今回の茶譜、テーマは熟成することで美味しくなるお茶にしました。
9月のこの時期は特にクオリティーシーズン茶もありませんし、
今年の春の新茶は暑い夏を越したばかりなので、
どうせなら置いた方が美味しくなるお茶を選んでみようと思いました。
もう一つの試みとして取り入れたのは、
いつも南青山の茶会に参加してくださる素敵なマダムからいただいた
とびきりのお茶を皆さんにおすそ分けすること。
結果的には日本では購入できない珍しいお茶が揃いました。
3日間とも茶譜は全く同じです。
★茶譜★
冷茶 白牡丹 2010(福建省)
茉莉花茶 2010(福建省)
有機文山包種 竹葉紅心 2011春(台湾)
兄弟単[木叢] 2010(広東省)
六安茶(安徽省)
最初の白牡丹の冷茶は前日の晩から水出ししたもの。
去年香港で購入した青みの強いタイプです。
一年経って甘さが増してきました。
夏にぴったりの爽やかな飲み心地です。
茉莉花茶はお客さまのKさまから以前いただいたものですが、
あまりの美味しさに私一人で飲むのは勿体無いので、
皆さんと一緒に味わうことにしました。
ご主人が北京出張の際に贈答されたものだそうです。
北京の「呉裕泰茶業」は1887年創業の老舗。
上等の緑茶にジャスミンを丁寧に香り付けした茶葉は、
上品な香りと高貴な味わいで、伝統の威厳を感じさせます。
文山包種は竹葉紅心種という、
今ではほとんど栽培されていない台湾の固有の品種を使っています。
青心烏龍種を使った一般的なものに比べ、深い味わいがあります。
このお茶も置くことでどんどん美味しくなっていきます。
台北の小Y老師が扱うお茶で、私の最近のお気に入りです。
兄弟単ソウは茶農さんプロデュースの鳳凰単ソウの中でも特にハイ・グレードの品種。
去年の夏、荒茶の試飲の段階で一目惚れならぬ、一口惚れで購入を決めました。
12月に仕上がり、10ヶ月近くを経て飲み頃を迎えたところでサロンでは初めてのお披露目です。
複雑で微妙な味わいと香りがありますが、
バランスのよさが醸し出す上品さは驚きです。
飲む人を寡黙にしてしまう力があります。
ラストの六安茶はお客さまのOさまからいただいた貴重な籠入りです。
いつ、どこで作られたのかははっきりわかりませんが、
シンガポールの茶荘で扱っているものだそうです。
黒茶特有の香りはあるものの、プーアール茶よりもすっきりと飲みやすく
月餅とも相性がいいお茶です。
※ トップ写真はテーブルを飾るフラワーアレンジメント。
今回も
アトリエ オルタンシアさんにお願いしました。