神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

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スーツを脱いだ茶人@台北の旅2008

2008-06-06 | 茶旅
九壺堂は6時までなので、その後にもう一軒の店へ私を連れて行こうと
C小姐があらかじめそのお店に連絡をしていたことを私はその時知らなかった。
ところが閉店後まで残っていた私たちに紳士が請客(ご馳走すること)してくれると言う。
老師も一緒に行く、ということになり、C小姐も断れなかったらしい。
最初は牛肉麺という話だったので、すぐに解散になるだろう、と思っていたら
紳士がピカピカのトヨタで乗りつけた場所は日本料理店だった。

「おいおい、何で敢えて和食・・それも台湾人の経営する台湾式和食・・」
とC小姐と顔を見合わせたが、
そこには奇妙な関西弁を駆使する台湾人の店長がいて、
私に盛んに話しかけてくれたりして、それはそれでかなり盛り上がった。
焼き魚と巻き寿司がとても美味しかった。
お開きになったのは9時。
老師をまずMRTの駅まで送り、
そのあとC小姐が紳士に住所を伝え、目的の店に向かう。
私はこの時初めてまだ行くところがあるのだ、と知った。

着いた場所は長安東路一段、華山公園のそばのマンション。
こちらも2階のワンフロアを利用してサロン風にしつらえている。

[木龍]翠坊
ここはお茶と茶人料理の店。
コースのみの昼食と夕食。人数限定で予約を取る。

残念ながら私が台北に滞在している間は食事の予約は満席で、
お茶だけ飲ませていただくという話でC小姐はお願いしてくれていた。
6時過ぎにはやってくるだろうと待ち続け、
亭主の蔡奕哲氏もスタッフの小姐もさぞかしイライラしていたことだろう。
おまけに到着した9時はちょうど閉店の時間なのだから。

それでも蔡さんはニコニコと応対してくれて
(小姐はちょっとムッとしていたが)
一時間だけという約束で、早速お茶をいれてくれた。
時間もないので、この日はお任せで岩茶を二種。
昨年の奇蘭と今年できたばかりの千里香。
ここでも大陸茶なのね。
え、これが岩茶?とびっくりするような清らかさだった。
日本で飲む岩茶とは全く違う味わい。

蔡さんは武夷山に行ってきたばかりとのことで、写真を見せてくれた。
茶畑を確認し、正真正銘の正岩茶だけを仕入れてくる。
彼もとことん有機と伝統製法にこだわって茶葉を選んでいるのだ。

お茶を丁寧にいとおしそうにいれる様子がとても印象的。
このお店を始めて何年になるのか尋ねると、4年だと言う。
その前は日系の電機メーカーに勤めていたそうだ。
(日本語はダメらしい。英語はOK。)
ずっとお茶が好きだったが、学生の時に電機関係を専攻したので、
一定の期間は社会に還元しなくてはいけない、とお勤めをしたのだとか。
その誠実な答えにちょっと感動してしまった。
スーツを脱ぎ、ゆったりとした服をまとった蔡さんはまさに茶人だった。

私はもう少しゆっくり時間を取って台湾のお茶もいただきたい、と告げると
明日の夜、もう一度来てくれと約束をとりつける。
夕食の予約が入っているので、その客が引ける8時半ごろということになった。

台北の旅二日目、長い一日が終ろうとしていた。
コメント (2)
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お茶好きマダム御用達(後編)@台北の旅2008

2008-06-06 | 茶旅
その日に九壺堂を訪れていたマダムたちは清香茶よりも焙火茶がお好みのようだった。
次にいただいたのは、発酵が高めで後味がすっきりとなるように焙煎をかけた紅水烏龍。
この紅水は雲南省大理で栽培された茶葉を使っている。
現在の台湾の茶園に比べ、環境も土壌もいいのだそうだ。
ここ数年、台湾の茶師が雲南省に出向き、そこの茶葉で製茶するということが増えている。
もちろん大陸の農作物の危険性も喧伝されているが、
まだまだポテンシャルのある大陸の地に魅力を感じるのと同時に、
プーアルを初め西湖龍井、岩茶などの大陸茶ブームの影響もあるかもしれない。

老師はプーアル茶にも造詣が深く、九壺堂オリジナルの餅茶も作っている。
今回はそれを飲むチャンスはなかったが、C小姐によればすごく美味しいそうだ。
同席の紳士のリクエストで老師私蔵の20年モノの餅茶や
何年モノか聞きそびれた大沱茶をいただいた。
大沱茶がやたらに美味しかった。
台湾のプーアル茶ブームもまだまだ続きそうだが、
陳年茶から新茶、それも既に飲みやすく作られた生茶へ人気の中心はシフトしているようだ。

ここに集まる人たちは常にお茶の安全性について関心を持っているせいか、
有機茶に関する話題も多かった。
その時によく出てきた名前が高定石茶師。
石碇の自然生態茶園で東方美人を中心に作る台湾茶業界の時の人らしい。
人工肥料や農薬を使わず、生態系を崩さずに栽培している茶園は
10年かけて作り上げたもの。
生産量も少なく、手間をかけているので、
高茶師のお茶はとんでもなく高価で手に入りにくい。
(高い、ということでも時の人らしい。)

その高茶師の去年の東方美人が実は研究用に取ってあるんだ、と
老師がニコニコしながら出してきてくれた。
えっ、そんな貴重なお茶、いただいていいんでしょうか?と思いながら
喜々として飲み干す。

うちではリクガメを飼っているのだが、
草食で、コマツナが大好物。
週に一度無農薬有機栽培野菜の宅配を頼んでいて、そのコマツナはよく食べるが、
近所のスーパーの安売りのコマツナはいまひとつ食いが悪い。
唐突だが、そんなことを思い出した。
すべらかだが力強い、大地の香りを感じるような、そんなお茶だった。

高茶師は紅茶も作っていて、こちらもなかなか評判らしい。
C小姐が今年の出来たてを入手したので皆で飲もう、
と言うということで、二日後にまた九壺堂にお邪魔し、
その紅茶を皮切りにまたいろいろなお茶をいただいた。
(高茶師の紅茶はC小姐から少量サンプルとしていただいたので、
7月のサロンのセレクションコースで飲もうと思っている。)

結局最初の日は3時間以上お邪魔し、
閉店時間の6時を回っても居座っていた。
二日後の再訪のときも2時間は飲み続けていたから
ずい分老師とお店のスタッフの鐘小姐にはお世話になってしまった。

最後にお別れする時に
老師に「お茶は飲みすぎてはいけないよ。
何種類も飲まず、ひとつの種類をゆっくりと味わいながら飲んだほうがいい」
とたしなめられてしまった。
ハイ、台北では朝から晩までお茶漬けになってました・・・
九壺堂では出てくるお茶は全て飲み干していた私でした
だって美味しかったんだもん。

老師ご自身も、今のオープン形式だと人がたくさん集まってにぎやか過ぎるので
(確かにお菓子持参で長時間井戸端会議しているような雰囲気はある)
もう少し静かにお茶を試飲できるような体制に変えたいとお考えらしい。

これを読んで老師のお茶を買いに行きたいと思われた方は、
事前に電話予約してくださいね。
できれば中国語のわかる方と一緒に行くことをオススメいたします。


九壺堂茶荘
台北市重慶南路三段27巷3號2F
電話 (02)2392-5893
11:00~18:00 (土曜午前と日曜休み)
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