イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「仏教が好き!」読了

2012年07月25日 | Weblog
河合隼雄、中沢新一 「仏教が好き!」読了

如来様の次に偉いのが菩薩様くらいしか知らない僕にはよくわからない著書であった。これは仏教というものをよく知っている人が、「そうだ、そうだ。」と言って喜ぶ本なのだろう。
魚釣りを知らない人が「関西のつり」を読んでいるようなものだ。

臨床心理士の河合隼雄と宗教学者の中沢新一の対談形式で進んでいく。ひとりは元文化庁長官、ひとりは東大出身では話がわからないのもうなずける。
その中でもおぼろげながらなるほどと思った部分は、仏教は女性原理で、キリスト教は男性原理。仏教は自然の八百万の神を取り入れたアミニズムから生まれたのに対し、キリスト教は一神教からスタートし唯一の自我を支える唯一の神を信じる個人主義である。西洋科学の発展は個人主義が自然をねじ伏せるために発達したもので、それを明治以来取り入れてきた日本は元からの女性原理である仏教思想とのミスマッチが日本の不幸である。というところ。
日本人はやっぱり、日本人らしく生きなければならないという警告だ。

また、河合隼雄は元は理学部出身の理系の学者でもあり、宗教と科学についても言及している。
例えば行列(マトリックス)、もともとの意味は“子宮”という意味もあるらしい。まさしく、“曼荼羅”の世界だと語っている。
行列というのは中のひとつの数字の変化がマトリックス全体に影響を与え、調和を保っている。曼荼羅もすべての仏様が全体に影響を及ぼして調和しているのだそうだ。紀元後すぐにできたものが、量子論の考えに通ずるものがある・・・。

わからないけどわからないなりにかなり面白い書籍ではあった。
コメント
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