旧暦の睦月四日、
Jikonka TOKYOで開催されたイベント「暦をたしなむ―春節―」に参加してきました。
太陽と月の恩恵を感じ、自然の循環の中で先人達が積み重ねてきた季節の過ごし方や文化が活きているのが旧暦です。
日本では明治5年まで使われていた暦のことで、正式には太陰太陽暦と言います。
その旧暦によりそい、五感で季節を楽しむというのがこのイベントの主旨と言えるでしょう。
折しも2月19日は旧暦のお正月、春節でした。
立春に近い新月の日を旧正月、春節と決めるそうです。
中国茶をたしなむ人には旧暦は意外と馴染みがあると思います。
今回のイベントはこの春節を楽しもう、ということで、お料理、お話、お花の3つのプログラムから構成されていました。
お料理は
植松良枝先生によるもの。
新暦のお正月とは使う食材も違います。
文字通り迎春という感じの春の芽吹きを感じさせるお節でした。
■菜譜■
御節
小鯛笹漬けと菜の花とろろ昆布の辛子酢味噌
金柑なます
のし鶏
田作り胡桃
蕗の薹と胡麻豆腐の揚げ春巻き
蓮とうどの梅きんぴら
七草粥
初春の野の摘み草
蓬の生麩
餅
新暦でも1月7日に七草粥を食べますが、
この時期は野に出ても摘めるような草は生えていません。
結局スーパーなどでセットで売っている七草に頼るほかありません。
旧正月の七草粥の時期にはちゃんと野原に行けば七草とまでは行かなくても素材になる草は見つかるんですよ、
という植松先生のお話に納得してしまいました。
お話の部は
冨貴工房代表の冨田貴史氏の「養生」と
和暦研究家の
高月美樹氏の「結び」。
冨田先生の養生のお話は陰陽五行に基づいたもので、
冬から春に向けて気をつけること、取り入れるべきものを教えていただきました。
高月先生は旧暦=和暦での生活を勧める活動をされており、
2月始まりの旧暦手帳『
和暦日々是好日![](https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=leonpyasblog-22&l=ur2&o=9)
』を出版されています。
テーマの「結び」は睦月の語源であるとされる、一月は親族一同集って宴をする月、むつみ合う→結びつき→結びから来ているそうです。
暦から読み取れる生活の知恵、昔の風習などのお話はとても興味深いものでした。
最後のお花の部では花道家の
上野雄次氏と華道家の
平間磨理夫氏が
目の前で花生けライブを披露してくださいました。
その場で花器と花材を選び、短時間でアレンジするというダイナミックなパフォーマンスにはただただ魅了されました。
Jikonka TOKYOでは、今後も節目節目にこのようなイベントを展開していくそうです。
「和」を見つめ直すいい機会になりますね。
お誘いくださったうらりんさん、まりこさん、ありがとうございました!