くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「命の教室」池田まき子

2009-07-25 05:40:42 | エッセイ・ルポルタージュ
犬が好きです。
子供に好きな動物を聞かれたら「犬」、二番めは? と言われても「犬」と答えます。
今は飼っていませんが。小さい頃、オスは気性が荒いからという理由で、メス犬ばかり飼っていました。名前はクロ、シロ、コロ、タロ(この犬だけオスです)。
田舎で犬を飼うというのは、子犬をどうするのかということにつながっていくのですが。なんとか貰い手を探す、処分する、捨てるという選択肢は、子供心に辛いものでした。
池田まき子「命の教室 動物管理センターからのメッセージ」(岩崎書店)は、捨てられた動物たちを「処分」するという現実を知ってもらうことで、命の尊さを考えてほしいという活動が描かれます。
処分には、ガス室が使われ、操作はボタンひとつ。センター職員の保坂さんは犬が好きで、このような仕事に抵抗を感じたそうですが、他の人に粗末に扱われる可能性を考えると辞めることができなかった。
少しでも処分される犬を救うことはできないかと、しつけ方室を開いたり、パートナー犬を譲ったりしてきたことが、だんだん子供たちに生命についてのメッセージを送る「命の教室」として結実しました。
また、所長の坂本さんは、獣医として牧場で働く夢を持ちながら、事故で断念した思いを、子供たちに伝えます。
秋田県内の様々な学校で行われた「命の教室」。坂本所長からのメッセージです。
「人間って、強いだけじゃないよね。弱いときもある。でも、ダメな自分を責めないでほしい。やさしく、自分のことをいたわってほしいんです」
「まずは自分をいたわること。大事に思うこと。自分のことが好きでないと、ほかの人のことも好きになれないし、やさしくできないよね。『今のままでいいんだよ、そのまんまの自分でいいんだよ、だいじょうぶ、だいじょうぶ、だいじょうぶだよ。』と声をかけてあげてください。たとえば、男子だったら、『俺って、かっこいい』って思ってみようか。女子だったら、『わたしって、なんて、すてき』って思ってみよう。自分で自分をほめてあげるんだよ」
そうですね、自己肯定、大事だと思います。自分もほかの人も、大切にしていきたいですね。