日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

日本の文字は、「ひらがな」「カタカナ」…で、既に100を越えている。で、漢字は、「N4」までで、300を越えている。…一体幾つあるの??

2021-05-27 08:28:11 | 日本語学校
雨。

まだパラパラのうちに出てきました。今は少し雨脚が強くなったようです。かなり音がしていますから。

最近は、朝の鳥たちの声の喧しいこと。以前、インドの少女に、「故郷でも鳥の声がしているでしょ」と聞くと、「そう」と言った後、「ぎゃあ、ぎゃあ」と啼いた…ので、度肝を抜かれたことがありました。が、まあ、鳥の声なんてそういうものなのかもしれません。インドですものね、クジャクもいることですし…。

最近、授業の後、残って勉強している人が幾足か見られるようになりました。定着した感じですかしらん。これも留学生ではないからなのかもしれません。

留学生は、まず、授業が終わってから、(アルバイトへ行くために)そのまま帰るか、あるいは、直接バイト先に向かうという人が多いのです。日本語が不自由な間は、夜の方に回されることも多く、そうなると、私達としては、ちょっと心配。夜間のバイトですと、学校に来てから眠くて勉強できないということがあるのです。

大学に行きたいからと、バイトを金土などにした人は、それほどいませんでした。

それに、学校に残って勉強するという習慣のない国の人も、案外多いのです。大卒であれば、必要だったらと、すんなりできるのですが、高卒の人ですと、なかなかそうはいきません。アルバイトがない日には、友達と出かけたり、おしゃべりしたり、掃除洗濯などの家事をして終わるといった具合でした。それも仕方のないことで、とにかく、「授業の時だけは一生懸命に」で、やってきていました。

ところで、昨日、久しぶりに「地図」で遊びますと、半分以上が明後日の方向を指していましたね。

『初級』の頃に、東西南北を地図上で確かめさせ、しばらくは、「はい、北。」、「はい、東」などと遊びながら、地図を読む練習をさせるようにしているのですが、「N3」の勉強が始まる頃になりますと、そういうことにあまり時間が割けなくなる…もちろん、文章に出てくれば別ですが。というわけで、すぐに消えてしまうということになる。

再来週から「N4」のまとめと同時に、試験対策に入るという「初級クラス」でも、久しぶりにそれをやると、「さあ、困った」。「東西南北」の漢字は既に勉強しているのにね。はっと戸惑ってしまう。この「読み方」と「漢字」と「意味」がまだ一体にはなっていないらしい。

(漢字を)導入するときには、「象形文字」を選び、遊びながら、それとなく漢字というものを理解してもらえるようにしているのですが、懸命に「書いて」、「覚えて」を繰り返しているうちに、何が何だか判らなくなってくるのでしょう。それに「音」という見えないものと「書いたもの」という違いもあるし。

このクラスは、「ひらがな」に時間がかかり(書けても、…なかなか読めるようにならなかった)、そして、その次の「カタカナ」が、その倍も時間がかかり…そうこうしているうちに、漢字の導入が例年よりも遅れていたのです。

職員室では、「そうだなあ。『初めて』というのは、こんなもんだったんだ」と、留学生慣れしていた自分たちを反省することしきり。

現在、留学生は、大卒以外は「N5」に合格して来日していますから、書き順とか、形とかを注意するくらいでいいのです。それが、「初めての人」の場合、「ひらがな」「カタカナ」にこんなに時間がかかるとは。

最初のころ(十数年前)は、留学生でも白紙状態で来る人が多かったので、(こういう状態に)慣れていたはずなのに。もうすっかり忘れてしまっていました。

まったく、慣れというものは恐ろしい。忘れてしまう速さというのも恐ろしい。もうすっかりあっちの方向に行ってしまっていました。

とはいえ、そういうクラスでも、「N4」を受けたいというレベルになってきたのですから、天は頑張る人を見捨てはしませんね。

まだ「N4」を受けてもいないのに、その次を考えている人がいるらしく、昨日、「『N3』の漢字は、幾つくらいあるのか」と聞かれてしまいました。どうも、「N4」の漢字数くらいのもの、あるいは多くても「少々」くらいのものだと思っているらしい。そうですよね。アルファベットの感じで行くと、「ひらがな」だけでもすでにその数は超えているし、それに「カタカナ」まで入っているのですから。「N5」「N4」の漢字を合計すれば、漢字だけですでに300を越えている。もうそろそろ文字数は終わりだろうとでも思ったのかしらん。…コマッタナ。

「そうですねえ。もっと多いですよ。」「一人でも勉強できますか。」「そうですねえ。インターネットがありますからね。頑張れる人は頑張れるでしょう(よく意味が判らんですが)」

在日の人は、だいたい『みんなの日本語』が終わるくらいまでで終わりという人が多く、「N3」まで頑張るという人は稀なのです(中国人は、「N1」までという人が一番多いのですが)。だから、このクラスも今度の7月の試験までと思っているのかな。

本当なら、「N3」に合格するくらいまではやって欲しいのですが。「N4」くらいで終わってしまうと、子供ができたときに、病院や保育園、幼稚園、小学校と進んだときに、園や学校側との連絡が、ちょっと難しいような気がするのです。おそらくは「文字」を通してやられるでしょうから。

相手(日本人)が、外国人のことを考えて、全部ひらがなで書いてくれたとしても、それも結構難しい。同音語などの問題もありますし、日本人が簡単だと思っているのと、彼等が簡単だと思っているのとは、違うのです。簡単な言葉だからと日本人が思い、それを使って相手との意思疎通を図ろうとしても、初めて聞いたものであれば、何が何だかわからない、また判らなくて当然です。母国語の他に、別の言語に精通している人であれば、勘が働きますから、まだいいのですが、そうでなければ、難しい。

とはいえ、日本で、言葉の問題で、嫌な思いはさせたくないですね。まあ、私達がどこの国に行っても同じなのでしょうけれども。

日々是好日

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