■渇くことのない水 5 ／ 大嶋重徳

2014/8/5放送

　世の光の時間です。いかがお過ごしでしょうか？　大嶋重徳です。

　ヨハネの福音書4章には、男性との関係をやめることができなかった一人の女性が出てきます。そんな彼女にイエス様は、「あなたの夫を連れてきなさい」と言われた時、彼女は17節、「私には夫はありません」と隠しました。後ろめたい人生を抱えているとき、それが明らかになるのが怖くて自分を隠しながら生きることとなります。私たちは何から自分を隠すのでしょうか。

　第一に、人は神様から自分を隠します。聖書の最初に出て来る創世記という所で、最初の人アダムとエバは神様と交わした約束を破った時、彼らは神の前から隠れました。人間は今も絶対的な存在などはない、真理は一つじゃない、神などいない、と自分の前から神の存在を否定しながら神から隠れているのです。

　第二に、人は他人から自分を隠します。アダムとエバも罪を犯した時、自分のことを恥ずかしいと思い、自分を他人から隠すようになりました。このサマリヤに住んでいる女性も、誰かから何かを言われないように、誰も来ることのない暑い昼間に隠れるようにして水を汲みに来ていたのです。

　そして第三に、人は自分自身から自分を隠します。自分でも目を背けたくなるような自分。自分でもどうにもならない自分の姿を自分からも隠すのです。こんな自分は見たくない、忘れてしまおう、そうやって自分で自分を受け入れられない所を自分から隠そうとします。

　しかし隠して生きると言うことは辛いことです。いくらうまく隠せたとしても、いつかは明らかになるのではないか、という恐れを消し去ることができません。今、あなたが隠しているものは何でしょうか。イエス様が、「あなたの夫を連れてきなさい」とおっしゃったのは、自分を隠しながら生きることをやめて、健やかに生きることへの招きのことばです。私たちも今朝、神様から隠れることをやめて、神様の前に自分の罪を認める生き方を始めてみませんか？　そのとき私たちは後ろめたさから解放された日常を始めることができるのです。

　　(　PBA制作「世の光」2014.8.5放送でのお話しより )

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