恒例のかめきちさんのお茶@
バンブー茶館を楽しむ茶会が
ANOMAで開かれました。
4時間超の長丁場をがっつり取り組むにはまず体調を整えなくてはいけません。
お茶も最後のほうになるに従って茶王級が出てくるので、その前で力尽きてはいけません。
コツは同席の方々やかめきちさん、星川ご夫妻とワイワイおしゃべりしながら飲むことでしょうか。
とは言ってもお茶の美味しさに絶句し、浮遊してしまうことが度々あるのですが。
今回は安渓が雨が極端に少なかったために出来がいまひとつで、
値段と味に見合うものが祥華、感徳では見つからず、
今回買ってきたのは西坪産の一種類だったそうです。
そういう状況だったので新茶茶会の茶譜をどうやって穴埋めするかということに苦心されたとのこと、
結果的にとっても面白いラインナップとなりました。
烏[山東]肉桂香 (2006年春摘み)
団樹葉単[木叢] (2006年春摘み)
雪片八仙過海 (2006年冬)
普[シ耳]ヴィンテージ茶末ティーバッグ
西坪鉄観音 (2006年秋)
城門単[木叢] (2006年春摘み)
雪片大烏葉 (2006年冬)
烏[山東]老種烏龍 (2006年春摘み)
烏[山東]単[木叢]四十多年老茶
烏[山東]鋸朶仔 (2006年春摘み)
貢品単[木叢] (2006年春摘み)
70年代普[シ耳]老散茶
まず、単欉から。
落ち着いた感じの肉桂香から始まり、
くちなしのような甘い香りの団樹葉に続きます。
2006年春摘みと書いてあるのは、
春に摘んで初夏に製茶が終るもので、
6月の新茶茶会には間に合わなかった単欉です。
半年置いたことでより一層飲み頃になっています。
今回雪片は二種類。
今年の雪片はすごくいい感じです。
八仙が花の香りとすれば大烏葉は柑橘系の香りで、
どちらも味わい深いお茶でした。
特に大烏葉はすっきりとして透明感があり、今回のお気に入りのひとつとなりました。
城門は蜜蘭香系とのことでしたが、後味がハッカのようにスキッとしていました。
老種烏龍は石古坪に住むシェー族が作ってきたお茶の流れを組んでいるもの。
何となく桜餅の葉のような香りのする、和菓子と合いそうなお茶でした。
四十多年老茶はまさに40数年経た陳年単欉です。
一、二煎目は後味の甘さが単欉の名残をみせますが、
煎を重ねていくとまるでお香系のプーアル茶のよう。
以前飲んだ千両茶にも似た味を感じました。
鋸朶仔と貢品単欉は主席茶と呼ばれる最高級のお墨付きを争ったと言うお茶で、
それぞれ杏仁香型、黄枝香型です。
(主席茶は貢品が獲得。)
鋸朶仔の清涼感にまずびっくりしましたが、
その後飲んだ貢品の透明感と澄んだ香りに感動。
甲乙付けがたい美味しさでした。
今回唯一の安渓鉄観音秋茶はその重責にも負けず、
秋茶らしい深い味わいと華やかな香りを楽しませてくれました。
お茶請けの
一六タルトともマッチしていました!
さてさて、今回は安渓鉄観音が不作だった埋め合わせにとかめきちさんがスペシャルに出してくれたお茶が
ヴィンテージプーアルのくず茶ティーバッグ。
ヴィンテージを保管する倉庫の下に貯まったくず茶を集めてティーバッグにしたもの。
茶商の人たちはこれを持ち歩いて茶海に放り込んでお湯を注ぎ、飲んでいるのだとか。
ティーバッグが出てきた時には「え、これがスペシャル?」と思いましたが、
飲んでみてびっくり!
いろいろなヴィンテージの葉がブレンドされているのでそれこそ棗香だとか、樟香、蘭香、梅香、
これ!と言う香りを特定できません。
後味の甘さ、バランスの良さはちょっと形容できないくらい。
これは本当に素晴らしいお茶でした。
でも、どこにも売ってないんですよね・・・
最後の70年代老散茶はかめきちさん所有の大きな茶壷でたっぷりサーブしていただきました。
うーん、満足、満足。
お茶請けは飲茶風に始まって、抜群に美味しくって身体によさそうなそば雑炊で閉めくくり。
お茶との合わせ方も絶妙で、本当に勉強になります。
今回もかめきちさん、星川さんご夫妻には大変お世話になり、ありがとうございました。
また半年後を楽しみに。