くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「泣き虫しょったんの奇跡」瀬川晶司

2009-07-13 05:33:14 | エッセイ・ルポルタージュ
「泣き虫しょったんの奇跡」瀬川晶司(講談社)
奨励会で二十六歳まで四段がとれず、アマとして活躍後、世論の動きに後押しされてプロ棋士になった方の自伝。
これ本当に本人が書いたのっ! と叫びたくなるほどうまい。一級の成長小説として読めます。
 これも泣きましたとも。幸い近くに誰もいなくて見られずにすんだけど。プロ棋士を志す瀬川さんの話題はニュースで知っていから、これからどうなるのかわかっているのに、ページをめくるのがもどかしいのです。瀬川さんと同世代のため、少年時代からのエピソードがいちいちなつかしいのも、心をくすぐります。幼なじみでライバルの健弥くん、恩師、プロやアマの棋士たち、みんないい人だよねぇー。
とくに後半、人物の登場の仕方がものすごくよくて、羽生さんのエピソードはすばらしいの一言です。