ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

公民館講座~偉大な博物学者・郷土の大上宇一

2018年09月26日 17時32分42秒 | 田舎暮らし
今日は公民館講座でこの町出身の博物学者・大上宇一の話。
大上宇一、興味はあったのだけど全然知らなかった。
南方熊楠とか牧野富三郎とか有名だけど、大上宇一という人は全国的にはほとんど知られていない。
でも今日の講座を聞いて、すごいなぁ~!と思った。
幕末(1865年)から太平洋戦争が始まるころ(1941年)まで生きた人。
家が貧しく、というかここら辺はどこも貧しかったらしい。
小学校に2年しか行ってない。
それが学歴のすべて。
あとはみな独学。
まず最初に始めたのが薬草。
薬草は当時漢籍しかなかった。
「本草綱目」とか「薬徴」とか。
小学校2年の学力でこんな漢籍を読むのがどれほど大変だったか!
それもただただこの貧しい村を豊かにしたいという思いから・・・
その後ひたすら実学の道を進む、博物学の道を。
農業、養蚕、養蜂、土木、鉱物・・・
周りからは変人だとバカにされつつ・・・
ついつい宮沢賢治の生き方を思う。

大上宇一が注目を浴びたのは1900年にはじめてコヤスノキを発見したこと
これによって世界的に名が知られるようになった。
コヤスノキは兵庫県の西播磨地域から岡山県の東南部にのみ自生しているトベラ科の常緑低木。
他にもいろいろ新種を発見している。
ただ膨大な研究ノートや論文があるのだけどそのほとんどは本になっていない。
今でも手書きのノートのままで残っている。

大上宇一の研究がなぜ地元で埋もれてしまったのか。
それはきっと当時、今以上の学歴社会だったからなのだろう。
小学校を2年しか行っていない人の論文なんか、学会では無視されるだけ。
きっと大上宇一は生まれまれるのが早すぎたのだ。
50年後に、せめて30年後に、生まれていたらもっと評価されただろう。
コメント
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