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かつてない猛暑、史上最も暑い異常気象に認定

2010-09-05 22:23:53 | 気象・地震
<猛暑>統計以来113年、最も暑い夏に 6~8月平均気温(毎日新聞)

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 気象庁は1日、今夏(6~8月)の全国の平均気温が平年より1.64度高く、1898(明治31)年の統計開始以来最高だったと発表した。特に8月は平年を2.25度も上回った。暑さは9月も続く見通しで、1日も気象庁が観測する921地点中242地点で9月の観測史上最高気温を記録。157地点で35度以上の猛暑日、789地点で30度以上の真夏日となった。気象庁は「異常気象」として3日に専門家などによる分析検討会を開く。

 全国の平均気温は、都市化の影響が少ない国内17地点の平年との差を平均して算出。過去の夏の平均気温の1位は、94年の平年比プラス1.36度だった。地域別でも、北日本と東日本が過去最高で、西日本も4位。8月の平均気温は、沖縄・奄美を除く全地域で平年を2度以上上回り、過去最高だった。

 地点別では、全国154カ所の気象台・測候所などのうち、夏の平均気温は55カ所、8月の平均気温は77カ所で過去最高。夏の平均気温が最高だった主な地点は▽札幌市22.0度(平年比プラス2.4度)▽東京都心27.1度(同2.3度)▽名古屋市27.0度(同1.8度)--など。8月の平均気温が最高だった主な地点は▽東京都心29.6度(同2.5度)▽大阪市30.5度(同2.1度)▽福岡市30.3度(同2.7度)--だった。

 気象庁は高温の原因として▽偏西風の北への蛇行により、勢力の強い太平洋高気圧に覆われた▽オホーツク海高気圧などの影響がほとんどなかった--を挙げる。特に太平洋高気圧については、気象庁が大気に関する詳細なデータを解析し始めた79年以降で、最も勢力が強かったという。

 気象庁によると、今後も太平洋高気圧の勢力が強い状態は続く。少なくとも向こう1週間は各地で猛暑日が観測される可能性が高く、中旬までは真夏日となる日があるという。【飯田和樹】
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この夏の猛暑は明らかな異常だ。すでに400人を超える人たちが熱中症で死亡した。その死者の多くが若者・高齢者などの貧困層に集中している。

平均で2.25度ということは、時間帯・場所によっては平均より5度くらい高い地点もあるに違いない。

日本近海に来た台風は、通常、太平洋高気圧の勢力が強ければ強いほど北を通る。7~8月初旬なら朝鮮半島、8月中旬以降は日本付近を通ることが多く、9月になったら日本の南を通り、太平洋側に被害をもたらすことが多い。しかし、先の台風7号は、9月にもかかわらず日本のはるか北を通り、朝鮮半島から日本海に抜け、東北を横断した。

これは、日本付近における太平洋高気圧の張り出しや気圧配置が、依然として7月下旬から8月上旬頃と同じ状態にあることを示している。梅雨明け直後と同じ気圧配置であり、猛暑が続いているのもうなずける。

8月下旬頃から、「この猛暑はあと1週間は続く」という天気予報が毎週毎週繰り返されている。要するに気象庁や各気象台も、いつまでこの状況が続くのか予想できないのだろう。

当ブログ管理人が天気図を見た限りでは、太平洋高気圧が弱まる気配は今のところ全くない。例年なら今頃は、太平洋高気圧の縁に停滞前線(秋雨前線)が発生、南下し始める頃だが、今年は停滞前線が存在すらしていない。こうした状況から考えれば、この猛烈な暑さは9月いっぱいは続くと見なければならない。本格的に涼しくなるのは、10月中旬頃だろう。

北日本では、11月中旬頃には初雪の便りが聞かれるから、大方の人が予想しているとおり、秋は1~2週間程度で「ほとんどなかった」という実感のまま終わるのではないか。

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「30年に1回の異常気象」=今夏の猛暑、ラニーニャなど重なる―気象庁検討会(時事通信)

 気象庁は3日、日本の今夏の猛暑について異常気象分析検討会を開き、北半球中緯度の気温がエルニーニョ現象に続くラニーニャ現象で上昇したところに、勢力の強い太平洋高気圧の影響を受けたのが主因と発表した。同高気圧が強まったのは、亜熱帯ジェット気流が北へ蛇行し、チベット高気圧が日本へ張り出したほか、インド洋や南シナ海付近の対流活動が活発だったためという。

 記者会見した会長の木本昌秀東京大大気海洋研究所教授は、これらの要因が重なって中休みの涼しい日がほとんどなかったのは、「30年に1回の異常気象」と指摘した。

 その上で「地球温暖化が進んでおり、今後は最高気温がどんどん更新されるような夏をまた近々経験する可能性がある。熱中症でたくさんの人が亡くなったが、十分な対策を取っていただきたい」と述べた。

 今月の厳しい残暑は2週間ぐらい続く見通し。一方で、ラニーニャ現象の影響で強い台風が日本を襲う恐れもある。同現象は少なくとも冬まで続くと予想され、「寒い冬になる確率が高い。日本海側の降雪が早いかもしれない」(木本教授)という。
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報道を見て「え? たったの30年ぶりなの?」と思う方もいるかもしれない。だがこれは、気象庁が「過去30年間に見られなかったほどの異常な天候が出現した場合」を異常気象として定義づけているというだけのことである。実際には30年ぶりであろうが100年ぶりだろうが、異常気象である以上は同じことだ。最近は、猛暑に冷夏、暖冬に大雪、ゲリラ豪雨と異常続きだから、何をもって異常気象というのかわからなくなってしまいそうだが、気象庁における異常気象の定義は「30年に1度」である。

戦後のあまたある気象現象の中で、文句なく異常気象といえるのは1963(昭和38)年1月豪雪だろう。この大雪では、北陸全域の鉄道が丸1ヶ月不通になり、北陸4県に災害救助法が適用、雪に埋まって孤立した集落を救うために自衛隊が出動する事態になった。国鉄関係者の間では、今でも「サンパチ豪雪」といわれ語り草になっている。

このサンパチ豪雪当時、上空の気圧は過去1万年に一度といわれるほどの歴史的な低圧で、あまりに気圧が低いため、海の水が川に逆流して市街地のマンホールから噴き出すなどの出来事があった。異常気象というのは、これくらいのスケールにならないと認定されないのである。

しかしながら、この夏の猛暑は「113年間で観測された最高気温」ということで、異常気象として認定するに十分な条件を備えている。

それにしても、最近、南米ペルー沖はエルニーニョ、ラニーニャ、エルニーニョ、ラニーニャと忙しく、常にどちらかの現象が発生しているといってもいい状況だ。地球上に存在する熱エネルギーの総量は変わらないから、日本の猛暑の影響はどこかが歴史的な大寒冷化をすることで成り立っているはずなのだが、今のところ、ロシアや南米の干ばつなど「暑い暑い」の話ばかりで、「寒い」話はどこからも聞こえてこない。日本やロシア、南米の暑熱化は、人間の住んでいない地域の寒冷化で埋め合わせされているのかもしれない。

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