北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

仕事を天職と思う人は魅力的だ ~ タクシーの車中にて

2021-12-25 23:00:02 | Weblog

 

 昨日献血センターへの移動のタクシーの中での会話。

 患者指定献血の場合、血液センターまでの交通費が支弁されるので、昨日はタクシーで移動したのです。

 まずは当たり障りのない世間話をしていて、(この運転手さんは話好きだな)と感じた私。

「タクシーの運転手さんって楽しいですか?」と質問をしました。

 するとその運転手さんは「いや、楽しいですねえ。私は天職だと思いました」と言います。

 そんな答えが返ってくるとは思わず、「おお、でもできれば楽隠居で働かずに趣味や好きなことをしている生活の方がよくありませんか?」と訊き返しました。

 そうしたら「いやいや、定年ですることがなくなって趣味なんてしたって、3か月もすれば全然楽しくなくなっちゃいました」

「でも私なんか釣りが好きなんですが、毎日釣りに行けたら楽しいかな、なんて思いますけど」
「いやいや、私も釣りは大好きだったんですがさすがに毎日では飽きました。そうしたらまさにその釣り友達から、『ぶらぶらしているんだったらうちのタクシー会社に来ないか』と誘われてこの世界に入ったんです。そうしたらまあこの世界がおもしろくてたまらなかったんです」

「それは何か好きになった理由があったんですか?」
「最初タクシーの運転手と聞いたときには、『私は道を知らん』と言ったんです。そうしたらその友人から『そんなものは客に聞けば良い』と言われ、ああそうだな、と。
 さらに、私は現役の時は服飾の世界にいて、マネージャー的な立場で若い人たちの接客指導なんかをずっとやっていたんです。なので接客については多少の自負もありました。それでいざ運転手になってみると、これが私が接客指導していたまさにそのものだったわけです。
 もちろん嫌なお客さんもいますし、トラブルだってある。でもそのときはこうしなさい、と言ってきた私なんですから、それに対処できないはずがないじゃないか、と。
 なので、自分が得意な世界にいるという余裕と安心感をもちながらいろいろな方とお話ができるので、楽しくて仕方がないんです。天職です、あはは」

「好きな釣りはどうしたんですか」
「この世界も、休みはちゃんと取れと言われますし、曜日や時間帯は好きに選べますから、休みの自由度は高いです。それに趣味だって、いつでもだらだらできることよりは、時間に制約がある中でいかに上手にやるか、ということを考えるから楽しんじゃありませんか」

「じゃあもう働けるうちはずっと働くおつもりで?」
「ええ、でもあと3年で私も75歳になるものですから、そこで車からは離れようと思っています。別に会社の定年という事ではなく、自分自身の一つの決断ですがね」

 ちょうどそこまで話したところで車はセンターに到着しました。

 自分の仕事を本当に楽しそうにする人は魅力的に見えますね。

 仕事をするときは機嫌よくしよう、私も祖父からそう教わりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする