神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

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暦をたしなむ@Jikonka TOKYO

2015-02-23 | 茶にまつわる文化・芸術
旧暦の睦月四日、Jikonka TOKYOで開催されたイベント「暦をたしなむ―春節―」に参加してきました。

太陽と月の恩恵を感じ、自然の循環の中で先人達が積み重ねてきた季節の過ごし方や文化が活きているのが旧暦です。
日本では明治5年まで使われていた暦のことで、正式には太陰太陽暦と言います。
その旧暦によりそい、五感で季節を楽しむというのがこのイベントの主旨と言えるでしょう。

折しも2月19日は旧暦のお正月、春節でした。
立春に近い新月の日を旧正月、春節と決めるそうです。
中国茶をたしなむ人には旧暦は意外と馴染みがあると思います。


今回のイベントはこの春節を楽しもう、ということで、お料理、お話、お花の3つのプログラムから構成されていました。


お料理は植松良枝先生によるもの。
新暦のお正月とは使う食材も違います。
文字通り迎春という感じの春の芽吹きを感じさせるお節でした。

■菜譜■
御節 
 小鯛笹漬けと菜の花とろろ昆布の辛子酢味噌
 金柑なます
 のし鶏
 田作り胡桃
 蕗の薹と胡麻豆腐の揚げ春巻き
 蓮とうどの梅きんぴら
七草粥
 初春の野の摘み草
 蓬の生麩
 餅

新暦でも1月7日に七草粥を食べますが、
この時期は野に出ても摘めるような草は生えていません。
結局スーパーなどでセットで売っている七草に頼るほかありません。
旧正月の七草粥の時期にはちゃんと野原に行けば七草とまでは行かなくても素材になる草は見つかるんですよ、
という植松先生のお話に納得してしまいました。


お話の部は冨貴工房代表の冨田貴史氏の「養生」と
和暦研究家の高月美樹氏の「結び」。

冨田先生の養生のお話は陰陽五行に基づいたもので、
冬から春に向けて気をつけること、取り入れるべきものを教えていただきました。

高月先生は旧暦=和暦での生活を勧める活動をされており、
2月始まりの旧暦手帳『和暦日々是好日』を出版されています。

テーマの「結び」は睦月の語源であるとされる、一月は親族一同集って宴をする月、むつみ合う→結びつき→結びから来ているそうです。
暦から読み取れる生活の知恵、昔の風習などのお話はとても興味深いものでした。


最後のお花の部では花道家の上野雄次氏と華道家の平間磨理夫氏が
目の前で花生けライブを披露してくださいました。

その場で花器と花材を選び、短時間でアレンジするというダイナミックなパフォーマンスにはただただ魅了されました。


Jikonka TOKYOでは、今後も節目節目にこのようなイベントを展開していくそうです。
「和」を見つめ直すいい機会になりますね。

お誘いくださったうらりんさん、まりこさん、ありがとうございました!
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竈神と仲良くしよう!

2015-02-16 | 麗香茶課
今年初めての麗香茶課のイベント企画として
青柳敬子先生の中国茶と薬膳セミナー「春節快楽宴会」を横浜中華街の青葉新館で開催しました。

総勢20名が円卓を囲み、今回のために特別にオーダーしたお料理を楽しみながら青柳先生のお話を伺いました。
薬膳の基本理念、冬の養生について、中国の春節の過ごし方など、
豊富な中国滞在のご経験からのお話も交えながらの楽しい講座となりました。

なかでも旧暦12月23日の竈神祭のお話に、皆さん興味津々。
翌年の運気を上げるために台所に住んでいる竈の神様には賄賂を贈ってゴマをする風習があるそうな!?

青柳先生オリジナルの薬膳茶二種類、名付けて‘めぐるめぐる茶’‘暖暖茶’も共に大人気でした。

薬膳講座は季節の節目ごとに開催予定です。
次の会場となるレストランも吟味中。
茶課の人気講座になる予感がします!


■菜譜■
薬膳前菜
百合蝦仁
巻巻豆腐皮
陳皮炒牛肉
枸杞豆苗
薬膳吉祥鶏湯
年年有餘清蒸魚
松子炒飯
年糕


※「麗香茶課」は会員制の茶文化講座です。
  今年度の募集は終了いたしました。
  次年度の募集開始は9月を予定しています。
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茶壺との対話 10

2015-02-11 | 茶話
茶葉を保管している押し入れを整理していて、
もう何年前のものかも忘れてしまった安溪鉄観音粒粒香を発掘。
幸い錫の茶入れに入っていたのでいい具合に陳年化しています。

山本広巳さんの萬古焼急須と
笠間の志賀出さんの油滴天目でちびちびと。

一人飲みにはこの大きさがいい感じ。
最近お気に入りの急須と杯の組合わせです。

そういえば、「100分de名著『茶の本』」でも出てきたけれど、
茶の湯は日本人の美意識に多大なる影響を与えてきました。

茶室にも見られる数寄屋作りは左右非対称。
日本人にはアシンメトリーの美、奇数の美、不完全の美を味わう感性があります。

この横手急須もアシンメトリーの美を備えている、と言えるかもしれません。

日本の美意識について少し立ち止まって考えてみようかな、と思うこの頃です。



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喫茶の歴史 茶薬同源をさぐる

2015-02-07 | 茶にまつわる文化・芸術
―TEA began as a medecine and grew into a beverage.
(茶は薬として始まり、のちに飲料となった。)

岡倉天心は『茶の本』の冒頭にこう書いています。

茶は薬である―

茶の効能については現在もよく知られるところですが、
私たちにとっての“薬”という概念からはだいぶ離れていますよね。

そんな疑問の答えを見つけるべく
日中両国のそれぞれの歴史を順を追って紐解き考察しているのが
先月大修館書店から上梓された
喫茶の歴史: 茶薬同源をさぐる (あじあブックス)』(岩間眞知子著)です。

岩間眞知子先生は2009年に『茶の医薬史」(思文閣出版)を出されていますが、
500ページに及ぶA5判サイズで、日中の歴代医薬書の茶に関する項目の事典としても活用できそうな大作です。

今回の『喫茶の歴史』はその内容をコンパクトにし、かつ読み物としてもかなり面白く編集されています。

薬としての茶はどんな風に飲まれていたのか、
鎌倉時代、中国から日本に茶種を持ち帰ったとされる栄西は何故『喫茶養生記』を書いたのか、など
当時の文献をたどり、様々な角度からアプローチを試みています。

飲料として、そして文人茶や茶道など文化的側面から語られることの多い茶の歴史ですが、
こうして薬としての歴史をたどってみるのも一興です。
茶の魅力を再発見できるかもしれません。
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テーブルウェア・フェスティバル2015

2015-02-05 | 茶にまつわる文化・芸術
今年も行ってきました、東京ドームで開催中の「テーブルウェア・フェスティバル2015」。

相変わらず会場はマダムたちで熱気ムンムン。
今年は何故かベビーカーが目立っていたような気がします。

いつもは自分の中でテーマを決めてお買い物をするのですが、
(去年は錫、一昨年はガラス、その前の年は漆器でした)
今年は予定も立てずに行ったので何も買わずじまい。

特集企画もいまひとつ目新しい感じがなくて、
器メーカーのコーナーでは素材もコーディネートも新しい提案は特に見られず、
今年はテンションがあがらずに終わってしまいました。


テーブルウェアコンテストも今年のテーマが「Enjoy Home Party ~とっておきの器でおもてなし~」だったせいでしょうか、
非日常のパーティコーディネートは華やかで夢がありますが、
壁にも床にもあらゆる素材を持ち込んで飾り立てているテーブルが多く、これでもか状態にちょっと食傷気味。

そんな中で好感が持てたのは、
大賞受賞の「お☆バンザイ!!」。
板やブロックを使って和風にアレンジした空間は暖かみがありました(下写真左)。



毎年エントリーしている「Tea stylist 蓮芯」の鈴木香代さんの「藤の花見茶会」は
野点を想定した大作。
手作り感が満載なのがいいですね(上写真中)。

韓国から参加の「Green Peace Party」も
ヘチマや木製のスッカラを使ったコーディネートで
自然素材を利用した環境への優しさをアピールして印象に残りました。

「Tea stylist 蓮芯」は特別審査部門でも外山ますみさんが最優秀奨励賞を受賞されています(上写真右)。


テーブルウェア・フェスティバル2015は2月9日(月)まで、東京ドームにて。
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『茶の本』

2015-02-02 | 茶にまつわる文化・芸術
1月のEテレ番組「百分de名著」は岡倉天心の『茶の本』でした。
『茶の本』はだいぶ前に英語のオリジナル版を購入していたものの、途中で挫折していました。

「百分de名著」を観ながらこの機会に翻訳本を読もう、と番組のテキスト『岡倉天心『茶の本』 2015年1月 (100分 de 名著)』と一緒に『新訳・茶の本―ビギナーズ日本の思想 (角川ソフィア文庫)』を電子書籍版で購入しました。

『茶の本』、面白い!
番組の解説も、新訳・茶の本の執筆者も大久保喬樹先生ですが、
とても平易にかみ砕いて説明してくださっています。

『茶の本』と言っても茶道解説書ではありません。
「茶道」の精神・芸術性を紹介し、伝統的な日本文化の独自性を解き明かしています。
東洋哲学をベースとし、自然との調和を愛し、心の豊かさを求めた茶人の生き方は現代の私たちにも大きな指針を与えてくれます。

この本を20代前半、茶道を習っていた頃に読んでいたら、
もう少し熱心な生徒であったかもしれない、
留学で中断した後、帰国してもちゃんと続けていたのではと思います。
あの頃は茶道を単にお作法を学ぶためのものとしか考えていなかった自分が悔やまれます。

とは言っても、この本がすーっと入ってくるのは
現在の自分が老荘思想、道教、そして禅についてもある程度学んでいるからかもしれませんが。





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