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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

人を叱る三つのコツ ~ 「致知」12月号『特集:人を育てる』

2016-11-24 23:43:04 | Weblog

 

 人間学を学ぶ月刊誌「致知」。今月号のテーマは「人を育てる」です。

 教育とは教師や学校の仕事か、と思いがちですが、長い人生の中で人を育てる立場にもなれば、育てられるときもある。

 知らず知らずのうちに成長しているときがあれば、日々強烈な指導を受けて無理矢理に自分を伸ばすときもある。

 やるもやらないも、今がその時なのだ、という事は振り返って初めてわかるもの。人は「今、ここで」生きていることが全てなのです。


          ◆ 


 致知の「人を育てる」の特集記事で、円覚寺の横田南嶺管長と、今回のリオ五輪でシンクロナイズドスイミングを銅メダルに導いた日本代表ヘッドコーチ井村雅代さんのお話が載っていました。

 円覚寺の横田館長のお話は「姿勢」の話。ある将棋名人の話を紹介されて、「名人クラスになると、実力はほとんど差がない。勝敗を分けるのは姿勢だ」とのこと。

 姿勢とは単に身体の姿、形のことだけではない。身体の姿勢は心の姿勢の反映である。そして心の姿勢の反映とは心がけ、心構えの問題である。
 
「心がけ、心構えが崩れていては、人生における問答が解けなくて翻弄されることになるのではないか」と記事にはありました。


 そしてもうお一人の井村ヘッドコーチのお話として、オリンピックから帰って来た時のNHKの取材に答えたインタビューが印象的だったという。

「私と一緒に練習して、それで、ああ厳しい練習が終わってよかった、というような意識のレベルでは絶対にメダルは取れない。大事なのはその練習の後、では自分は何をするかを考え、さらに自分で練習をするような人でなくてはメダルは取れない」

 人を育てるというためには、相手の内面が変わってくれなくては育っていかないということを端的に言い表した言葉です。

  
 記事は、イギリスの十八世紀の歴史家ギボンの言葉で締めくくられています。

「あらゆる人は二つの教育を持っている。その一つは他人から受ける教育であり、他の一つは、これよりももっと大切なもので、自分が自らに与える教育である」
 自らが自らに教育を与える … 一人の人間をしてそういう意識にまで高めることこそ、人を育てる真髄ではないだろうか。


          ◆  

 致知の今月号の本編の中でも、井村ヘッドコーチの指導論が紹介されていますが、あの素晴らしい演技を見せたシンクロチームの選手たちは、井村さんが中国から戻ってきて指導し始めた時は全くダメダメな集団だったというので驚きます。。 

 曰く、「あの子たちは、勝つためにはどんな覚悟で臨むべきかとか、どこまで自分を追い込まなければならないのかとか、そういうことをあまりにも知らなさ過ぎました」。

 そしてその理由をこう述べています。「それは何かっていうと、負けても『精一杯やったから、それでいいじゃないの』という言葉にごまかされてきたんです。いま日本に充満している言葉ですけどね」
 負けた原因に触れるような痛い思いをさせない大人に囲まれてきたことが彼女たちをそうさせた、と井村さんは言います。

 また褒めることの難しさも語っています。「できることなら褒めて勝たせてあげたい。しかし褒めたらその子は、これくらいでいいんだ、と思い込んでしまうんです」。
 
 そして三つの叱るコツを教えてくれました。「一つは現行犯で叱ること。二つ目が直す方法を教えること。三つめがそれでOKかNGかをはっきり伝えることです。そこまでやらないなら叱ってはダメ。それは無責任です」

 まだまだ続く井村節、心にしみる言葉が続きます。

 物足りない方は致知12月号をぜひお読みくださいね。

 

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