イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「バカの壁」読了

2010年09月25日 | Weblog
養老孟司 「バカの壁」読了
ずっと昔のベストセラーなのでいまさら読むようなものではないのだが、古本屋さんの特売で105円で売っていたものでとりあえず買ってみた。

僕は、最近の新書というのはわかりきったことをいとも難しく、しかも読んでいる人間に教養を得たといともうまく錯覚させるものだと思っている。養老孟司はこの本を執筆したのではなく、ただテーマについて話をしただけで、構成は編集者がしたようだ。なんと薄っぺらい教養か。

この本も、人はどうして分かり合えないのかということを難しそうに語っている。何事も答えはひとつではないのに、それを無理やりひとつではないのだと思い込むことに原因があるという。そんなもの社会人を20年以上やっているとなんとなくは解かってくる。
それでも、共通一次試験でマークシートの答案用紙に必死で向かっていた僕にはやっぱり答えはひとつでないと困ってしまうのだ。
「君子豹変」という言葉は“立派な人が機をみて態度や考えを安易に変える。”というのが本来の意味らしい。
しかし、一般人はやっぱり人の目をきにするので、おいそれと言ったことを変えるわけにはいかない。普通の人というのはやっぱり僕と同じ考えをもっているから。

会社で出世する人ってやっぱり“豹変”してる人が多いように思うから、やっぱり養老孟司は正しいのだと思う。
ドラゴンボールも北斗の拳もどんどん変わっていったもんな。

最後の章に一元論について書かれている。苦しい人生から逃れようとするひとは偏った考えの原理主義に走ってしまうそうだ。
読みながら、僕は宗教に走る代わりに魚釣りに逃げ込んでしまっているのではないかと思ってしまった。
ぼくは魚釣りというのはもっと崇高なものだと思っているのだが、現実から逃避するための壁に使っているのかもしれない。

この歳になって自分の性格が豹変するわけでもなく、このままなんとか人生をうっちゃっていくしかないと思うとちょっと情けなくなってしまうのだ。
コメント
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