神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

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台北で買えるお茶の本

2006-06-28 | 茶にまつわる文化・芸術
先月の台北旅行では、本屋に行くことも目的のひとつだった。
行ったのは、オープンして間もない「誠品書局 台北信義店」。
MRT市政府站より徒歩約3分の場所にある。
ビルのフロアーはB2Fから6Fのうち、2Fから4Fまでが書店になっている。
広々としていて立ち読みもしやすい雰囲気。
B2Fにはレストラン街もあるので、本好きの人は一日過ごせるかもしれない。

中国茶に関する本のコーナーも結構充実していて、
買いたかったプーアル茶関係や茶経関係の本も選ぶのに迷うほどだった。
工藤先生や有本香さん、黄安希さんの訳本が置いてあって、
中国茶なのに、逆輸入?と何だか不思議な気がした。

面白かったのは、大陸の簡体字書籍が集められた簡体字館というコーナーがあったこと。
台湾では繁体字を使っているので、簡体字を読めない人も多いと思うのだが、
やはり最近は大陸の書籍は需要があるのだろうか。

それにしても自分が台北に住んでいた20年前とは隔世の感がある。
その頃はまだ蒋経国も生きていて、戒厳令も一応存在しており、大陸に関係した書物などご法度だったのだ。

台北に来た時、私は学生時代に使い込んだ『中日大辞典』という辞書を持参していた。
これには簡体字も繁体字も載っていて、その当時は最も詳しく優れた辞書だった。
ところがこれが台北の空港で荷物検査された時に没収されてしまったのだ。
自分は台北に中国語を学びに来たので、辞書がないと困ると一所懸命説明したのだが、埒があかなかった。

結局半年後に一時帰国するとき返却してもらったが、
台北にいる時は台湾で発行している繁体字のみの中日辞典を使うしかなかった。
それがいまや簡体字館まで存在するとは!

私はそこで見つけた今年の1月に大陸で出版されたばかりの福建省のお茶の本『閩茶説』(写真左)を購入。
閩(門構えの中に虫)の字は一文字で福建省を表す。
内容は福建省の銘茶、歴史、茶に関する史跡、泉、道具、人物などを図や写真入りで解説しているもの。
平積みで置いてあったので、結構買う人もいるのだろう。
台湾の人は福建省にルーツがある人も多いので、福建省関係の本は人気なのかもしれない。

なかなか面白い。
読みながら飲んでいるのは安渓鉄観音。
安渓に一人旅してきたちるさんからの頂き物。
(お茶も美味しいけれど、彼女のブログの旅行記も面白い!)

いいなあ、福建省。
安渓、武夷山、太姥山。行ってみたい場所はたくさんある。
とりあえずは本の中の絵と写真で我慢するしかないかな。
コメント (4)
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春の新茶会@ANOMA

2006-06-26 | お茶会
今年もまたお邪魔してきました、anomaさんの新茶茶会。
気がつくともう半年たっているんだなあと毎回思う。

私にとってこの新茶茶会は
単叢(ソウの字は木偏に叢)の新茶を思いっきり味わうのと同時に
バンブー茶館のかめきちさんにお会いして中国のお話を伺うこと
星川さんが作ってくれる美味しいお茶請けを堪能すること
(上の写真右は星川さん手打ちの讃岐うどん。美味!!)
そして楽しいお茶仲間と語らいながら美味しいお茶を楽しむこと
一挙両得ならぬ、一挙四得なんであります。

さて、今回は初お目見えの単叢がずらり。

茶譜はちるさんからコピペさせていただいています。
(いつもありがとうね!)

柿葉単叢 烏東(以下、単叢は全て烏東産)
山茄葉単叢
芝蘭香
安溪鉄観音 蘭花香 祥華(以下、鉄観音は全て祥華産)
安溪鉄観音 鮮香回甘韻 
武夷岩茶 北斗
海底撈針
佳常黄枝香
群体単叢桂花香
安溪鉄観音 茶王 
安溪鉄観音 茶王 内銷 
姜花香
プーアール 7542

最初の柿葉単叢は柑橘系の香りがはっきりとしていて、
私たちのテーブルではとっても人気だったなあ。
初っ端からクリーンヒットだったので、今年は面白いぞ、と思っていたらその通り。
定番単叢もストレートにその単叢の特徴が出ていて、
芝蘭香も黄枝香もとても‘らしい’味と香でした。

初めて飲んだ海底撈針は一煎目に何となく海苔のような香がして、
それが海底という名前の由来?なんて思ったけど
そうではなくて、葉の特徴から名付けられたらしい。
渋くて(渋みがあるという意味ではなく)クールで多分こんな単叢は滅多にお目にかかれないだろうと思う。
とっても美味しかった。

ちるさんも書いていたけれど、ラストの単叢、姜花香はちょっと複雑すぎて表現不能だった。
美味しいと聞かれると美味しい、と答える。
でもどう美味しいか、とか、その良さは自分には説明できない。
何と言うか、香気成分や旨味成分が複雑に絡み合って、
全てがバランスよすぎてどこも突出していないという感じ。
その香りは「特韻」と呼ばれているらしい。
かめきちさんが単叢のいい物というのはこういう世界だ、とおっしゃっていて、
私には単叢の評茶はムリポだな~なんて思ってしまった。
‘美味しければ幸せ~’の世界に留めておこう(笑)。
市場に(ホンモノが)出ることは滅多にないということなので、本当に貴重なものを飲ませていただいた。

今回の安渓鉄観音はどれも当たりだったと思う。
今年の福建省は雨が多くて大変のようだけれど、
そんな中でもこういう高水準のものがいただけるというのは本当に有難い。
自分で買うなら鮮香回甘韻あたりかな、と思うが
国外不出?の内銷茶王に惚れてしまった。
普通の茶王のほうは上質の安渓鉄観音にのみあるという
スイカっぽい香りが実に上品で何煎も同じ水準を保つ実力があるけれど、
内銷茶王の地元でキープと言う華人のプライドをまさに体現したような華やかさと自信あふれた仕上がりが気に入った。
口の中に含むと揮発性の爽やかな香りが拡がったあと、すぅっと甘い後味に変わる。
これも二度と出会えないお茶なのだろうけれど。

かめきちさんが持ち帰ったお茶はまだ他にもいろいろあって、
今回飲めなかった種類のものはanomaさんでも飲めるらしいので、
また日を改めてお邪魔してみようと思う。

今回も長い時間、飲み倒し、しゃべり倒したという感じ。

かめきちさん、星川さん、スタッフの方、
ありがとうございました!
また次回もよろしくお願いいたします
コメント (10)
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高山茶を飲みながら九[イ分]を想う

2006-06-21 | 茶にまつわる文化・芸術
台北旅行で買ってきた杉林渓高山茶を開けてみる。
長春路にある富宇茶行で購入したもの。

せっかくだから、と、これも台北で買ってきた唐子の蓋碗を使う。

茶葉のグレードとしては普段飲み、と言う感じなので
どっさり使ってサラッと淹れるのが美味しいみたい。
最初だからしっかり蓋碗で淹れたけれど、
多分マグカップを使ったり冷茶にしたりしてガブガブ飲むと思う。



さて、こちらはやはり台北で買ってきたDVD。
1983年王童監督の作品、『看海的日子』(日本名:『海を見つめる日』)。

実はこの映画は私にとって忘れられない作品のひとつである。
1984年ごろだったと思うが、台湾映画祭が東京で開かれ、その時に上映された中の一本だった。
当時、大陸中国のことしか頭に無かった私に台湾と言う存在を強く印象付けたのがこの作品だった。
(結局私はこれがきっかけでその後台北に渡ることになる。)

王童(ワン・トン)監督は候孝賢(ホウ・シャオシェン)、楊徳昌(エドワード・ヤン)と並び
当時は「台湾ニューシネマ」の担い手と謳われていた。
(今ではそれぞれ巨匠であるが。)
それまで政治宣伝色が強い国策映画や娯楽ヒーロー物がほとんどだった台湾映画界において、
台湾人の日常生活や台湾社会が抱える問題などに向き合い、
台湾のアイデンティティを意識した作品作りを行ったのが彼らだった。

「台湾ニューシネマ」は台湾の郷土作家の文芸作品を原作としている作品も多い。
この『看海的日子』も黄春明の同名小説を原作としている。
(『看海的日子』は黄春明の作品集『児子的大玩偶(坊やの人形)』の中に収められている。
日本版ではシリーズ・アジアの現代文学『さよなら・再見』に入っている。)
小説『看海的日子』は落ち込んだ時や新しい環境に踏み出す時にいつも読み返す私の愛読書になっている。

映画『看海的日子』は東京での映画祭で一度観たきりだった。
その後ビデオ化もされなかったので、もう一度観たいとずっと思っていた。
今回の台北旅行で計らずもDVDを入手することができて、本当に嬉しかった。

 ヒロイン白梅は貧しい農村に生まれ、
 小さいときに童養媳(トンヤンシー)として養女に出される。
 養女と言っても結局は人身売買と変わらない。
 養父母の下から娼館に働きに出され、養家の生活を支えて生きる。
 しかしそんな彼女に家族の目は冷たかった。
 白梅は、いつしか子供を持った普通の生活を夢見るようになる…

この白梅の養父母の家の舞台となっているのが九[イ分]である。
九[イ分]は今でこそ茶館や商店が並ぶ観光地となっているが、
この映画の舞台となった頃はまだ静かな旧市街という感じだったようだ。
階段の続く風景は変わりないが、モノトーンのとても静かな雰囲気だ。
この映画の後、候孝賢監督の『恋恋風塵』でも使われ、
1989年の『悲情城市』で一躍脚光を浴びることになる。
日本統治時代の面影を残す街はどこか寂しげで絵になるのだろう。

実は私はまだ九[イ分]に行ったことがない。
私が台北に住んでいた頃は『看海的日子』の舞台が九[イ分]だったことも知らなかったし、
今回の旅行でも結局時間が取れなかった。

映画の中の九[イ分]と観光地化された現実の九[イ分]とのギャップを感じてしまいそうな気もするが、
私の中でずっと生き続けてきた白梅の姿を捜しにいつかは行ってみようと思う。
コメント (6)
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7452七子餅茶

2006-06-12 | 黒茶(中国茶)
プーアール茶.comから届いた6月のお試し茶は7452七子餅茶。
70年代中期に生産された熟茶です。
渥堆の技術を使って熟茶が作られ始めたのが1973年ごろからなので、まだごく初期の技術で生産されたらしいです。

サイトの説明にある「年代モノの生茶をめざした熟茶」というキャッチフレーズ、
実は最初は意味がよくわかりませんでした。
と言うのはお試しとして送っていただいた15gを3回にわけて淹れたのですが、
最初の2回はこころもち茶葉を多めにして、何も考えずにのんびりと淹れていたのです。
1回目は蓋碗を使い、2回目は茶壷を使いましたが、
どちらも3煎目くらいからはかなり濃い水色で味も焙煎したような苦味が出て、
時々出会う、ドバッと色の出る熟茶、という味だったのです。
この味を好む人も多いかもしれないのですが、私はどちらかと言えば苦手。
熟茶でももう少し甘くて軽い感じが好きな私は、
このお茶、この値段で買うことはまずあり得ないなあ、と正直思いました。

ところが。3回目。残った茶葉は前回と前々回に奮発しすぎて少なめ。
茶壷はわりと大きめのものを使ってさらりと淹れてみたら・・・
あれ??この味、私、好きかも!と思ったのでした。

この3回目の淹れ方だと、ブラインドで飲まされたら、もしかしたら年代モノの生茶?と思うかもしれません。
水色も透明感のある赤栗色で、味も落ち着いた苦味と酸味がなかなかすっきりとしています。
ただ、煎を重ねていくとさすがに味は少しずつ下降していくので、それはちょっと残念なのですが、
2煎目(1煎目は洗茶で捨てた)から4煎目までは本当に美味しい。

淹れ方ってやっぱり重要。
どんな風に淹れても美味しいお茶ってあるけれど、
淹れ方で表情が変わるお茶も面白い。
(まあ、ただ単に1回目と2回目の淹れ方が超下手だっただけなんですけどね。
何だかお茶に申し訳ない
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キャッスルトン農園ムーンライト@Leafull

2006-06-02 | 紅茶(中国以外の地域)
吉祥寺のリーフルダージリンハウスに友人に誘われテイスティングに行く機会がありました。
今年のF/Fは通販で既に購入していましたが、
久々のリーフル、せっかく行ったのだからとまた買い込んでしまいました(^^;)。

でも、最初にいただいたノースタクバルDJ-2の水出しがとっても美味しかったので、
今年はアイスティーをたくさん作るつもりです。
多少大目に買っても大丈夫かな、と。

テイスティングでは、
オカイティ農園クローナルワンダーDJ-50
マーガレッツホープ農園ティッピークローナルDJ-9
の2種がメンバーの中では好評でした。

マーガレッツホープはバランスの良さと爽やかに口の中に広がる甘さが魅力でしたが、
私はオカイティのちょっと複雑なフローラルな香りと深みのある味わいが気に入ってこちらを購入。

タルボ農園ティッピークローナルスペシャル、
サングマ農園ヤマダバリDJ-7シルキームーン
の2種も人気でしたね。

さて、家に帰ってまず開けたのは、

キャッスルトン農園 DJ-103 ムーンライト

わずか5kgしか入荷していないとのことで、お値段も張ります。
(これは別格ということで、試飲は不可だそうです)
でもやっぱりお茶は一期一会。
せっかく行ったのだから買わない手はない。

このキャッスルトン、飲んでみるととっても不思議なんです。
例えばタルボとかヤマダバリと飲み比べると、薄い?と思えるほどすんなりしているんですが
じっくり飲んでみると、口の中に優しい回香(戻り香)が広がります。

ものすごく透明感のある紅茶という感じ。
「品がある」という表現がぴったりします。
キャッスルトンはS/Fのマスカテルが有名だそうですが、
そのマスカテルを太陽の日差しを浴びた芳醇な美しさに例えるとすれば、
こちらはまさに月夜の明かりを受けた楚々とした美しさ、という感じなのかな〈想像です)。
深々とした静けさのある紅茶なんですね。

蓋碗で淹れるとまた違った表情が楽しめました。
一煎目はフルーティな香りを楽しみ、
二煎目はその余韻を味わい、
三煎目はちょっとじっくり淹れて、紅茶らしい深い味わいを楽しむ。

ケビン・スペーシー主演の『シッピング・ニュース』という映画で
ジュディ・デンチの演じる女性が
「紅茶をどうぞ。紅茶には気分を落ち着ける効果があるのよ。」
と言うセリフがあるのですが、
このキャッスルトンを飲むと、その言葉が思い浮かんできます。

mad__hatterさんもいち早く購入されてますね!
 TBさせていただきました。
コメント (5)
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