16日の更新以来、10日もたってしまいました。実は、恐山大祭の初日、20日午前にはまだ時間的余裕があったので、更新をするつもりでいたのですが、なんと! このブログのために買った、まだ2ヶ月しか使っていないデジタルカメラが錯乱状態に!! 電源を入れるとレンズが勝手に出たり入ったりして止まりません!!!
あわてて、出入りの建築業者さんにカメラを借りたのですが、新品のそのカメラにもすでに一枚写すごとにレンズが引っ込んでしまう症状が・・・・。 デジタル殺しの恐山、まさに恐るべし。
右の写真は、大祭のハイライトの一つ、22日の「山主上山式(さんしゅじょうざんしき)」の様子です。右手に見えているご詠歌のご婦人方の行列に先導され、僧侶の列が続き、後ろに山主の乗る駕籠が見えています。さらにその後ろには、侍姿に扮した本坊の檀家さんが裃で続きます。これは江戸時代の南部藩主の恐山を入りを模したものと言われ、一種の時代行列でしょう。
山主は総門で駕籠をおり、参道を歩いて正面地蔵殿に向かいます。この日はあいにくの雨でしたが、行列出発前になんとか小ぶりになり、中止せずにすみました。季節の風物詩として、毎年ローカルテレビに紹介されたりしている、それなりに有名な行事なので、院代としては胸をなでおろした次第です。
本当に今年の大祭は雨にたたられました。ひどい水害に見舞われた地方の方々の困難には比すべくもありませんが、参拝者の不便もお気の毒でした。それでも、やはり、 全国から大勢の方々がお参りに来られました。受付で供養の申し込みをした初老の女性が、「ああ、これで今年もよかった」と、いかにも一仕事終えたように言いました。おそらく、彼女にとっては、恐山参りという年中行事が、生活に秩序とリズムを与えるものとして、仕事と同じように大切なのかもしれません。これも信仰と言うなら、私には信仰の理想の姿のように思われました。