『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

家元礼賛

2017-12-23 08:06:00 | 落語
BSプレミアムで
未試聴だった家元の
『100年インタヴュー』を視た。

2011年の11月に
亡くなったので、
3.11と同じく
早6年になる。



旧姓・黒田あゆみアナは
家元や落語に精通していて、
ラジオでも共演しているらしく、
恰好の聞き出し役だった。

彼女は東大出の才媛で、
クリスチャンなのに×1で、
現在は渡邉姓である。

生物教員時代に、
生徒たちに毎年見せていた
『驚異の小宇宙・人体』の
BGMが久石 譲で
ナレーションが黒田あゆみだった。

そのコラボによるCG画面は
説得力があり、生徒たちにも
強い印象を与えていた。

この番組は見逃していたので、
京都で初めて生高座に接して来、
永年、家元オッカケをしていたものの、
晩年、興味が薄れた原因が
自身の説明で今頃納得がいった。

倒れる2年前までの
高座に接しているが、
どうも家元が
立川談志を演じているように
思えてならず、
贔屓の引き倒しの逆で、
「家元、それは違うんじゃない」
という違和感があった。

そしたら、
この対談で、
自分でも立川談志を演じるのが
苦しくなっていて、
最後の高座では
立川談志が自分を置いて
どこかへ行ってしまった、
という驚くべき事実が語られた。

やっぱり、
そうだったんだ、
と得心した。





なにせ、
落語始まって以来の天才
と言っていい家元である。

今もある
『家元礼賛』という
サイトにも書いたが・・・

圓朝来の、
志ん生・文楽・金馬・三木助・
可楽・柳好・圓生・小さん
・・・それら全ての名人を包摂し、
完全に昇華している。

私の眼には、
「落語の大名人・立川談志が存在している」
のではなく
「落語という存在が、立川談志している」
と思えてならない。





かつては、
礼賛サイトを立ち上げるほど
惚れ込んで、盆暮れには
お中元・お歳暮をお送りし、
お礼状も度々いただいた。

そして、足しげく
独演会に出かけては
家元にお逢いして、
手ずから色紙を書いて頂いた。

まだ、
40代だったので
情熱ぶりはハンパなかった。

でも、どういうわけか、
家元が亡くなった時に、
意を決して、
サイトを構成していた
九割方の色紙をヤフオクに
放出した。

家元の追悼という意味と、
自分だけが“お宝”を抱え
独り占めしてるのが冥利が悪く、
全国のファンに
その直筆を手にとり
味わってもらいたかったのである。

その結果は、
ものすごいことになった。

瞬く間に
何十という買い手がついた。

「大入・来福」 1,100 円 2(入札数)

B5 独演会ポスター 2枚 1,100 円 22

「まだまだ若いなァ」 2,500 円  1

「秋野美月」  2,600 円  2

「このバカヤロウ奴」 3,600 円  4

洒落札  4,000 円  5

「和賀心美」 5,000 円 1

「己成典型」 5,000 円 1

「愛を込めて」 5,500 円 3

直筆サイン名刺+洒落札 其の弐 5,060 円  21


「居残り佐平治」  7,250 円 11

直筆サイン名刺+洒落札 其の参 7,910 円 20

「一せんめしありやなきや」 8,500 円 2

「孝行糖 孝行糖ォ」 8,500 円 11

「逃げろ逃げちまえ」 9,800 円  13

「学問なんて貧乏人の暇つぶし」 10,000 円 1

直筆サイン名刺+洒落札 10,500 円 17

「天災だとあきらめろ」 11,000 円 4

「小さな事にクヨクヨすること」 11,000 円 12

「人間どうしようも無いよ」 11,250 円 8

「だから教えねえほうがよかった」  14,760 円 11

「勝手に生きるべし」 15,000 円 7

「酔えすべてが美しく見える」 15,500 円 12

「努力とは馬鹿に恵えた夢である」 15,550 円 11

「寿限無」 15,760 円 7

「世の中二つ善いことは無い」 16,500 円 2

「ゆっくりゆっくり生きりゃいい」 17,000 円 7

「成り行きに生きて鶯春の雨」 20,000 円 1

「珍品」  23,600 円 15

「よそう又夢ンなるといけねぇ」 50,000 円 1


すべて売れたことよりも、
「家元! 見てください。
家元を愛する人たちが、
みなさん家元の死を惜しまれて、
色紙をお買い求めですよ…」
と、天国の家元に
誇らしく報告したい気分であった。

どれも
元値は色紙代のみで
タダみたいなものだが、
総計で33万もにもなった。

なんだか、
あの世から
「この野郎、
ずいぶん、儲けやがったな」
という声と
「ま、ご苦労賃だわな」
という労いと、
最後に
「いろいろ、ありがとね」
と礼儀・恩義を重んじる
家元らしい言葉を
かけてもらえたような気がした。

ヤフオクの
落札コメントには、
実際に礼状も頂いた。


***


「勝手に生きるべし」15,000 円

佐々木 様
  
こんばんは! 
そして はじめまして、Iと申します。
(愛知県に住んでいます)
  
今回 大変レアな
【立川談志さん 直筆サイン
「勝手に生きるべし」 の額装】 を落札でき、
大変嬉しく思います!!!
  

「与太郎賛江」 8,500 円

東京都Yさん

私は宮城県の被災地出身で、
少し前に、東京に
大学で出て来たのですが、
子供の頃から崇拝していた家元には
ご病気ということもあって、
あまり生で拝見させていただく
機会がありませんでした。

『家元礼賛』のページも
前から存じておりましたので、
憧れに思っていた私にとって、
神様である家元のサインを落札させて頂いて、
本当に感謝いたしております。
家宝にさせてもらいます。

また、私のようなファンの為に
貴重なコレクションを供出して頂いて、
本当に感謝してもしきれません。


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