ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

確定申告

2007年02月20日 08時04分27秒 | 雑感
近くの公民館に確定申告に行った。
申告といっても、申告するものなんてほとんどないので、ながい待ち時間の後、すぐに終わる。

確定申告というのは、いつも思うのだけど、自分宛の請求書を、わざわざ作ってやっているようなものだ。
こんなものそっちで勝手に調べてよ、といいたいのだけど、そんなことすると役人の数が膨大になり、それもかなわない。
それで仕方ないことではあるけど、せめて払って良かったと思わせる雰囲気作り、というかもっと払いたいなと思わせる努力がほしい。
たくさん払う人にはそれなりのサービスやお土産をやるとか・・・。
もちろんそれを差別だと言う人もいるだろうけど、たくさん払ってくれたらそんなものなんでもない。

いっそ、納税額によってランク分けしたらどうだろう。
プラチナ会員~納税額が1000万以上
ゴールド会員~納税額が500万以上
シルバー会員~納税額が100万以上
銅会員   ~納税額が10万以上
トタン会員 ~納税額が10万未満

プラチナ会員が来ると、長く待っている人を尻目に、職員がもみ手で奥のVIPルームに案内する。
そして愛想笑いをして「よくいらっしゃいましたね、ご指名誰にします?」
「そやな、去年は確か・・・明美ちゃんやったかな。明美ちゃんにしてや」
「それが・・・あのう、ちょと他の指名が・・・。それより、どうですか、バイトでいい子がいますよ」
「そうか、しゃあないな待つのも面倒だし・・・。その子でいいわ」
「はいかしこまりました。詩織ちゃんご指名ですよ~」
するとすぐに、別室から詩織ちゃんが超ミニスカートで現れる。
別室には税務署の選りすぐり超きれいどころをそろえているのだ。
もっともきれいどころといっても、しょせん税務署、それなりにそこそこの「きれいどころ」ではあるのだけど。
でもたいていのVIPは、「まあそこそこでもいいわ、スカートさえ短ければ」と、思うらしくあまり苦情は出ない。
さて詩織ちゃんの話。
詩織ちゃんはVIPの手をとり「いらっしゃい~」といってソファーに座らせて自分も隣にぴったりとくっついて座る。
そして確定申告の手続きが始まるのだがVIPは詩織ちゃんのミニスカートからはみ出た足が気になってそれどころではない。
こうして詩織ちゃんのペースで手続きが進む。
あらかた終わったところで、詩織ちゃんはいう「ねぇ、もっと申告するものなぁ~い。もっと出してくれたら詩織うれしい!」
こう迫られると、これは隠しておこうと思っていたものもつい出してしまう。詩織ちゃんはなかなかしたたかなのだ。
「こいつ、ほんとにバイトなのか?」と疑念がもたげる。
でも詩織ちゃんは容赦しない。さらにぴったりくっついて「ねぇねぇ、もっともっと出してぇ~!」
・・・こうして、あらいざらい申告させられて、「また来てね~」と送り出される。
「まったく、ぼったくりだ!!」と思うけども、VIP待遇、悪い気はしない。
来年もがんばって、VIPになろうと思う。

ゴールド会員はVIPルームがあるわけではない。ただ指名待ちの超ミニスカートのきれいどころがつく。
そしてまず「ねぇコーヒーにします?紅茶にします?」
「そやなぁ、コーヒーにするか。ブラックでね」
「は~い、かしこまりました」
・・・こうして申告手続きが始まる。
ところが、きれいどころの丁重な対応に満足してたら、途中で、「ルミちゃんご指名ですよ」のアナウンス。
「あら、ごめんなさい」といいってルミちゃんはVIPルームへ消えていく。
一人ぽつんと取り残されたゴールド会員、
「来年は絶対プラチナ会員になるからな!」と思う。
でもゴールド会員には手土産がつく「カラオケ一日歌い放題券」「ゲートボール一日無料券」のいずれかなのだけど、
税務署の職員が知恵を絞って考えたわりにはあまり評判は良くない。
来年はこのほかに「日清のチキンラーメン一か月分」も入れようかと今、慎重に検討している。

シルバー会員は従来どおり男の職員が対応する。
今までと違うのは最初にお茶が出て、終わったらティッシュをひとつくれる。
でもシルバー会員はなかなかつらい立場だ。隣ではコーヒーのミニスカートつき。
来年は何とかがんばってゴールド会員になりたいなと思う。
でも税務署でもここら辺は良くわかってて、もうちょっとシルバー会員を何とかしようと話し合っている。
それで来年からティッシュは2袋ずつになるだろう。

銅会員にはお茶もでない。
職員もむっつりとしている。
このレベルからはチップなど期待できるはずもないからだ。
最後にティッシュもでない。
それで銅会員は「せめてシルバー会員になりたいものだと思う」

最後にわれわれが属する、トタン会員。
部屋は北側の狭い部屋。
暖房は石油ストーブが1個だけ。
部屋に入るとぎっしりと木の椅子に座っている。
立ってる人もいる。
みんな朝から来ているのにずいぶん待たされている。
石油ストーブにはなんと誰がおいたのか、夕食の鍋がかかっている。
サンマの匂いも立ち込めているところを見ると、先ほどまで誰か焼いていたのだろう。
そこに常連客がやってきて、ストーブの鍋をちょっとどかして、ヤカンに酒を入れて、燗をして、さらにするめを焼いて宴会が始まる。
・・・こうしてみんなしこたま飲んで、すっかり出来上がり、日が落ちた頃ようやく順番が回ってくる。
この頃には税務署の職員はVIP相手にすっかり疲れているので、手続きもかなりおざなりになっている。

「そのほう、申し立てにうそ偽りあるまいな。隠し立てするとためにならんぞ!」
「いえ、め、めっそうもありません」
「うむ、よし通れ」
「ははぁ」
こうして取調べは、おざなりにあっけなく終わる。

こうしてトタン会員は、かなり酩酊しながらも、来年もまた飲みにこようと思う。
銅会員やシルバー会員になろうなんてぜんぜん思わない。
そして家路へとふらふらと向かう。
でもちょっと方角が違うような・・・。
あっ、いかん、その先には呑み屋が!
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする