神融心酔 

中国茶・台湾茶を中心とした素敵な出会いの数々を綴っていきます

一杯の鶏肉飯@台北の旅2008

2008-06-13 | 茶旅
ここ二日ほどは雨も降らず暑かったので
私は台北の天気が変わりやすいことをすっかり忘れていた。
午前中かんかん照りで晴れていても、夕方にものすごいスコールがあったりする。
台北では折りたたみ傘が手離せないことを思い出した。
(反対に、少しくらいの雨なら傘をささない人も多い。)
この日の雨は外を歩くのも憚られるほどものすごかった。

「張協興茶行」は木柵鉄観音好きなら知らない人はいない、有名茶荘である。
私は友人からここのお茶をおすそ分けしてもらったことがあり
今回の旅ではここは必ず訪れようと思っていた。

偶然というか、やっぱりというか、「張協興茶行」はC小姐の行きつけのお店のひとつだった。
雨でぐしょぬれになって店に入った私たちを張家の人々は暖かく迎えてくれた。
お店のカウンターではお孫さんがお絵描きをしている。
犬のトゥトゥがのそのそと寄ってくる。
アットホームな雰囲気がホッとさせてくれた。

カウンターの席についた私たちに張さんがまず今年出来たての木柵鉄観音をいれてくれる。
まだ火入れが落ち着いてないが、仕上がりのバランスがいい。
半年ほど置いた後の変身が期待できそう。

猫空へ行き雷雨にあった経緯などあれやこれやと話がはずむ。
張さんの鉄観音が今年コンテストで頭等奨を取ったと言うことだった。
奨を取ったロットはもう売り手がついてしまっていていただくことはできなかった。

この時既に7時半を回っていた。
突然の大雨にあたふたして時間的な感覚を失っていた私は
8時半に「[木龍]翠坊」へ行く予定になっていたことを思い出す。
張さんのお嬢さんに何番のバスに乗ると便利だと言う話を聞くが、
外は先ほどにも増して大雨。
「[木龍]翠坊」の蔡さんに少し遅れるかもしれないと電話を入れる。
この電話を入れた時点で腰がすっかり重くなっていたのも事実だった。

張さんが奥さんに「鶏肉飯はまだあるか?」と聞き、
奥さんがある、と返事をすると、「二人に出してやってくれ」。
しばらくして、目の前に一杯の鶏肉飯が置かれた。



考えてみれば、この日は「三希堂」の蒸し餃子以来何も食べていなかった。
お腹も空いていたし、体も疲れ、雨で冷えていたので本当にありがたかった。
この「鶏肉飯」は今回の旅の中で最高のご馳走であった。
張さんの農園の鶏を使った出来たての鶏肉飯である。
追加で出された具の鶏肉も完食した。

先の鉄観音とは別の日に摘んだロットも飲ませてもらったが、最初に飲んだほうが美味しいように感じた。
C小姐オススメの佛手も飲ませていただく。
フルーティでなかなかの味。
最初の鉄観音とこれを購入することに決めた。

C小姐は鉄観音のティーバッグを何箱か購入し、
とても美味しいからと、二箱私にプレゼントしてくれた。

張さん家族に丁寧にお礼を言って、お店を後にする。

時計は8時半をさしていた。
雨脚は相変わらず強い。
C小姐は「バスより多分速いから」とバイクで送ってくれると言う。
私もバスやMRTを乗り継ぐのは時間のロスだと思い、
C小姐のご好意に甘えることにした。
レインコートを着込み、またバイクの後ろにまたがった。


張協興茶行
台北市指南路二段93号
電話 (02)2939-4866

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