弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の右往左往日記

弁護士になって感じたことを綴っていきます(注意!!本ブログは弁護士湯原の個人的見解に過ぎません)

我々世代の弁護士は恵まれすぎだった?

2010年04月16日 | 経験談・感じたこと
司法試験合格の研修期間として「司法修習」というものがあるのですが、私が司法修習生だった当時は公務員扱いとされていたため、それなりの給料(公務員ですから厳密には俸給と呼ぶべきですが、分かりやすい表現として給料といいます)が支払われていました。

この給料支給のおかげで、私自身は生活費には困ることなく、充実した司法修習を送ることができたと感謝しています。

しかし、この様な「古き良き時代(?)」は終焉を迎えるようです。


というのも、この支払いについては、「司法修習後は、ほとんど民間事業者である弁護士になるのに、国が給料まで支払って研修を受けさせるのはけしからん!」という批判が昔からあったからです。

そして、この批判が採用されたのかどうかは分かりませんが、この給料支給がいよいよ今年の11月より無くなります(数年前に決まっていたことですが…)。

業界外の人からすれば「遅きに失する」「当たり前のことじゃないの?」と思われるかもしれませんが、昔の制度を知っている私なんかは、「時代の流れとはいえ、かわいそうだな」と思ったりもします。


ところで、この問題に関し、日弁連は会長が交代したことを機に、支給ストップに反対する運動を大展開ているようです。


<司法修習生>無給あんまり 日弁連が対策本部


日弁連も政権交代(?)が実現したため、今まで既定路線となっていたことに対して、色々と「ものを言う」方針に変わってきました。
(最近話題なのは、やはり司法試験の合格者の問題でしょうね)


ただ、業界外の人と話をしていると、どうしても「エゴ」とか「特権意識が抜けていない」と捉えられてしまいがちであり、単に司法修習生の生活が苦しいから等という理由だけでは、なかなか世間の理解は得られないような気がします。

市民に向けた司法を標榜するのであれば、市民向けの説明にもっと力を入れる必要があると思うのですが、私自身には今一つ見えてきません。

最近、業界関係のニュースを見る度に、日弁連という組織がかえって市民から隔絶された団体に受け止められているのではと気になります。



※よろしければこちらもご覧下さい。
インターネット・電子(IT)取引、労務・労使・労働問題、フランチャイズ、債権回収を中心業務にしている弁護士湯原伸一(大阪弁護士会)の法律情報ページ


にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へにほんブログ村

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする