草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

新型インフル特措法改正は国会の関与と期間を明記すべきだ!

2020年03月10日 | 憲法

新型インフルエンザ対策特別措置法改正案に対して立憲民主党の山尾しおりが問題点を指摘している。政治権力者が勝手に緊急事態を宣言できる。後で国会に報告すればよいのである。さらに、期間についても制限がないことに反対をしているのである。民主党政権自体に成立した新型インフル特措法をベースにしていても、ほぼそのまま法案化するのではなく、国会での事後承認の余地をつくることと、期間の明記を要求しているのだ▼山尾も緊急事態に対処する法律が必要であることは容認しており、そこに若干の制約を課すべきだというのだ。例外状況としての緊急事態のどのように対処するかは、政治家や政治学者が頭を悩ませてきたことである。カールシュミットは「委任独裁」と「主権独裁」を区別した。「委任独裁」というのは、あくまでも既存の憲法体制を擁護するために、一時的に法を停止することであって、「主権独裁」は既存の憲法体制を廃止し、真の憲法を目指すのである。ローマにおいても「委任独裁」であった。緊急事態を決定するのは元老院であり、独裁官はそこでの処置を任せられただけであった▼「委任独裁」にとどめておくことで、山尾は権力の暴走に歯止めをかけようとするのだ。山尾の問題提起を国会は一蹴すべきではないのである。

コメント (1)
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