河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2226- ショスタコーヴィッチ、PfCon1、ユジャ・ワン、GM1、MTT、サンフランシスコ響、2016.11.21

2016-11-21 23:28:55 | コンサート

2016年11月21日(月) 7:00pm サントリー

ブライト・シェン 紅桜夢 序曲 (jp)  8′

ショスタコーヴィッチ ピアノ協奏曲第1番ハ短調  6+7+2+7′
 ピアノ、ユジャ・ワン
 トランペット、マーク・イノウエ

(encore1)
ユーマンス ふたりでお茶を 2′
 ピアノ、ユジャ・ワン
 トランペット、マーク・イノウエ
 ベース、スコット・ピンゲル(たぶん)

(encore2)
チャイコフスキー 4羽の白鳥
 ピアノ、ユジャ・ワン 2′

Int

マーラー 交響曲第1番ニ長調  15′8′11+20′

マイケル・ティルソン・トーマス 指揮 サンフランシスコ交響楽団


MTT&サンフランシスコ響を聴くのはほぼジャストの4年ぶり。(2012.11.20)
あのときはMTTの体調が思わしくなかった模様でしたが、show must go on.
彼の踏ん張りは大したもんだった。
このときはユジャも出ていて、プロコフィエフの2番コンチェルトを弾いた。メインはラフマニノフの2番シンフォニーでした。

ということで、また同じ組み合わせで今度はショスタコーヴィッチのコンチェルトを聴ける。期待値倍増。
この作品は9月(2016.9.26)にロジェヴェンによる例の大魔術タコ10の前半プロでやったのを聴いたばかり。

なんといっても、ユジャと指揮者の呼吸がぴったり、それにオケもMTTの通りに動くので彼らとの呼吸もホント、ピッタリ。
第1,4楽章の作曲家お得意の回転するようなリズムに乗って、強靭なバネのような細い指で掌が常時かなり浮く感じで押していくタッチが面白いようにきまる。今日も背中が大きく割れたロングのドレス、スポーティーで強靭そうな背筋が指先まで通っていそう。フィナーレなど、マシンのような歯車回転。諧謔的な雰囲気を醸し出しつつ、そういったものを飛び越えてしまっているプレイ。まぁ、ものすごい力量。ホールの空気が曲がる。
それから、第2楽章のレントは妖しげなワルツ。音の隙間が音楽で埋まる。なんとも魅力的。印象的でしたね。
ユジャのプレイは今年9月にリサイタルを2回聴いている。多彩なプログラムでした。それに今日のショスタコーヴィチ。万能ですな。
トランペットのマーク・イノウエはこのオケのプリシンパル。節目をつけながらのプレイで独特な流れ。小石の多い小川を、清らかにしぶきをあげながら流れる感じ。終楽章のピアノとの掛け合い最高。回転回転。ソロで活躍、ジャズでも。等々、多才。

ユジャお辞儀がオケメン全員に感染していて、大爆笑。


メインのマーラー1番。
MTTはご本人右サイドにマス酒のマスのようなものにコップ水を置いての指揮。
明るい響きで重厚、メリハリコントロール効いて、静止イメージが勝つ。スタイルとしてはオールドなものを感じさせる。指揮者との呼吸がよく合っている。メンバーもMTTの意を汲んでの阿吽の呼吸演奏でした。比較的スローで動かさないコーダ。色々と脳裏をよぎる中、きっちりと抜けきったマーラーとなりました。
MTTはこのオーケストラを掌握しきっているのがよくわかるし、プレイヤーもそれを良しとしている。
16-15-12-10-6だったかしら、弦の歌い込みは明るくしなやかで耳心地がとってもよい。終楽章の弦による歌い込みが素晴らしい。うねりが出てましたね。溢れるストリングサウンド、オーケストラを聴く醍醐味。
比して管、ウィンド、ブラスともに機能的な満足感に浸りつつ、弦の大波のような歌い込みまではいかない。まぁ、これはなにかが足りないということよりもマーラーだからなのかもしれない。多彩な表現の引き出しは色々と滑り具合があるのだろう。ブルックナーではまた違う話かもしれない。
総立ちホルンをはじめとしてジャイアントブラスの響き、堪能しました。

前置きの曲は、日ごろ現音聴いている耳にとってあまりに古すぎる。めまいがする。
おわり