「慰安婦問題」で日韓が合意をすれば、保守派が反発することを安倍首相は織り込み済みであった。それでもあえて決断したのだという。真意のほどは定かでないにせよ、実際に保守色の強いネットでは大激論になった。ここにきて安倍首相に理解を示す意見が多くなってきたが、一度抱いた不信感を解消するのは容易なことではない。「憲法改正をやってくれるのでは」との期待があったことは確かである。平和安全関連法案は、あくまでもその一里塚であった。マスコミや野党の猛攻撃に安倍内閣が耐えることができたのは、保守派の揺るがぬ支持が大きかった▼自民党は表向きは保守党を名乗っていても、戦後の長きに渡って政権を担ってきたために、その場しのぎに終始してきた。憲法改正についても、党是としているわりには弱腰である。現在の日本の体たらくをつくった責任は免れないのである。いよいよ本当の意味での保守政党が誕生しなくてはならない。自民党は割れるべきだし、それによって日本は再生されるのである。権力を手にしなければ何事もできないとしても、保守の理念を明確にすることが今こそ求められるのである▼安倍首相が悪いのではない。自民党自体に限界があるのだ。一時的に混乱がるとしても、それは過度的なものだ。国民を魅了する指導者とイデオロギーがなくてはならないが、新しい保守の潮流がでてくれば、おのずと明らかになってくる。まずは行動なのである。当面は自民党以外にないとしても、すでに耐用年数は過ぎたのである。日本を取り戻すためには、新しい酒は新しい革袋にしか盛れなのだから。
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