イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

加太沖釣行

2024年03月17日 | 2024釣り
場所:加太沖
条件:小潮9:01干潮
潮流:6:19下り1.1ノット最強 9:45転流
釣果:マアジ2匹

今日は還暦という日だった。しかし、朝から何も変わったこともなくいつものとおり釣りに行く準備をし、いつものとおり家を出て、いつものとおり船を出す。



海、川、池に棲む魚たちは自分の誕生日がいつだったかということを知る由もなく、僕も同じ心境なのである。しかし、身体はそうもいかない。ここ数日はバックペインがひどく、足元もおぼつかなく船に乗り込むのが少し怖い。目も見にくくなり、物忘れはもっと前からだが、今日も手袋を忘れて家を出て、スーパーから家に逆戻りしたのである。
還暦とは、〝もとの暦に還る〟という意味だが、確かに何もかもリセットされてゆくような感じにはなる。そこは魚の心境とはちょっと違うのである。
ちなみに、今日はアサヒスーパードライが発売された日だそうだ。発売された年は1987年。僕が社会人になった年である。そして明後日、その社会生活に一応の区切りをつけるのだが、こんなことを初めて知ったというのも何か還暦がもたらしたもののような気がするのである。これも魚の心境とはちょっと違うのである。多少は人間の心も持っているらしい。

元々は、午後から雨という予報だったので早く戻ってワカメを家の中に取り込まねばと近場でアマダイでもと思っていたのだが、昨日、ガソリンスタンドの爺さんから加太のテッパンポイントでハマチが爆釣しているという話を聞いた。
これは行くしかないと昨日の夕方にワカメを取り込んで雨に備えておいた。

朝はとりあえず四国ポイントでアジを狙ってみてその後にテッパンポイントに移動しようと考えていた。休日は土日に固定されてしまっているので潮流表を見ても意味がなく、昨日の満潮はお昼前だったから今日は上り潮だろうと思っていて、船の上で潮流表を見てみたら午前中は下り潮であった。それもほとんど動かない。これは厳しいなと思っていたらその通りになってしまった。

四国ポイントにはたくさんの船が集まっていた。



釣れているのか、それとも妥協の産物なのかはわからないがとりあえず仕掛けを下ろしてみる。潮は思っていたよりも速く流れている。少しは期待が持てるか・・。船はかなり狭い範囲に集積しているので同じ場所を行ったり来たりして僕も船団の動きに合わせる。横を流れる船が1匹釣り上げた。魚はいるようだ。しばらくして魚探に大きな反応が出たと思ったらアタリが出た。大きいマアジだ。しかし、その後も時々大きな反応が出るもののアタリはない。毎度のことだが、一体これは何なのだろうか・・。
反応は船団の西の方によく出ているので僕は少し離れたところで粘ってみるが同じようなことをみんな考えているのかしばらくすると船団に飲み込まれてゆく。
他の船も同じようであまり竿は曲がっていないがその中で1艘だけダントツに魚を釣り上げている船がある。いつ行っても必ず浮かんでいるガンネルが緑色の船外機の船だ。たまたま近くに位置した時、魚探に大きな反応が出た。アタリが出るか!と思ったが竿が曲がったのはこの緑の船だけであった。間違いなくこの船のオーナーは釣れる術を持っている。それも他人とは違う圧倒的な術だ。何が違うのだろう・・?サビキの素材?長さ?糸の太さ?誘い方?魚の心境がわからない・・。
ベンチマークにさせてもらおうとしばらくの間後をついて回らせてもらったが、形而上でわかることは誘い方くらいだ。よく見ていると竿を大きくあおってゆっくり下ろしている。ヨガの呼吸のようだ。
僕も真似てみたがまったくダメで、挙句の果てに仕掛けを根がかりさせてしまった。

一度船団を離れ、ハマチを求めて移動してみることにした。テッパンポイントにはまったく船の影はなかったが田倉崎の沖にジギングをやっている船が数隻浮かんでいる。ガソリンスタンドの爺さんの情報はきっとこれだろうと思いその近くにいってとりあえずサビキを下ろしてみた。魚探には何の反応もなく当然アタリもないのですぐにまた元の船団に戻ることにした。
ベンチマークの船とは何が違うのだろうかと小さな脳みそを回転させるが何の知恵も浮かばない。今日の潮の速さでは操船技術の差ではないだろう。今できることと言えばサビキの長さを変えることくらいかと半分カットしてみた。ベイトがヒイカならこのくらいの長さなのではないだろうか。
誘いは同じくヨガの呼吸だ。そうやっているとアタリが出た。1匹目と同じくらいのマアジだ。誘い方か、サビキの長さか、どちらのファクターが奏功したかはわからないが貴重な1匹となった。
しかし、潮の流れも遅くなってきたのか緑の船も竿を曲げている様子もないので午前9時半に終了。

午前8時半を過ぎた頃から水面に雨粒が見えてきた。港に戻るころには顔に雨を感じるくらいになっていた。予報よりも早く雨が降ってきて、午後からは小雨と思えないほどの雨になってきたのでワカメを昨日のうちに取り込んでおいたのは正解であった。
このブログは翌日の夜に書いているのだが明日はまた午後から雨が降るらしい。
家に帰ってきてご飯を食べて、早朝暗いうちから干していたワカメの取り込み作業。日中の日差しと強い北風のおかげでよく乾いている。明日の雨の湿気を避けるためビニール袋の中に押し込めておいた。
とにかく今年のワカメは手がかかる。美味しく干しあがってくれているだろうか・・。


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