神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

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千葉県松戸市にて中国茶教室「Salon de Leecha 麗茶」を主宰しています

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試飲の大切さと難しさ

2008-06-29 | 烏龍茶(台湾茶)
今回の台北旅行では文山包種茶を探すのに少し手間取ったことは前に少し書いたが、
実はとある茶荘で文山包種茶を少量購入していた。

そこの茶荘へ行くのは初めてではない。
お茶は少々値段が高めではあるが水準は高く、信頼できるものだった。
今回も友人からそこの文山包種茶が欲しい、と頼まれていたので、
お店に入ってすぐに試飲させてほしいとお願いした。

あいにく店主は不在で、スタッフの方が応対してくれた。
まもなく文山包種茶の入った茶杯が目の前に置かれた。

飲んでみると、香りがいまひとつ立たない。
味も爽やかさはあるのだが、奥に日本茶を濃く淹れたような苦さがある。

あれれ?と思ったが、頼まれていたし、とりあえず一袋購入。
しかし満足していたわけではなかったので、
その後も他の茶荘に行くたびに文山包種の春茶のいいものがないか聞いていた。

先日この茶荘で買った文山包種茶を家で飲んでみた。
蓋碗を使い、茶葉を少し多めにして高温で手早くいれた。

え?すごく美味しいじゃない。
ちゃんと香りも立つし、雑味もなく、包種茶特有の清らかさもある。
じゃあ、あの試飲した時の味は何だったの?

考えてみればスタッフの人がいれているところを見ていない。
奥でいれたお茶を店頭の席に持ってきてくれたのだ。
茶葉も見ていないし、いれ方も見ていない。
もしかしたら茶壷でいれていたのかもしれないし、
抽出時間をゆっくり目でいれていたのかもしれない。

こんな状況でお茶を判断してしまったことを反省した。
お茶はいれ手によって味も香りも変わってしまう。
私にとっての文山包種茶のイメージと、
その時いれてくれたスタッフの方のイメージはきっと違ったのだろう。
しかし、いくらイメージは違っても
どのような抽出方法でいれたのかを知っていれば、
もっとこのお茶の本質が理解できていたかもしれない。

お茶を買うときにはできるだけ多くの情報を得て、
五感を駆使しなくてはいけないことを私はこの時忘れていた。

どんなお茶でもその美味しさを演出し、高めていくことが
自分の役割であると思っている。
そのためにはそのお茶をよく知ること。
ここを手抜きしてはいけないのだ。
特に現地で買う場合には。
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エピローグ@台北の旅2008

2008-06-21 | 茶旅
翌朝、7時ごろ目が覚める。
お昼頃のフライトだが、早目に出発。
空港行きの國光客運は台北駅のすぐ隣にステーションがあり、ホテルからもすぐ。
ここは常宿にしてもいいな。
そういえば、鄭茶師が日本人は華華大飯店が好きだな、と言ってたっけ。
(某ネットショップの店長さんもここが常宿らしい。)

桃園空港のスタバで軽く朝食をとる。
久しぶりにカフェラテが美味しいぞ、と。
店員のお姉さんに「要不要加熱?」は日本語で何と言うのか聞かれる。
「温めますか?」だと教えると繰り返しながら「結構簡単ね」と喜ばれる。

時間もたっぷりあるので買った物の値段を日本円に換算したり、
旅のメモを取ったりする。

5日間はあっという間だったけれど、
ものすごく充実した一人旅だったなーと振り返る。
C小姐に電話をしようかと思ったが、
今日は勤務かどうか聞くのを忘れたので控えておくことにする。
またそのうちきっと会えるだろう。

ゲート近くの免税店の横に按摩コーナーを見つける。
こちらは政府機関が視覚障害者の方々の就労施設として運営しているようだ。
15分コースで肩をお願いする。
・・・・・!
こんなに気持ちいいマッサージは初めてだった。
力の入れ具合といい、ツボの押し方といい、最高。
次回もまた必ず来るぞ、と思った。
手前の免税店で見かけたチェーンのマッサージ店より全然安いし。

さあ、飛行機に搭乗する時間だ。
泣いても笑っても台北とお別れ。
私にとって、今回の旅は留学以来、改めて台北の人たちと触れ合った旅だった。
懐かしくて暖かい、台湾。
再会。

*******************************************

今回の旅日記は思いのほか長くなってしまいました。
いつもはここまで書かないのですが、
自分の中での台湾に対する思いと言うのが複雑なところがあって、
過度に感傷的になりがちだったのが、
そういうものが皆きれいに吹っ切れて、
私の中で新しい台湾との関係が構築されたような旅だったのです。
昔の台湾も大好きだけれど、今の台湾も好き。
そんな気持ちを大切に、これからも台湾、そして台湾茶と付き合えたらって思います。

自分の整理用に、インデックスを置いておきます。

台北の旅2008

1日目 プロローグ 永康街
     藤居での出会い 藤居

2日目 湯婆婆に会えるのか!? 九[イ分]茶坊、阿妹茶酒館
     お茶好きマダム御用達(前編) 九壺堂茶荘
     お茶好きマダム御用達(後編) 九壺堂茶荘
     スーツを脱いだ茶人 [木龍]翠坊 

3日目 いにしえの至宝 故宮博物院
     空港で買うなら中山で買え! 新純香茶業、王徳傳茶荘
     おんな心と猫の空(待つわ♪編)
     おんな心と猫の空(兜風編) 
     おんな心と猫の空(落湯鶏編) 張廼妙茶師紀念館
     一杯の鶏肉飯 張協興茶行
     雨の日の心残り [木龍]翠坊

4日目 つかの間の女王様気分 雲天芳泉
     とりあえず牛肉麺 大禾竹藝工坊、老龍牛肉麺大王
     別れの日 [木龍]翠坊、九壺堂茶荘 
     最後的一夜 回留、老吉子茶場

5日目 エピローグ
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最後的一夜@台北の旅2008

2008-06-21 | 茶旅
大安森林公園を横切って行くと、永康街はすぐだった。

とりあえずは夕食である。
最初の夜に入りそびれた「永康刀削麺」にも惹かれたが、
ここもはずせない、「東門餃子館」に入る。

今回は鍋貼(焼き餃子)を頼んでみた。
でもやっぱり個人的な感想としては台北では水餃子だね。
酸辣湯は相変わらず美味しい。

「冰館」のマンゴーヨーグルトにも挑戦。
あの大きなマンゴーカキ氷は一人ではさすがに無理だな。

まだ少し時間が余っていたので、「回留」でお茶をする。
これからお茶の試飲に行くのにお茶飲み過ぎ・・と思いつつ、
ついつい梨山茶を頼んでしまった。
もうさすがに年を考えて、胃を大事にしないとね(反省)。

今回茶藝館にもいくつか行ったけど、基本的には持ち込みOKだし、
これからは茶荘で買った茶葉を試飲する意味でも
茶葉は持参したものを飲んだほうがオトクかなーと思った。
よほどその茶藝館で飲みたいお茶があるなら別だけど。


さて、時間もちょうどいい具合になったので、
永康街から信義路、建国南路を通って「老吉子茶場」へ向かう。
さすがに大安公園は暗くて突っ切る勇気はない。
台北は比較的治安がいいけど、何が起こっても自己責任だからね。

信義路沿いでは新しいMRT駅の工事が行われていた。
完成すれば、永康街へのアクセスがグンと便利になるだろう。
今のところ一番のお気に入りの街であるからウレシイ。
留学時代も学校が近かったのでこのあたりはよく訪れたが、
今ほどはシャレたお店は多くなかった。


「老吉子茶場」に到着、老板が「待たせてしまい申し訳ない」と迎えてくれる。
この方が鄭添福茶師。
C小姐によれば、包種茶の第一人者である。
実は私は以前鄭茶師のお茶を日本の某ネットショップで購入したことがある。
青く、清らかな高山茶だった。

「文山包種茶を買いたいんですが」と言うと、
「うちのは阿里山で作っている高山包種茶だが、いいか?」と聞かれたので
「是非飲ませてください」とお願いする。

こちらの試飲方法はお碗&蓮華の茶農スタイルだ。
美しい一芯二葉の茶葉。
清らかで透明感がある。
人によっては青過ぎる、というかもしれないが、
ヘンな青臭さはなく、雑味もない。
香りはフラワリーでグリーンノートが少し。
茶葉自体に力があり、なかなかのインパクト。
ただ、ちょっといれ方に工夫は必要かもしれない。この蓮華スタイルはいいかも。

次に阿里山高山茶を飲ませてもらった。
三つランクがあるというので、真ん中のランクをお願いする。
包種茶のインパクトに比べると、ちょっと弱い。
単独で飲んだら感想も違うかも。

鄭茶師もご多分に漏れず、毎年雲南省を訪れ、普洱餅茶を作っているそうだ。
今年の生茶も美味しいぞ、と飲ませていただいた。
生茶の新茶だと言うのに、渋味や刺激が全くない。
置いておかなくてもすぐに楽しめてしまう。
お値段を聞いたら一枚3,000元。どひゃ。

残念ながらお財布にはもう千元札が数枚しか入っていない。
阿里山包種茶を半斤だけ購入することにした、というかそれしか買えなかった。

屋号の「老吉子」はどうしてつけたんですか?と聞いてみたら、
お父様が「老吉」と呼ばれていたので、その子、と言うことで
小さい頃は「老吉子」というあだ名がついていたのだそうだ。
お父様も茶農さん。
もともとは坪林で包種茶を作っていらしたのか、
坪林のコンテスト受賞の楯(壁一杯のスペースをとってます。一枚が巨大)
がいくつも貼られていた。
すごーくお若い受賞時の写真もあって、聞けば20代後半の時のもの。
でも少し髪が白くなっただけで、それほどお変わりにはなっていない。

気がついたら9時半を回っていた。
そろそろいとまを告げる。

立派な缶の字は自筆のもの。
鄭茶師のお人柄を表しているような気がする。
(それにしても包種茶の缶は大きい・・・かさばる・・・)


MRTで台北駅に戻り、地下街でDVDやら何やらを物色してからホテルに戻る。
荷物の整理に少し手間取るが、準備は万端、
少しゆっくり目にお風呂に浸かり、台北のテレビ番組を楽しんでから眠りについた。
本当に最後の夜が終ろうとしていた。
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別れの日@台北の旅2008

2008-06-19 | 茶旅
「[木龍]翠坊」に電話を入れると、運良く出勤していたスタッフの小姐が出てくれた。
蔡さんが今日から二日間台北を留守にするということは聞いていたので、
今日は誰もつかまらないかもしれないと言う不安はあったのだ。

私はまず昨日の非礼を詫び、お茶を購入したいので今からそちらに伺ってもいいか、と打診した。
小姐が快くOKの返事をくれたので、私はすぐにホテルを出てタクシーをつかまえた。
今回の旅行ではなるべくタクシーを使わずにいたのだけれど、今回はそうも言っていられない。

ほどなく華山公園近くのマンションに着く。
行くのは三度目。でも昼間に行くのは初めてだ。
小姐に蔡さんによろしく伝えてくれるよう頼み、お茶を買ってすぐに出た。
これでよかったのかはわからない。
ただ、C小姐もお茶代のことを言っていなかったのでこうするより他になかった。
また次回来台した時に、今度はランチかディナーをいただきに来よう、と思った。


その足でまたタクシーを拾い重慶南路の「九壺堂」へ。
スタッフの鐘小姐のまわりを既に4人のお客さんが囲んでいて、お茶を楽しんでいる。
少し前まで日本人のお客さんが二名来ていたそうだが、すれ違いになった。

C小姐は昨日の雨でのどを痛め、声が枯れていた。
おしゃべりの大好きなC小姐には辛いことだね、と皆に言われていたが、
C小姐のお姉さんも来ていて、この方もまた饒舌で楽しい方だった。
C家はさぞかし賑やかで明るい家庭なのだろうと想像できた。

「九壺堂」ではまたすっかりくつろいでたくさんお茶をいただいたが、
閉店時間近くにはC小姐と私だけになり、さすがに腰を上げた。
老師と鐘小姐に記念の写真を撮らせてもらい、別れを告げる。


外は小雨が降っていたが、C小姐は今日もバイクで来ていた。
もう一軒紹介したい店がある、と言う。
私は彼女に包種茶が買いたいと言っていたのだが、
まだ見つからずにいたことを気にかけてくれたらしい。

私はさすがに「今日のパンツは明日履いて帰るし、もう替えはないからバイクは遠慮しておくわ」と言ったのだが、
「裾をまくっておけば大丈夫よ!靴カバーも持ってきたわ」
このパワーには抗えない(笑)。

またもやオバサンバイク二人乗りである。
C小姐は気を遣ってか、私が留学中に通った学校の前の道路を走ってくれた。
私が通った校舎はそのままだったが、周りがすっかり建て替えられていた。

やがてバイクは一軒の茶荘の前で止まる。
C小姐が店に入る前にここは今までの自分の行きつけのお店とは違い、
仕事の付き合いであるため、少し気を遣うべきであることを教えてくれる。

「老吉子茶場」。
出てきた老板に見覚えがある。
そうだ、とあるネットショップで写真を見た、あの人だ。

電話で予約をしていなかった私たちに老板はちょっと戸惑ったようだった。
店には遠方からの先客がいて、夜8時にまた来て欲しい、と言われる。
その時は6時を少し回ったところだった。

C小姐が今日は7時半から始まる韓国ドラマを楽しみにしている、と言っていたのを思い出し、
私はここでC小姐と別れることにした。
今回の旅行では本当にお世話になり、感謝の言葉も言い表せないくらいだったが
連絡先を確かめ合い、再会を約束して別れを告げた。

私は永康街で時間をつぶすことにして、そちらの方向へ歩き始めた。
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とりあえず牛肉麺@台北の旅2008

2008-06-18 | 茶旅
シャングリラを出て、隣の遠東購物中心へ。
ここには「大禾竹藝工坊」がある。
もともと友人からここでの買い物を頼まれていて、
ここへ来ることを想定してシャングリラのエステを予約したのである。

残念ながら友人からの頼まれ物は置いてなかったけれど、
以前よりも茶器関係の品揃えが増えている。
相変わらずここの茶盤は美しい。
応用が効きそうな茶池もあり、しばし足を止める。
でも今回の旅では茶器に割く予算はないので目の保養のみ。

ちょうどお昼の時間なので、前もって調べておいた近場の牛肉麺屋へ。
「老龍牛肉麺大王」(台北市和平東路三段1巷27号)

何だかやっと台北グルメを味わえる~~って気がする。
この旅はお茶飲んでばかりで食べ物はあまり充実してなかったからなー。
渡台前からお腹の調子がよくなかったというのもあるけど・・。

頼んだのは牛肉湯餛飩麺(ワンタン入り牛肉麺)。
ワンタンはプリプリ、スープはちょっと辛味があってコクがある。
あ~~幸せっ!
しかし高級ホテルの高級エステのあと、70元の牛肉麺を食べるってどうよ?

MRTの科技大楼駅まで歩き、台北駅へ。
新光三越の地下でお土産用の食品を買う。
迪化街やローカルなスーパーに行く時間が取れなかったので仕方ない。
その足で重慶南路の本屋さんに寄ってお茶関係の新刊本をチェック。
これでとりあえずお茶以外の買い物は終了。
と言っても今回はお茶以外はほとんど買い物をしていないんだけどね。
スーツケースも一番小さいのを持ってきたんだけれど、
思いのほかお茶がかさばるので、予備にボストンバッグを詰めてきて良かった。

ホテルに戻ると、C小姐から布団乾燥機とサンダルが届いていた。
布団乾燥機はもちろん靴を乾かすため、そしてサンダルはその間に履くため。
C小姐の好意に涙が出そうになる。
電話をしてお礼を言うと、
「九壺堂にいるから、今から来ない?
日本人のお客さんも来てるよ~」とのこと。
「OK。少ししたら向かいます。」と返事をして切る。

その前に私にはやらなくてはいけないことがあった。
「[木龍]翠坊」へ電話を入れてみた。
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つかの間の女王様気分@台北の旅2008

2008-06-16 | 茶旅
4日目は実質台北で遊べる最終日。
この日の午前中は日本からネットでアロママッサージを予約していた。

マッサージやフェイシャルエステは大好きで、
海外に出るとホテル内の高級エステやマッサージをよく予約する。
日本では近所に行きつけのマッサージ店があるが、飾り気ひとつない漢の仕事場。
フェイシャルエステはいつも買う化粧品店がたまに無料でやってくれるが
それも店頭で簡単に終るもの。
海外に出たときくらい至れり尽くせりの女王様エステを受けたいではないか。

今回予約したのは台北シャングリラ(台北遠東國際大飯店)の
40階にある「雲天芳泉」。

朝起きてみると、やっぱり靴はまだ乾いていない。
ギリギリ出発する時間までドライヤーを駆使し、
何とか裸足なら履けるところまでこぎつけた。
これが日本ならちょっと憚られるが、
台北では高級ホテルとは言え裸足にウォーキングシューズでも特に気にならない(と、思う)。

冒頭写真はエステの一室から展望できる台北市内。雨なのが残念。

最初に問診表(日本語)を記入してそれに基づいてアロマオイルを決めてくれる。
エステティシャンは基本的に中国語か英語のみ。
こういう場所では格好つけて(?)英語で押し通してみようかと思ったが、
やっぱり中国語のほうがラクだった。

最初に足をマッサージしてくれるのだが、
その間エステティシャンと香港や台湾の映画の話でやけに気が合ってしまった。
彼女もウォン・カーウァイのファンだと言うことで、大いに盛り上がる。
行きの飛行機の中で『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を観たら、
台北は近すぎて最後まで観終らないうちに到着してしまったことを話すと、
「あれは『恋する惑星』と『ブエノスアイレス』を足したような映画だから
観なくても平気よ」とのことだった。
彼女は近年の台湾映画では『きらめきの季節/美麗時光』が一番好きだということで
私がこの映画を日本で観たと言うと、日本人でこの映画を観た人がいるとは、と驚いていた。
確かに非常にマイナーな場所で上映していたっけ・・・。

その後は1時間半ほどのリンパマッサージ。
この時はいい気持ちでうとうとしてしまった。まさに女王様気分。

いただいたハーブティーも美味しかった。
確か更年期に効くというハーブやアロマを教えてもらったんだけど、忘れた・・・
結局覚えているのは映画の話。
だめじゃん・・・。
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雨の日の心残り@台北の旅2008

2008-06-15 | 茶旅
大雨の中、バイクは台北市内に入り、辛亥路から建国南路に入った。
猫空や木柵の道路を走った時には体験しなかった落とし穴が台北の幹線道路にはあった。

車線が多いので、バイクは右端を走るが(台湾の車は右側通行)
トラックや大型バスが左側をすり抜けることになる。
雨が降った後は道路がまるで小さい川のようになる。
バスが追い越していくと、横から大バケツで水を浴びせられたようになるのだ。
バツゲームのように私たちは水溜りの水を頭からかぶっていた。
上半身はレインコートに守られているが、下半身はそうはいかない。
ジーンズ、靴、靴下は完全に水に浸かった状態のようにぬれてしまった。

「この状態でサロンの畳の部屋に上がることができるの?」
私は先ほどの蔡さんへの電話で今日の約束をキャンセルしなかったことを後悔した。
一刻も早く濡れたジーンズと靴下を脱いでお風呂につかりたい気分だった。

C小姐がバイクを飛ばしてくれたおかげで「[木龍]翠坊」には9時前に着いた。
池に落ちたような状態だった私たちを見て、蔡さんも驚いていた。
私はタオルをお借りして靴下を脱ぎ、足を拭いた。
C小姐はスタッフの小姐にスカートを借りて履き替えた。

恐縮なことに、こんなとんでもない私たちを蔡さんは笑顔で迎えてくれる。
「今日は何のお茶をいれましょうか?」
どんな時でもお茶と来れば興味が沸いてしまう。
凍頂烏龍茶、高山茶、日月潭紅茶をリクエストした。
どれもものすごく美味しかった。

最後に去年の岩茶半天腰をいれてくれた。
C小姐が感動する。「体中がポカポカしてきたわ」
この半天腰は以前スタッフの小姐がいれてくれたのを飲んだことがあるそうだが、
今回蔡さんがいれてくれたのとは印象が違ったそうだ。
蔡さんは「岩茶はいれるのが難しいんだ。男性的ないれ方が合うのかな」と。
スタッフの小姐は「私のいれ方はまだまだだわ」とはにかんだように笑う。

どのお茶もものすごく美味しくて、
蔡さんのお手前もとても素晴らしく、私には勉強になることばかりだったが、
実際のところ、私は体が限界に達していた。
中国語で話すのもおっくうになり、睡魔がだんだん襲ってくる。
無理を言ってこの時間に約束を取り付けたのに、本当に申し訳なかったが
私が疲れているのを見て取った蔡さんは「今日はこのへんでお開きにしましょう」
と言ってくれた。
私は何度も謝りながら、お別れを言って、
またバイクでC小姐にホテルまで送ってもらった。

C小姐は私を長時間待たせたこと、
バイクに乗せてずぶぬれにしてしまったことを
しきりに申し訳なさそうにしてくれたが、
一番大変だったのはC小姐に違いない。
この日はとにかくお互いに疲れていたので、ホテルの前で別れを告げた。
既に11時近くになっていた。

ホテルの部屋に戻り朦朧としていたが、
とにかくずぶ濡れの体をお風呂で温めようと思った。
ウォーキングシューズも一足しか持ってきていないので、
何とか明日までに乾かさなくてはいけない。
新聞紙を詰め、ドライヤーで乾かしたりエアコンの風の来る場所に置いたりしてみた。

しばらくして、蔡さんにお茶代も払っていなかったことを思い出した。
あれだけたくさん美味しいお茶をいれていただいたのに、
私はひとつもお茶を買っていなかった。
この旅行で一番の不覚である。
「明日、もう一度電話して行ってみよう」と思いながら、私は眠りについた。

[木龍」翠坊
台北市長安東路一段52巷14號2F
電話 (02)2562-9542(中国語のみ)
11:30~21:00(完全予約制)
昼食400元 夕食660元、1200元
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一杯の鶏肉飯@台北の旅2008

2008-06-13 | 茶旅
ここ二日ほどは雨も降らず暑かったので
私は台北の天気が変わりやすいことをすっかり忘れていた。
午前中かんかん照りで晴れていても、夕方にものすごいスコールがあったりする。
台北では折りたたみ傘が手離せないことを思い出した。
(反対に、少しくらいの雨なら傘をささない人も多い。)
この日の雨は外を歩くのも憚られるほどものすごかった。

「張協興茶行」は木柵鉄観音好きなら知らない人はいない、有名茶荘である。
私は友人からここのお茶をおすそ分けしてもらったことがあり
今回の旅ではここは必ず訪れようと思っていた。

偶然というか、やっぱりというか、「張協興茶行」はC小姐の行きつけのお店のひとつだった。
雨でぐしょぬれになって店に入った私たちを張家の人々は暖かく迎えてくれた。
お店のカウンターではお孫さんがお絵描きをしている。
犬のトゥトゥがのそのそと寄ってくる。
アットホームな雰囲気がホッとさせてくれた。

カウンターの席についた私たちに張さんがまず今年出来たての木柵鉄観音をいれてくれる。
まだ火入れが落ち着いてないが、仕上がりのバランスがいい。
半年ほど置いた後の変身が期待できそう。

猫空へ行き雷雨にあった経緯などあれやこれやと話がはずむ。
張さんの鉄観音が今年コンテストで頭等奨を取ったと言うことだった。
奨を取ったロットはもう売り手がついてしまっていていただくことはできなかった。

この時既に7時半を回っていた。
突然の大雨にあたふたして時間的な感覚を失っていた私は
8時半に「[木龍]翠坊」へ行く予定になっていたことを思い出す。
張さんのお嬢さんに何番のバスに乗ると便利だと言う話を聞くが、
外は先ほどにも増して大雨。
「[木龍]翠坊」の蔡さんに少し遅れるかもしれないと電話を入れる。
この電話を入れた時点で腰がすっかり重くなっていたのも事実だった。

張さんが奥さんに「鶏肉飯はまだあるか?」と聞き、
奥さんがある、と返事をすると、「二人に出してやってくれ」。
しばらくして、目の前に一杯の鶏肉飯が置かれた。



考えてみれば、この日は「三希堂」の蒸し餃子以来何も食べていなかった。
お腹も空いていたし、体も疲れ、雨で冷えていたので本当にありがたかった。
この「鶏肉飯」は今回の旅の中で最高のご馳走であった。
張さんの農園の鶏を使った出来たての鶏肉飯である。
追加で出された具の鶏肉も完食した。

先の鉄観音とは別の日に摘んだロットも飲ませてもらったが、最初に飲んだほうが美味しいように感じた。
C小姐オススメの佛手も飲ませていただく。
フルーティでなかなかの味。
最初の鉄観音とこれを購入することに決めた。

C小姐は鉄観音のティーバッグを何箱か購入し、
とても美味しいからと、二箱私にプレゼントしてくれた。

張さん家族に丁寧にお礼を言って、お店を後にする。

時計は8時半をさしていた。
雨脚は相変わらず強い。
C小姐は「バスより多分速いから」とバイクで送ってくれると言う。
私もバスやMRTを乗り継ぐのは時間のロスだと思い、
C小姐のご好意に甘えることにした。
レインコートを着込み、またバイクの後ろにまたがった。


張協興茶行
台北市指南路二段93号
電話 (02)2939-4866
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台湾ニイハオノート

2008-06-12 | 茶にまつわる文化・芸術
台北旅行記もちょっと飛ばし過ぎたので小休止。
ってか、読んでくださっている方もいいかげん疲れちゃいましたよね?

ここで一冊本をご紹介。

台湾 ニイハオノート 青木由香著 (JTBパブリッシング)

新刊本でも何でもなくって、2006年11月出版です。
もうとっくに知ってるよ!な方、すみません。
今回台北の「[木龍]翠坊」さんに置いてあったのを見てこの本のことを知りました。
帰国後すぐに取り寄せて読んでみたら、「九壺堂」のことも出ています。

お茶屋さんのセレクトはかなりマニアック。
いいお茶飲んでるな~と言う感じ。
かなり感性が近い。由香さん、私が若かったら友だちになれそうだ(笑)。

食べ物のこともたくさん出ています。
私が特に共感したのは「台湾式 愛のカタチ」の章かな。

普通のガイドブックに載っている台北に飽き足らなくなった方にオススメ。
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おんな心と猫の空(落湯鶏編)@台北の旅2008

2008-06-11 | 茶旅
老泉街を登り「杏花林茶坊」を過ぎ、
指南路に入って「三墩石茶壷博物館」を通り
ロープウェー「猫空」駅に向かう途中に「張廼妙茶師紀念館」はある。

猫空で最初に鉄観音の茶園を開発したのが張廼妙・張廼乾の兄弟であると言われており、
この紀念館は張廼妙茶師の子孫である張位宜氏が経営している。
一階はお茶の試飲と茶葉・茶器販売スペース。
二階は一人150元で鉄観音の歴史や製造に関する展示を見学できる。

見学は時間がかかりそうだったので二階には上がらず、
一階でオーナーの張さんと奥さんの司徒さんとおしゃべり。
司徒さん(変わった名字だが、中国の名字だ)は香港からお嫁に来たそうで、
偶然にも私と同い年だとわかり、
お互いその年には見えないとか何とかお世辞を言い合ったりして和む。

C小姐は如才なく誰とでもすぐに友達になってしまうという素晴らしい才能がある。
お茶にも詳しいので、こういう場では必ず「いいお茶」か「珍しいお茶」が出てくる。
私もそのおかげでこの旅では何度か貴重なお茶をいただくことができた。

今回は張さんが1988年産の木柵鉄観音の老茶を出してくれた。
いい具合に力が抜けていて、ホッとする。
1988年と言えば、私がまだ台北に住んでいた年である。
これも何かの縁、と四両購入させてもらった。

ほんのトイレ休憩のつもりだったのが、話がはずんですっかりくつろぐ私たち。

・・・すると、突然外が暗くなり、ドドーンと落雷の音がひとつ。

「あ!雷・・・ロープウェーは停止だ・・」私は思わずつぶやいた。
まもなく、ザザーッとバケツをひっくり返したように雨が降ってきた。
そうだった、予報では夕方から雨だったんだっけ。
この雨では、先ほどの布袋劇も大変だろうな、と他人事のように外を見ていたが
バイクの二人乗りで来ていたことをハッと思い出す。

「少し小降りになるのを待ちましょう」C小姐は焦る様子もなく茶器を見ている。
ロープウェーは動いていないし、バイクで下りるしかないと覚悟を決めた私は
ここに寄らずにロープウェーに乗っていたとしたら、
途中で雷が鳴って閉じ込められていたかもしれない、といい方に考える。
旅ではポジティブになることが一番だ。

少し雨脚が弱まってきたので出発することにする。
台北のバイクは用意がいい。
ヘルメットも2人分常備しているが、レインコートも二人分ある。
しっかりボタンをはめ、荷物もぬれないようにして、C小姐の後ろに座る。
すっかり慣れたものだ。没問題だ。

小雨の中、指南路を下りていく。
「雨の中、猫空をバイクの後ろに乗って一周した日本人はちょしさんくらいよね」
C小姐が笑う。
私も笑う。まだまだ愉快なひと時。
そう、その時までは・・・。

しかし、猫空を下りてくるにつれ、雨脚が強まってくる。
風も横殴りだ。
顔に直接雨が当たるので、前を直視することができない。
会話も途絶える。

指南路を進み車の往来が激しくなってきた頃には顔はびしょびしょ、
ヘルメットから雨が滴り、ジーンズのすそはごっそりと重くなっていた。

政治大学を過ぎ、「張協興茶行」の看板が見えるまでが何と長かったことか。
私たちはバイクを降り、落湯鶏(=ぬれねずみ)のようになってお店のドアを開けた。


※写真は「張廼妙茶師紀念館」のショッピングバッグに書いてある文字。
雨がひどくてこの日はもうほとんど写真を撮ってません。
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