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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

悲劇のヒロイン、「マリー・アントワネット展」

2016-11-13 20:06:20 | Weblog

 木曜日から続いた東京滞在も今日で終わり、本日の夜の便で北海道へ戻ってきました。

 昨日の夜は都市計画学会の会合へ出席していましたが、日中はある展覧会へ行ってきました。

 それは六本木ヒルズの52階にある森美術館/森アーツセンターギャラリーでの「マリー・アントワネット展」。東京の娘が「無料の入場引換券をもらったけどどうする?」というので喜んでもらってきたものです。

 妻と麻生十番商店街をそぞろ歩きして食事などしながらいよいよヒルズへ。

 バブリーで、どこから入るかすらなかなかわからない建物ですが、なんとか入場券を引き換えてエレベーターまでたどり着き52階へ。美術館では他の催しもやっていましたが、マリー・アントワネット展は大盛況。

 ヴェルサイユ宮殿監修ということで、宮殿に残されている物なども展示品として飾られていました。

 展示は主に当時描かれたマリー・アントワネットや彼女を取り巻く人々の絵画や、シンボリックなシーンの版画、さらに宮殿の中で使われた調度品の数々などが中心で、14歳で結婚して37歳で断頭台の露と消えた彼女の数奇な運命を存分に感じさせるものとなっています。


   【ただ一か所だけ写真撮影が許された、復元された当時の部屋のようす】

        ◆ 

 マリー・アントワネットはオーストリア大公マリア=テレジアの15番目の子供として誕生し、そのために宮廷作法をあまりうるさく言われずに育ったのだそう。

 そのため14歳で民衆の歓喜の声の中、ブルボン王朝第五代のルイ16世のお妃として迎えられたときは、ずいぶんと奔放な暮らしをしたエピソードが数多く伝わっています。

 しかし次第に宮廷生活に慣れてくると、彼女なりに新しい雰囲気を日々の暮らしの中に持ち込みます。

 宮殿の中でお風呂に入るようになったのは彼女からだそうで、そのおかげでそれまでは体臭をごまかすために使われていた香水が自身を着飾るためのものに変わったのだそうですよ。

 あとショックだったのは、それまで宮廷では王妃の出産は何十人もの取り巻きに見守られながら行われたのだとか。「見守る」とは言葉の綾ですが、人生の一大事をそんな環境でやらされるとは、高貴な方も大変なお仕事です。
 
 さて、二男一女に恵まれて宮廷での地位を盤石にしたマリーでしたが、時代は次第に民衆の不満を王宮が受け止める不幸な時へと向かいます。

 王宮の中で欲と恨みにまみれた人間模様の中で、事実とは違うのに彼女の評判を貶めるような事件も起き、人々の憎しみと怨嗟の感情は王と妃であるマリーへと向かいます。

 ついには裁判とも呼べないような裁判でルイ十六世がギロチンにかけられ、やがてはマリーも同じ運命をたどります。

 しかし最後の瞬間に彼女が王妃として見せた毅然とした姿は、かつての軽薄な少女のイメージとは異なり、歴史の悲しいヒロインとしての姿を今に留めています。

 彼女が実は日本の漆器が好きだったなど、興味深いエピソードも満載のマリー・アントワネット展。歴史好きでなくても華やかで悲しい歴史物語に引き込まれることでしょう。

 最近はお隣の国韓国でも、朴大統領への非難やデモなど騒然とした雰囲気が伝わってきますが、世情が落ち着かないままにいけにえを求める民衆の怒りという歴史が繰り返されているようで不安です。

 怒りが収まって冷静になったときに何が残っているのでしょうか。


       ◆  


 さて、展覧会の後は、天気が良かったので屋上の屋外展望台へと行ってみました。

 東京が一望のもとに見下ろせて素晴らしい風景も楽しめてよい一日でした。

 

コメント
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