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安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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最近の地震について

2015-05-25 23:14:33 | 気象・地震
ここ最近、また地震発生のペースが上がってきた。当ブログが解説記事を書こうとしても追いつかない状況なので、ここでまとめて触れることにする。

平成27年5月22日22時28分頃の奄美大島近海の地震について(気象庁報道発表)

まずは22日夜、奄美大島近海で起きた地震だが、震度5弱と、地表の揺れは大きかったものの、地震の規模はM5.1と日本周辺地域では大きい方ではない。この規模の地震なら毎月数回は起きているレベルである。直下型で浅い場所での地震であることが特徴だ。

ただ、この地震も注意すべき点がある。震源が、この地震もまたユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界付近であることだ。すでに繰り返し述べているが、この2つのプレートの境界は南海トラフも構成している。このところ、この2つのプレート境界で中規模以上の地震が相次いでいるのは、かなり憂慮すべき事態だろう。

発生が懸念されている南海トラフ大地震は、当ブログはまだもう少し先の話だろうと思っていた。だが、最近の状況を見ていると、当ブログのこれまでの推定よりはかなり早まることになると思う。当然ながら具体的な時期は明示できるはずもないが、東京オリンピック関係者はそれも含めた準備をすべきだろう。

平成27年5月25日14時28分頃の埼玉県北部の地震について(気象庁報道発表)

そして、今日の昼、首都圏を大揺れさせた地震。

こちらも、奄美大島と同様、地表の揺れは大きかったものの、地震の規模はM5.5であり、大規模ではない。直下型で浅い場所での地震であることが地表の揺れを大きくしたケースである。場所は北米プレート内部。もともと地震がそれほど多くない場所だけにこの規模の地震でも目立つという面があることは否定できない。

震源、発震機構などの情報から見て単独地震のように見えるが、首都圏は地震に対して脆弱であることもあり、余震に警戒を怠らないようにしてほしい。

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今朝の地震について

2015-05-13 21:28:43 | 気象・地震
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第76報)-平成27年5月13日06時13分頃の宮城県沖の地震-(気象庁報道発表)

報道発表を見る限りでは、M6.8、震源深さは46km、発震機構(地震のメカニズム)は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型(速報)。最近の地震で一番近いものを挙げよ、と言われれば、今年2月17日の地震(報道発表)だろう。今回の地震の方が震源が深いことを除けば、よく似ている。気象庁は、東日本大震災の余震と捉えており、当ブログとしても特段コメントすることはない。

ところで、この地震では、北海道に住んでいる私の家でも携帯の緊急地震速報が鳴った。緊急地震速報は、最大震度5弱以上が予想される場合に、震度4以上が予想される地域に出される。今回、北海道は渡島半島の一部を除いて対象外だったはずだが、職場で話をしたところ、私以外の人の中にも鳴った人が大勢いた。発表地域ではないはずの私の地域で、なぜ緊急地震速報が鳴ったのかはわからない。

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ネパール、ニューギニア…ユーラシアプレート活発化か?

2015-05-03 23:08:43 | 気象・地震
4月25日、ネパールで巨大地震(M7.9)が起き、甚大な被害を出したと思ったら、5月1日にはニューギニア付近でも地震(M7.1)が起きた。

これらの地震を、当ブログは最初、偶然連続して起きただけだと思っていたが、世界のプレート一覧を見ていてあることに気がついた。この2つの地震は、どちらもユーラシアプレートと、隣接する他のプレートとの境界で起きているのだ。具体的には、ネパールの地震はユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートの境界で、またニューギニアの地震はユーラシアプレート、インド・オーストラリアプレート、フィリピン海プレート、太平洋プレートの4つのプレートがせめぎ合う地点で起きている。


世界のプレート図…ブログ「Michael Jackson's Massage」さんの2011.3.23付け記事よりお借りしました

当ブログの「気象・地震」カテゴリの記事をこれまで、注意深くご覧になった皆さまには言うまでもないが、ニューギニアの地震に関して挙げた4つのプレートのうち、インド・オーストラリアプレートを除く3つはすべて日本周辺での地震活動にも関わっている。これが日本周辺での地震活動に影響を与えない方がおかしい、と思っていたら、どうやら日本近海でも地震が起きていたようだ。

平成27年5月3日01時51分頃の鳥島近海の地震について (気象庁報道発表)

この地震の規模はM5.9と、日本近海の地震としてはそれほど大きな部類には入らないが、伊豆・小笠原諸島に一時、津波注意報が発表され、実際に津波も観測していた。この地震も、震源をよく見るとユーラシア、フィリピン海、太平洋の3プレートがせめぎ合う地点で起きている。

ネパールからニューギニア、そして鳥島近海で、10日足らずのうちに中規模以上の地震が3回も起きたことになる。この3つのすべてに関わっているのがユーラシアプレートであることを考えると、ユーラシアプレートがここに来て活発化しつつあるのではないか、という気がする。

ネパールはヒマラヤ山脈の中にある山岳国家として知られるが、そのヒマラヤ山脈は、インドがユーラシア大陸に衝突して誕生したものであり、インドはそのときの衝撃で今なおユーラシア大陸にめり込み続けている。ヒマラヤ山脈も、わずかだか毎年高くなり続けている。こうしたネパールの運命は、同じ地震国の日本にとっても対岸の火事ではない。

ユーラシアプレートは、日本周辺では南海トラフに通じている。これ以上、ユーラシアプレートの活発な動きが続くようなら、南海トラフ大地震の発生時期・発生規模にも大きな影響を与えることになるかもしれない。

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4月20日午前、与那国島近海の地震について

2015-04-22 21:24:07 | 気象・地震
平成27年4月20日10時43分頃の与那国島近海の地震について (気象庁報道発表)

4月20日午前、与那国島近海で起きた地震では、短時間ながら宮古・八重山地方に津波注意報が発令されるなど一時、緊張感が高まった。地震の規模はM6.8と大きいもので、震源はごく浅く、発震機構(地震のメカニズム)は南北方向に圧力軸を持つ逆断層型(速報)とされた。

正直なところ、地震の規模、震源の浅さ、そして宮古・八重山地方が震源に近いという事情を考えると、よく最大震度が4で収まったな、という感想を持つ。震度5弱~5強が観測されてもおかしくないほどの規模だったと思っている。

気になるのは、この地震の震源がフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界に近いということだ。いうまでもなく、この2つのプレートの境界は南海トラフにつながっている。過去の地震履歴を見る限り、この海域でM6を超える地震が起きたのは、2006年10月12日のM6.1以来、8年半ぶりという久しぶりのものだ。震源があまりに遠いという事情もあり、実感が持てないかもしれないが、遠くない将来、南海トラフ大地震が起きた後、「今振り返ると、広い意味ではあの地震も前兆のひとつだった」と言われることになる地震かもしれないと当ブログは考えている。

南海トラフ大地震に関しては、東南海・東海と異なり、長い目(10~50年スパン)で見ると、刻一刻と発生に向かって進んでいるとみて間違いないと思う。東日本大震災直前の数年間に、プレート内部での逆断層型地震(岩手・宮城内陸地震など)と三陸沖のプレート境界上での中規模の地震が連動するように増えた後、東日本大震災へとつながっていった。

南海トラフ大地震が、東日本大震災と同じような経過をたどるかどうかはわからないし、断定はできないが、過去から現在まで巨大地震を見つめ続けてきた当ブログの“皮膚感覚”では、南海トラフ地震は今、長期的前兆活動の中期を終え、後期に入ったのではないか。かつては、当ブログも南海トラフ地震について「西日本の太平洋沿岸地域で、防災など公共事業予算を確保するための方便」と思っていた時期もあったが、次第に予断を許さない段階にきたように思う。

個人レベルで備えをするのはまだ早いように思わなくもないが、備えておいて悪いことはないのだし、官公庁や企業の「備え」は「Xデー」後の多くの人の生活に影響を与える。南海トラフ沿岸地域の官公庁や企業では、避難誘導・救助計画の作成、備蓄品の計画的調達といった準備をそろそろ本気で始めた方がいいのではないかと当ブログは訴える。

荒唐無稽だと思われるかもしれないが、1978年の宮城県沖地震から30年以上経過していることなどを根拠に、当ブログが東日本大震災の3年近く前から、三陸沖での地震に警告を発していたことを思い出してほしいと思う(「気象・地震」カテゴリの過去の記事を参照)。現実から目を背け、自分たちの想定外のことが起こると無様な言い訳、屁理屈、ごまかし、はぐらかし、隠蔽の限りを尽くしてきた不誠実な「科学者」の言葉よりも有益な予測が詰まっているものと自負している。

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【緊急警告】茨城県沖でイルカ160頭座礁 念のため地震に注意を

2015-04-10 22:18:48 | 気象・地震
今回の記事の内容を信じるかどうかは読者の皆さんにお任せします。「念のため」の警告です。

海岸にイルカ150頭=地元住民ら救出活動―茨城(時事通信)

茨城県鉾田市の海岸で、約160頭ものイルカ(カズハゴンドウ)が座礁するという出来事が10日未明に起きた。イルカの座礁が起きたら100%巨大地震が発生するというわけではないが、2011年3月11日に起きた東日本大震災の直前の2011年3月4日にも、今回と全く同じカズハゴンドウが52頭も打ち上げられる出来事が起きている(当時のニュース報道)。日本の海岸で、これだけの規模のイルカが座礁したのは、少なくとも東日本大震災以降は初めてのことである。

地震の前兆現象のひとつと言われる「宏観異常現象」の中でも、全く当てにならない地震雲などと異なり、動物の異常行動はある程度信頼できるもののひとつだと思っている。イルカやクジラは地磁気や電磁波に敏感であり、天変地異の直前にはしばしばこのような行動がみられる。

地震情報サイトなどを見る限り、今のところ、巨大地震につながるような明確な兆候は認められないが、念のため、当ブログ管理人は車に満タン給油、ガソリン携行缶にも10リットル給油、灯油の買い出しを行った。東日本大震災の際、とにかく困ったのが燃料調達(ガソリンはどこのスタンドでも1台10リットルまでしか給油できなかった)だったからだ。

老朽化で性能が著しく低下した携帯ラジオも先日、四半世紀ぶりに新しい物に買い直したところだ。はっきりわかるほど良くなった感度にこの四半世紀の技術進歩を感じる。仮にイルカの大量座礁が地震の警告としては空振りに終わったとしても、ここ最近の株価上昇、浮かれムードの中で足下の防災対策を見つめ直すまたとない契機だと思う。

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気象庁、震源地の測定誤り~津波注意報を一部出せず

2015-02-19 22:09:29 | 気象・地震
気象庁、震源を100キロ修正 到達予想や注意報に影響(河北新報)

気象庁、誤認判明は注意報解除後 津波観測の震源地修正(河北新報)

17日朝、岩手県太平洋沿岸に津波注意報が出される原因となった最大震度4の地震で、気象庁が震源地の測定を100kmも間違え、実際より沖合を震源としていたことがわかった。実際の震源通りなら、岩手に加え、青森や北海道沿岸にも津波注意報が必要な状況だったという。

平成27年2月17日08時06分の三陸沖の地震の震源要素について(気象庁報道発表)

当ブログは、気象庁が当初行った報道発表で、震源を三陸沖(宮古の東、約210km付近)と発表したとき、若干の違和感を持った。この位置が震源だとすると、日本海溝より東であるにもかかわらず発震機構(地震のメカニズム)が逆断層型だったことになるからだ。

通常、日本海溝より東側では、全面的にとは言わないが正断層型となることが多く、実際、震源が「牡鹿半島の東、約240km付近」(今回の地震について、当初発表された震源よりさらに沖合)だった2012年12月7日の地震(気象庁報道発表)は正断層型となっている。ただ、地殻の動きは複雑で、他のプレートを押す側のプレート内部では正断層型が多いと言ってもすべての地震がそうだとは言い切れないから、当ブログは若干の違和感を覚えながらも、気象庁の発表内容を前提に解説を行った。実際、「宮古の東、約210km付近」は日本海溝の斜め上(やや東)であり、2つのプレートが触れ合う海溝のほぼ真上ではいろいろな状況が考えられることも事実なのだ。

気象庁は、現在、地震発生時のP波とS波の差を利用して震源を割り出しているが、震源地の測定を誤るのは、たいていは今回のように、他の地震が同時に起きたときである。こうしたことが往々にしてある中で、どのように観測精度を上げていくかが今後の大きな課題として浮上したと言えよう。

それにしても、上で紹介した気象庁の訂正発表を見ると、いかにも素っ気ない感じだ。訂正後の震源を経緯度だけで示されても一般の人にはピンと来ないだろう。せめて、閲覧した人が内容を理解しやすくなるよう、当初発表した震源、訂正後の震源を地図上に落とした資料くらいは添付すべきではないだろうか。自分の誤りを認めたくない心理はわかるが、自分たちがミスをしたときに限って「できるだけわかりにくい資料で煙に巻きたい」という思惑が透けて見え、感心しない。こうした姑息なやり方が、国民の広範な行政不信につながっているのだと思う。

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本日発生した2回の地震について

2015-02-17 20:28:49 | 気象・地震
今朝8時6分頃に三陸沖で、また13時46分頃には青森県沖で、それぞれ地震が発生。今日は騒々しい1日だった。気象庁は2つの地震の関連は薄いが、どちらも東日本大震災の余震のひとつとしている。

●今朝8時6分頃の三陸沖の地震(気象庁報道発表

発生日時:2月17日08時06分頃
マグニチュード:6.9(速報値)
場所および深さ:三陸沖(宮古の東、約210km付近)、深さ約10km(速報値)
発震機構等:東西方向に圧力軸を持つ逆断層型 (速報)
最大震度:4

この地震では、岩手県沿岸に津波注意報が発令された。日本周辺海域での津波注意報は、昨年4月2日に南米チリ沖で発生した地震以来、ほぼ10ヶ月半ぶりだ。震源は、2011年3月11日の東日本大震災が牡鹿半島の東南東約130km付近だったから、今回の地震のほうが遠かった。にもかかわらず、津波は最も早かった釜石港では8時35分に第1波の押し波を観測している。東日本大震災時と比べて地震発生~津波第1波到達までの所要時間はほとんど変わらなかったから、津波の速度は今回、かなり早かったことになる。M6.9にもかかわらず、最大震度が4で済んだのは震源が遠かったことが大きい。

発震機構(地震のメカニズム)は東日本大震災と同じ逆断層型。震源は日本海溝(プレート境界)のほぼ真上(わずかに東)であり、地殻が最も複雑な動きをしている場所にある。この場所では、正断層型、逆断層型、横ずれ断層型いずれのタイプの地震も珍しくない。

この地震を、東日本大震災の余震とした気象庁の見解に当ブログは同意する。震源地、震源深さ、発震機構いずれも東日本大震災にきわめてよく似ており、違うのは地震の規模だけである。

津波について言えば、観測最大値は久慈港の20cmだった。通常、津波注意報発表基準は20cm以上だから、ぎりぎりで発表基準を満たしていたが、大部分の人は肩すかしという意識を持っただろう。人によっては「空振り」と怒り出す人もいるかもしれない。

しかし、当ブログは今回の津波注意報発表は適正だったと考える。久慈港では実際、20cmの津波を観測しているし、M6.9という地震の規模を考えれば、30~40cm程度の津波の可能性は十分あった。20cmにとどまったことは運が良かったと言える。東日本大震災の被災地で復興が遅れ、防潮堤が復旧していない場所もあることを考えれば、予測が過小で被害を拡大させるより、厳しい予測を出しておくに超したことはない。

●13時46分頃の青森県沖の地震(気象庁報道発表

発生日時:2月17日13時46分頃
マグニチュード:5.7(速報値)
場所および深さ:岩手県沖、深さ約50km(速報値)
発震機構等:北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型 (速報)
最大震度:5強

震源が本州に近いこともあり、津波はなかった。今朝の地震が最大震度4だったのに対し、こちらは最大震度5強だったから、こちらの地震のほうが強かったように感じられるが、地震の規模はM5.7。今朝の地震よりマグニチュードが1.2小さいから、地震のエネルギーは今朝の地震の32分の1より小さかったことになる(地震のエネルギーは、Mが1上がるたびに約32倍となる)。それにもかかわらず揺れが大きかったのは、今朝の地震とは逆に震源に近かったことによる。

発震機構は圧力軸の方角こそ違うものの、同じ逆断層型。日本海溝より西側で起きるものとしては一般的である。東日本大震災と比べて、震源地は大幅に日本列島に近く、震源深さは若干深め、発震機構は同じ。この地震を東日本大震災の余震とした気象庁の見解に関しては、全面同意ではないが否定する根拠もなく、関連地震の範囲にぎりぎり含まれ得る範囲かな、という気はする。

東日本大震災の震源域では、ここしばらく大きな地震はなく、以前は毎日確認していた地震情報も、当ブログは最近、3日に1回程度に確認回数を減らしていたところだった。だが、1000年に一度の巨大地震の余効変動がたかだか数年程度で終わるはずもなく、数週間程度は細心の注意をもって動向を見守ることにする。

「東日本大震災の震源域のエネルギー状態が、震災前と同じレベルに戻った可能性がある」との報道もある(関連記事)。折しも3.11まであと3週間だ。もう一度、あの震災の教訓をかみしめよ、という天からの戒めかもしれない。

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徳島県南部の地震について

2015-02-06 21:10:27 | 気象・地震
平成27年2月6日10時25分頃の徳島県南部の地震について(気象庁報道発表)

今日午前10時25分に起きた徳島県南部の地震について簡単に述べる。

この地震の情報を聞いて、当ブログ管理人がとっさに思い浮かべたのが、昨年3月14日に伊予灘で発生した地震(気象庁報道発表)と、一昨年4月13日に淡路島で発生した地震(気象庁報道発表)の2つである。ただ、伊予灘地震とはあまりに震源が離れすぎていて関連があるとは言いがたい。一昨年の淡路島地震とは若干震源が近く、震源深さも10kmとほぼ同程度であるが、2年近くも前の地震であり、関連はあるともないと断定できない。

ただ、ひとつ言えるのは、3回の地震の中では今回が最も南海トラフに近いところで起きたということだ。内陸直下型の地震であり、東日本大震災のようなプレート境界型ではない通常の断層型地震だから、直ちに南海トラフ地震の前兆と言い切るのは難しい。現に、記者会見した気象庁の地震津波監視課長も、予兆とは言えないと慎重な言い回しをしている。

当ブログは現状で地震予知は困難だと思っている。だがそれでも、いざそのときが来たら人的被害は最小限であってほしいという思いもある。そこで、苦肉の策として「将来、○○大地震が起きたとき、あれも前兆のひとつだったのだとして振り返られる地震になる(かもしれない)」という表現を使うことがしばしばあるが、今回の地震についてはその表現を使う必要はないと思う。そもそも最大震度こそ5強であるものの、地震の規模はM5.0と、日本周辺では月1回~数回程度は起きている日常的範囲のものである。それなのに揺れが大きかったのは、直下型でしかも震源が10kmと浅かったことによる。当ブログが東日本大震災の「予兆」のひとつと考えている2008年6月14日の「岩手・宮城内陸地震」はM7.0、2008年7月24日の「岩手県内陸北部地震」はM6.8だった。それに比べ、今回の地震はあまりに規模が小さすぎる。岩手・宮城内陸地震と比べると、今回の地震はマグニチュードが2も小さく、地震のエネルギーは1000分の1である。少なくとも「岩手・宮城内陸地震」「岩手県内陸北部地震」クラスにならないと、近い将来の巨大地震の予兆とは言えないであろう。

ところで、昨年の伊予灘地震、一昨年の淡路島地震、今回の地震の3つを見比べて、気になることがある。この3つの震源がいずれも中央構造線(画像:Wikipediaより)にきわめて近いことである(伊予灘地震はわずかに北、今回の地震はわずかに南、そして淡路島地震はほぼ真上)。東日本大震災以降、和歌山県北部でも地震が相次いでいることを考えると、やはり中央構造線とその周辺での地震活動は明らかに活発化している。

この中央構造線のほぼ真上に位置しているのが、伊方、川内の両原発である。ここを再稼働すれば、数年後にどのような事態が待ち受けているか、考えるだけで身の毛がよだつ。この両原発の再稼働は無期限中止すべきであろう。――もっとも、安倍政権が反対意見に耳を傾けるなんて、原発事故以上にあり得ないと思うが。

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11月22日、22時08分頃の長野県北部の地震について

2014-11-23 00:08:37 | 気象・地震
22日午後10時08分頃、長野県北部で起きた地震について簡単に解説する。

平成26年11月22日22時08分頃の長野県北部の地震について(気象庁報道発表)

震源:長野県北部
地震の規模:M6.8(速報値)
震源の深さ:約10km
発震機構(地震のメカニズム):北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型(速報値)

今回の地震の震源地にごく近い場所で、東日本大震災の翌日の2011年3月12日にM6.7の地震が起きている(当時の報道発表)。震源地だけでなく、地震の規模もほぼこの地震と同じで、発震機構も今回と同じ。3年8ヶ月の間隔を置いているが、事実上関連地震と見るべきだと当ブログは判断している。

なお、当ブログがきわめて注目しているのが、今年9月に起きた御嶽山噴火との関連だ。御嶽山、今回の地震の震源、そして2011年3月12日の地震の震源の位置関係を示すと、以下の地図の通りとなる。



今回の地震の震源は、糸魚川・静岡構造線のほぼ真上である。長野県では、1979年に御嶽山が噴火した後、1984年に長野県西部地震が起きているが、その震源は御嶽山の間近だった。今回の地震の震源は、9月に噴火した御嶽山とは約150kmほど離れており、関係があるかどうか現時点で当ブログには判断できない。ただ、県庁所在地の長野市を取り囲むように地震と噴火が続いているのは、少々不気味ではある。

気象庁では、今後1週間程度、最大で震度5強程度の余震があり得るとしている。御嶽山のことも考えると、この地域の地殻変動が活発化していることは疑いなく、近隣にお住まいの方は十分注意してほしい。

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9月16日12時28分頃の茨城県南部の地震について

2014-09-17 19:04:17 | 気象・地震
平成26年9月16日12時28分頃の茨城県南部の地震について(気象庁報道発表)

16日昼の地震は、茨城県の地震では珍しく震度5弱を記録した。東日本大震災以降、茨城県は地震活動が最も活発な地域だったが、震度4以下の弱いものが多く、震度5弱以上はこの地域ではなかなかあるようでなかった。

今回の地震の特徴は、地震の規模(M5.7)、震源深さ(47km)の割には震度5弱以上を記録した市町村が多かったことだ。栃木県佐野市、下野市(しもつけし)、群馬県前橋市、埼玉県熊谷市など15の市区町村に及んでいる。揺れの強かった地域は震源の西から北西にかけて分布しているが、これは発震機構が北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であったことが関係しているように思う。震源の深さなどはほぼ同一であることから、この地震は今年5月5日、5月13日の地震と関連がある。5月の2回の地震は今回の地震の「前震」だったとみるべきだろう。

さすがに、内陸・逆断層型で震源深さも47㎞となると、この地震を東日本大震災の関連地震と位置付けることは困難らしく、気象庁は全く別の地震として扱っている。当ブログも同様の見解だ。ただ、もともと5月から相次いでいる地震と今回の地震が関連していると見られることから、この地震に関しては今後、注意深く見守る必要がある。M5.7クラスで収まるようならさほどの心配はいらないと思うが、もしM6級に波及するようだと、当ブログとしても何らかの見解を表明するかもしれない。


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