先月末、恐山のスタッフが入山して、写真を撮ってきてくれました。真冬の恐山の風景は、ほとんど一般には知られていないと思います。私も院代になる以前には目にしたことがありませんでした。
上の写真で伽藍の様子のおおよそがわかります。今年は寒いことは大変寒く、零下10度以下は当たり前、20度近くに下がることも少なくないようですが、雪は少なめです。例年は3、4メートル程度にはなりますが、今のところ1メートルほどだそうです。
宇曽利湖は完全に結氷し、その上に雪が積もるので地面と見分けがつきません。手前の柵が湖と地面の境をかろうじて示しています。おそらく、歩くどころか、バイクくらいなら走れるのではないでしょうか。
天気は荒れやすく、強風が吹くこともしばしばです。そういうときは雪煙が舞いあがり、いかにも冬の恐山らしい風景になります。
ただ、温泉が湧くくらいですから地熱があり、境内にはあちこちにまったく雪がなく、地面が露わになっているところもあります。 一面の雪景色かと思いきや、そうでもないので、なんだか不思議な光景です。
冬も入山できるようにしたら、それはそれで参拝の人が多いかも知れませんよと、勧めてくださる方もありますが、 そこまで行く手段が問題です。我々は雪上車を駆使するわけで、参拝者を迎え入れるなら、雪の恐山街道を除雪しなければなりません。これは費用対効果の点で、恐山も、道路を管轄する県当局にしても、まず無理でしょう。
お地蔵様の孤独な冬は、今後も続くことになるわけです。
下に駐車場を作って雪上車でお客を運ぶ
のはどうでしょう。