気付きの科学 新世界版

ここで言う 「気づく」という意味は、空(くう)の状態から、在る状態に引き出す意識的行為・・すなわち創造のことです。

喫茶「禅」での問答 3章

2008-02-08 08:48:37 | 色々な気付き

●やさしい唯心論者のつぶやき

お客: 問答好きな茶店があると聞いてきたんだが。

マスター:へい、何にでも好奇心があるもんで。

お客: わしはね、物質など影であり、森羅万象全てはこころの反映であると思うんだが、そうだろう。

マスター:そうですよね

お客: そうか、そう思うかね。ムーん。

マスター:そのとおりですよ。

お客: ・・・・なにか反論ないのかね。話が終ってしまうじゃないかね。

マスター:あなたがそう思うならそうですよ。

お客: あのなー、それでは話が進まないんだけど・・。

マスター:それは、そのとおりであれば、それで終わりでしょう。何もないんじゃないですか?

お客: ・・・・

マスター:こころとは何でしょうかね?あなた個人の存在観点、視野からみた世界の説明ですか?こころが全てを創造しているわけであると。

お客: そうそう、そう来なくっちゃ。まあ、そうだな。私が目を瞑ったら世界は見えなくなる、私が居なくなったら、世界が消えてしまうわけだよ。従って私が世界を存在せしめている・・と。個人主義だといっても、実際そうだろうと考えていいんだよ。自分のこころという認識作用がなくなれば、その対象である世界もなくなる。

マスター:それもそうですね。

お客: なんだそれだけかね。何か反論はないのかね。

マスター:反論などないですよ。反論はないし、その「自分のこころという認識作用がなくなれば、その対象である世界もなくなる」というのも本当だと思いますよ。でもね、いい線行っているんだと思うが、それはそれで終わりですよね。・・いや意見を言えと言ったから言うんですがね。

お客: なんだ?終わりって。どういう意味なんだね。えー!のらりくらりでわからん。

マスター:例えばね、山登りをするとします。皆で目指してゆくわけですが、「私が山登りをしているのだ、ただし私が上らなければ、あの山は意味がないし、その気にならなければ山など無いと同じだ」ということと一緒ではないですかね。あなたにとっては全てそのとおり、あなたが登らなければ、山の登頂の経験も得られないしね。あなたの心持ちに全て懸かっていますね。・・・で、それはそうだと言ったわけです。

お客: なるほど、・・・しかし面白くないね。何か本質的なこととは違うような感じだよ。あんたはあんただよ、と言われているようで、面白くないね。

マスター: いや、実はお客さんが言っていることなんですよ。あなたの心が全ての元である・・という意味であれば、そのとおり、あなたはあなたの心どおりである。という意味なんですがね。

「あなた」という存在がどういうものか理解せずして、「あなた」の存在を規定しているような感じがしますねー。自分とは何か?を理解せずして、自分を定義するようなもんです。

お客: 私は真理を言葉に出したつもりだよ。ずいぶん馬鹿にするじゃないか。

マスター:下向いている人には山も見えませんが、お客さんは、山があるのを確かにご存知ですね。でも見ているだけで、まだあまり登っていないんじゃないですか。山があるのは、皆、わかる人にはわかります。

お客: ・・・理屈だけ・・みたいなことかね。

マスター:理屈は必要ですよ。自分でそれを実証しながら、また理屈が出てくるかも。右と左、+とー なんていうのは、歩くことと同じでしょう。どんどん歩けば山に登れるわけです。ちょっと苦しい時もありますがね。

お客: さっきは簡単に言ったけれど、実はこれでも色々勉強や経験をしてきてのものなんだよ。物質はこころの影だという事に気付いたんだよ。 

マスター:ちょっと生意気ですがね、生命は大きな規模で無限を開拓してゆく楽しさを体験している存在だと思いますね。こころが無ければ世界はない・・等という方向でなくて、こころが世界を現しているという方向が、私は好きですな。それにこころはあなただけにあるものではなく、森羅万象全てはこころというか、意識作用でしょうから。

お客: こころが有るは自分のみでない・・というのは分かるよ。なるほど、自己中心・・。痛いところかもな・・。

マスター: おっしゃるように、物質世界は現われているものですが、実態のないものでしょうね。その意味では影ですが、その影を創るためには実体がないといけませんね。物質世界は影、3次元ホログラフのようなものでしょうが、そのホログラフを現出している法則等は、やはり意識作用、自己認識作用でないでしょうか。人間のこころというのはそのミニチュアでしょうか。

お客: ちょっと腹立たしいが、おのれの無知を知るということかね・・・。

マスター: あなたは無知ではないと思いますよ。自分に気づいていなければ、自分が無知などと思うわけもないし、いい線いっていますよ。一種の悟りかも知れませんね。

お客: なにをっ、えらそうにー!・・・・と思うのは・・やめにしよう。

  反論ないかね、といったのは自分だからね。(ブツブツ・・)


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