日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「卒業文集」の作文が少しずつ集まってきました。

2024-03-07 08:10:02 | 日本語学校
曇り。

昨日の朝は寒かった…。朝、出る時に見ると、三度台。思わず、3月でこれか…2月ならまだわかるけれども。つい、皆で、気温の話になってしまう…「これで収まると思う?」「いや、また(冬将軍が)来るかも…。

で、今日は5度台…。昨日の寒さがあったので、よけいに温かく感じられたのですが、職員室でじっとしている、やはり寒い…。

さて、学校です。

「卒業文集」を書かせていくと、「日本の冬」のことを「好き」と書いた人や「ごめんだ」と書いた人がいて、へえ…。

「冬はごめんだ」というのはわかります。「常春」や「常夏」の国から来てみれば、それはそうでしょう。この寒さに縮み上がっているというのが実感でしょうね。ただ、こういう人達には、「東京湾岸の寒さ」と、たとえば、「北欧の寒さ」との差がどうもわからないらしい。

数年前、この学校に来ていた学生の中に、学生時代、北欧に半年ほど留学していた人がいました。もう、それこそ、(まあ、ちとみっともない表現ですが)、「尻に帆掛けて」退散した…らしい。

「冬」と聞くだけで怖気をふるっていました。「向こうの冬と、こちらの冬とは寒さの度合いが違うよ」と言っても、どうも納得できないらしい。いわゆる「寒いのは同じ」。彼女が我慢できる気温を超えれば、みな、同じ「寒い」になるらしい。

もっとも(気温は向こうの方が断然低いにしても)、日本には、家中を温かくするという発想がありませんから、ある意味、日本の冬の方が辛いかもしれません。

一方、「冬が好き」と書いた人に訊いてみると、「(自分の国には)冬がないから、面白い」これも、なるほどです。経験というわけですね。

また、「日本はいい」とか、「過ごしやすい」「住みやすい」と書いた人も多くいました。

日本人から見ると、不平不満の多い日本の現状ですが、彼らから見るとまた、違うようです。

その理由も様々で、「日本には戦争がない」、「日本人は親切だ」、「女の人も夜、一人で歩ける(びっくり)」、「若い人も、働くチャンスがある」、「日本にはきれいなところがたくさんある(今はお金がないから行けないけれども、行きたい)」など。

「イヤなこともたくさんあるでしょう。困ったこともあったでしょう。いいことばかり書かずに、そっちの方も書いて」と言うと、「地下鉄の乗り降りに困った」「食べ物に困った(イスラム教徒の学生です)」くらいしか出てこないので、う~ん。

しかしながら、卒業生以外は、長くて一年、短ければ二ヶ月くらいしか日本にいないわけですから、まだ、それくらいのものでしょうね…まだ書き上げていない人もいることですし。

日本滞在の時間が長くなれば長くなるほど、マイナスの面を強く感じさせられることも増えていくでしょう。まだ、「いい」と言ってくれるこの期間は、ある意味、私たちにとって、貴重なのかもしれません。

日々是好日

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