河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2220- 後宮からの逃走、川瀬賢太郎、読響、2016.11.11

2016-11-11 23:20:10 | オペラ

2016年11月11日(金) 6:30-10:10pm 日生劇場

NISSAY OPERA プレゼンツ
モーツァルト 作曲
田尾下哲 プロダクション

後宮からの逃走

キャスト(in order of appearance) of opera
1.ベルモンテ、鈴木准(T)
2.オスミン、志村文彦(BsBr)
3.ペトリッロ、大槻孝志(T)
4-1.太守セリム、宍戸開(せりふ)
4-2.コンスタンツェ、森谷真理(S)
5.ブロンデ、鈴木玲奈(S)

指揮 川瀬賢太郎
合唱 C.ヴィレッジシンガーズ
管弦楽 読売日本交響楽団


(duration)
序曲 3′
+ActⅠ 43′
Int
ActⅡ 70′
Int
ActⅢ 38′


このオペラを観るのは1984年4月4日以来だと思う。当時メトでさえ通算まだ29回目の上演。いくら人気があるなどと言っても、無いのは歴然としている。




昭和音楽大学オペラ研究所オペラ情報センター 検索サイト

今回の公演はなかなか画期的なものだと思う。

序曲最初の一音で幕が開く。紗幕でぼかしつつ、序曲の間、ひと芝居ある。どうも、セリムが形勢不利に見えて、どんな意味合いがあるのか判然としなかった。意味を考えなければ、雰囲気つくりの騒動、音楽のノリの良さもあって期待を抱かせるものでした。

ドイツ語歌唱、セリフは日本語。
皆さんの動きが非常に良くて自然で間延びしない。また舞台の動かしも理にかなったもので、なるほどというところが多かったですね。場の動きと歌唱がマッチしていて楽しい舞台でした。
歌はコンスタンツェの困難なアリアを歌い切る森谷さんはじめ、聴き応えありました。みなさん好演でしたね。セリフだけの宍戸さんも大迫力で、また細やかな機微に至るまで繊細な演技に感服。

指揮の川瀬さんはきびきびしていてそれが音楽にストレートに反映している。機敏な動きをするオーケストラ演奏でした。
舞台は、どのような場面でもだいたい奥が高めになるようなセッティングをしていて、客からわかりやすいし、指揮者が大振りしなくても奥からでも棒が見えていたと思われます。ですので、ちょっと振りが全般的に大きく、ピットで一人、目立ちすぎて浮き過ぎ感あって、あすこまでしなくていいような気がしました。
あと、左手で歌い手に指示が多すぎてどうかと思います。あんなにされると歌いづらいところもでてきますね。それから、同じく左手の人差し指、立てるのはいいとして、舞台の歌い手に長めに突き刺すのが気になる。日本ならいいかもしれないが。とにかくあれはやめたほうがいいと思う。癖なら努力してなおしたほうがベターだと思います。
色々ありましたが、この長いオペラに躍動感をもたらし、また雄弁に伴奏し尽したあたり、この作品を生き返らせたと言ってもいいぐらいの価値がありました。
秀逸な演出、歌、演奏でした。


プログラム冊子はほかの国内組団体とは違い無料。内容が濃いのに残念なのは、歌い手の顔写真付き紹介欄に声種が書かれていないこと。これは是非とも改善願いたい。
無料のDVDもいただきました。色々とありがとうございました。
おわり