2016年11月19日(土) 6:00pm みなとみらいホール
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番ハ短調 11′12′11′
ピアノ、ルーカス・ゲニューシャス
(Encore)
レオニード・デシャトニコフ 「劇場の共鳴」より、チェイス・ロンド 2′
Int
ラフマニノフ 交響曲第2番ホ短調 23′9′14′14′
(encore)
ラフマニノフ ヴォカリーズ 5′
アレクサンドル・ラザレフ 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
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日フィルの首席指揮者を終えてからの初振り。ラフマニノフを2曲並べました。
前半のピアノコンチェルト。ゲニューシャスはひげを伸ばし、年齢がわからない感じになっている。1990年生まれだから26才。2010ショパコン2位。2015チャイコン2位。
思いの外、繊細な弾きを大切にする方のよう。鍵盤に近寄って弾くポーズが多い。
アクションは大きくなく朝飯前のような感じ。
伴奏オケは終始ダイナミックなもの。ピアノはその上を流れていく。二通りの線を同時に観ているような気持ち。お見事なものでした。
後半は2番シンフォニー。
第1楽章、序奏に5分かけ、提示部をリピートし、展開部を経て、再現部が出てくるのが、頭から数えて20分過ぎというわけで長い曲となるわけです。
オーケストラのしなる弦、咆哮するブラス。映画音楽のようなものから本格的シンフォニーなものまで、オーケストラ演奏の醍醐味を満喫。はじけるような演奏でした。
ラザレフの運動量はものすごい。一心不乱の腕の動き。最後のコーダ、しつこいリピートパッセージ、振り終えてフラフラしている。精魂込めたもの、反応するオケ。
ラザレフが振った時のこのオケの音量、音圧には驚くべきものがある。ガラッと様変わりですからね。それにプレイヤーたちの開放感。これも素晴らしい。とにかく音を思いっきり前に出さなければ答えは出ない。そういわれているのかどうか知りませんけれども、一心不乱な伸び伸びさとでも言えばいいのか、一体感がいいですね。
それにしても、最後のところの爆進、凄かった。猪突猛進!
伸縮自在で圧倒的な演奏のラフマニノフ、精根尽きたかと思いきや。アンコールに応える。ヴォカリーズのオケ版。まぁ、彼らにとっては整理体操みたいなもんだろう。うちら聴衆にとっても。
おわり
付
ラザレフが靴をバンとならしてステージに向かうのは、背をむけているコンマスはじめヴァイオリン族への合図になるし、聴衆の空気も変わる。弱音終止の曲が終わっても振り続けているのはフライング防止。彼は音楽のために自分で出来ることをする真のエンターテイナーだと思う。