『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

鮨の美

2021-04-18 06:46:00 | 食物・飲物
『美の壺』でも
テーマに取り上げられるほど
「鮨」には美がある。

久しぶりに
行き付けの『亀寿司』に
ぶらりと行ってきた。

コロナ禍以前は、
月に一、二度は行ってたが、
予約制になってからは
電話するのが億劫で、
ついつい足が遠のき気味だった。

でも、この時季になると、
過去6年間の
『復興支援リサイタル』の
シーズンには、
毎回、楽屋に花籠と折詰を
届けてくだすっていたので、
その御恩は忘れようがない。

毎回の打ち上げにも
使わせて頂いていた。

家族経営なので
アットホームで
ハートウォーミングなのは
カウンセラーの癒しとなっている。

*

土曜のきのう、
珍しくカウンターは
一人きりで、
いつものように
若旦那の正面で
あれやこれやと
"おこのみ"で
握って頂いた。

子どもの頃、
母親が経理を担当し、
父親が常連だった
名店「達磨寿し」に
よく連れられて
親方のフーさんにも
可愛がられていたので、
鮨に偏愛のある少年だった。

大人になったら、
必ずや父親みたいに
カウンターで
あれやこれやと
好きなように鮨が食べれる
カッコイイ男になりたい、
と夢見ていた(笑)。

なので、
社会人になるや、
毎月、給料袋を内ポッケに入れて
いろんな鮨屋の暖簾をくぐった。 

最初こそ、緊張して
そわそわして落ち着かなかったが、
鮨についての本も
子どもの頃から沢山読んでたので、
職人さんにあれこれ
魚やネタについて尋ねると
たいがいは親切に教えて下さった。

自分でも
真似事で握りを
練習したこともある(笑)。





小鰭(こはだ)は
鮨の代名詞のようなものであり、
このネタには職人の
仕事の腕が現れる。

誰やらの名言に、
「一貫だけなら小鰭。
 二貫なら穴子」
というのを読んで、
さもありなん、
と同感したことがある。

なので、
小鰭が食べれない、
という人とは
共に鮨を食するに値しない、
と不遜ながら思っている。

鹿の子に
飾り包丁が入れられ、
銀屏風のような皮目から
薄桃色の身がのぞく。

これを
親指と中指の二本で
ひょいと摘み
下地をちょいとつけて
ぽいと口中に放りこむ。

脳内で
見た事もない
むかしの江戸前の海が
パーッと広がるかのような
粋な味に陶然とする。

"鯔背(いなせ)"
という江戸言葉も
彷彿させられる。

江戸落語が
何よりも好きなので、
"粋がる"なぞという
江戸っ子の美意識や美学も
一貫の小鰭を頬張る事で
よっくと髄から解る気がする。

そして、
名人・三木助の
『芝浜』の熊五郎の
威勢のよい啖呵が
耳に聞こえるようである。

小鰭一貫で
これほどに楽しめたら、
後は何もいらない、
というのも首肯できる。

さすがに、
鮨屋でそうもいかないが…(笑)。

続いて
好物の平目の縁側を・・・。

白身で唯一
脂がのった部位で、
下地につけると
パーッとそれが拡がる。

コリコリとした
歯応えも身上である。

〆鯖は
さっぱりした
潔い小鰭にはない
ねっとりした
艶冶な旨味がある。

おまけに
光物の青魚には
DHA(ドコサヘキサエン酸)
EPA(エイコサペンタエン酸)
が含まれており、
飛蚊症と光視症の
網膜の養生には
合いクスリでもある(笑)。





北海道の牡丹海老は
大振りながら、
甘海老に負けないほどの
甘みと旨味があった。





この店のスペシャリティでもあり、
毎朝、宮城から直送されるという
穴子は柔らかく
旨味も濃く、
炙って焦げた仄かな苦みも
加味されて独特の美味である。

鮍(カワハギ)は
肝をのせて供された。

さっぱりした白身と
こってりした肝とが
相まって、一貫で
複雑妙味を楽しめた。

〆は
サビ入り海苔巻きと
ギョク(玉子焼き)。

ほんのりした甘味は、
さながら
鮨屋のデザートでもある。

親方、女将とも
存分に談笑しながら、
気分よく小一時間を
過ごさせて頂き、
午後からの自宅カウンセリングの
準備も万端となった。

帰りの車中で、
(あ、そーいや、
鮪をやってなかったなぁ・・・)
と、いつもなら、
赤身か中トロを挟むのだが、
すっかりそれを
失念していた。

ま、それでも、
満腹、満足、したので、
ま、いっか・・・と、
得心した。





久しぶりに
野田のオーディンに寄ったら、
折よく、「2割引き」セールの
貼り紙があって、
何か掘り出し物はないか
物色してみた。

そしたら、
手持ちのゴールドと
対をなす「ノリタケ」の
シルバー中皿があったので、
2枚組の値段も手ごろで
迷わずレジに持ち込んだ。

かねてより、
欲しいなぁ・・・と、
漠然と思ってたのが
2割引きセール日に
偶然手に入ったので、
これはラッキーで嬉しかった。




さっそく、
合いそうな
メインプレートと
組み合わせてみたら、
ノーブル感が演出されて
満足した。

これなら、
どんなフレンチだって
引き立てるフレームに
なってくれそうである。

テーブルウェアの銘品が
また調理欲求を
湧きたたせてくれ、
マンネズムに堕するのを
救ってくれるものである。







ついでに、
110円で見つけた
国産「ランセル」の
エメラルドグリーンの小皿が
「マキシムドパリ」の
メインプレートによく合い、
これにも、何かしら
ドレッセしてみたい、
という意欲を引き出された。





土日朝のマドンナ
亜紗ちゃんが、
大阪転勤になり
毎週のお楽しみが
ひとつなくなって
ガッカリしている。

😞

次、いつ
東京に戻って来て、
そのご尊顔を拝することが
出来るのかしらん・・・。

それまで、
生きてられるかしらん・・・(笑)。


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2 コメント

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Unknown (タケシ)
2021-04-19 06:44:06
俺もやっと嫌なことはやらねえ!と言えるようになったかも、真面目だったんだなー俺は。元気なようですね
返信する
Unknown ()
2021-04-24 08:57:20
ま、鮨ぃ、喰うくらいの元気はいるわなぁ(笑)。

・・・ほんでも、半分「病人」みてぇなもんかなぁ・・・(笑)。
返信する

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