実なのだ。

「ウチの商品を使っていただいたら、これだけの価値が得られまっせ。その価値を得るのに、お支払いいただくのはたった○○万円です」といった説明。

価格の説明はこの価値比較法を目指すべきである。その商品から得られるメリットを大きく見せることができれば、「商品単価」は必然的に上がるはずなのだ。

◎売れるとわかるまでは変動費、売れるとわかってからは固定費。

コストの分類方法で、「どのように発生するコストか」という分類もできる。1つが「変動費」。これは、売上に比例して増減する費用である。もう1つが「固定費」。これは、売上の増減に関係なく、一定の金額が発生する費用である。

「固定費型」がハイリスク、ハイリターンなのに対して、「変動費型」はローリスク、ローリターンとなるのだ。赤字起業家は、いきなり必要以上の固定費を使ってしまう。一方、黒字起業家は、まず変動費を使おうとする。売上が予想以上に上がると、より大きなリターンを得るために、ここから固定費を使うのである。変動費が先、固定費が後なのだ。

◎人を増やす前に要らん仕事を捨てろ。

まず、今の仕事の中で、会社にとって不要な仕事がないかを探し、あればそれを捨てる。不要な仕事を捨てても、なお人の補充が必要であれば、もちろん補充すればいい。しかし、探してみると、不要な仕事は意外とたくさん潜んでいるものである。

ある大手企業では、これまで辞める社員がつくっていた資料の半分以上は、残念ながら誰も見ていないことがわかった。また、この辞める社員がつくった資料と2項目しか違わない資料を、別の部署がわざわざつくっていたこともわかった。そこで社内をさらに調査したところ、毎月つくっていた100種類もの管理資料のうち、誰かの判断材料として有効に使われていたのは、たった30種類しかなかった。この事実を踏まえて、誰も見ていない70種類もの管理資料の作成をやめたところ、会社全体で2人分の業務時間が削減できることがわかった。1人補充するどころか、もう1人辞めてもらっても大丈夫だったのだ。

理想的なのは、人が辞めるときには、不要な業務を捨てるチャンスだと考えること。そうして、価値のある仕事だけを残し、社員の生産性を高めていくのだ。

◎デキる上司のストーカーになれ。

真似を悪くとらえないで、デキる人の仕事ぶりを徹底的に盗むことが黒字社員への近道だといえる。しかし、仕事ぶりだけを真似しようとしても、うまくいかないことが多い。

真似てもなかなか成果が出なかったのは、成果を出すアウトプットの場面だけを真似していたからである。これでは、残念ながら成果にはつながらない。成果につながり出したのは、実はインプットを真似るようになってからだった。インプットを真似たことで、ようやくアウトプットにつながったのだ。

◎仕事のミスは原因をシェアしろ。それで立派な利益貢献になる。

ここであなたの仕事のミスによって、会社に10万円の損失が生じたとしよう。実は、手っ取り早くそのミスを帳消しにできる方法がある。それは、ミスの原因を他の社員とシェアすることである。

仮に、あなたと同じミスをする確率が、誰にでも20%あったとしよう。このとき、「マイナス10万円×20%=マイナス2万円」の隠れ損失が誰にでも発生しているということになる。あなたが、ある人にミスの原因を伝えることで同じミスが起きないようにすれば、あなたはこのマイナス2万円を消したことになる。プラス2万円の利益貢献だ。

マイナス10万円は、5人(10万円÷2万円)へのシェアで帳消しとなる。10人にシェアすれば、2万円×10人=20万円の利益貢献となり、帳消しどころか、逆に会社に10万円の利益貢献をしたことになるのだ。

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