安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

徳島県南部の地震について

2015-02-06 21:10:27 | 気象・地震
平成27年2月6日10時25分頃の徳島県南部の地震について(気象庁報道発表)

今日午前10時25分に起きた徳島県南部の地震について簡単に述べる。

この地震の情報を聞いて、当ブログ管理人がとっさに思い浮かべたのが、昨年3月14日に伊予灘で発生した地震(気象庁報道発表)と、一昨年4月13日に淡路島で発生した地震(気象庁報道発表)の2つである。ただ、伊予灘地震とはあまりに震源が離れすぎていて関連があるとは言いがたい。一昨年の淡路島地震とは若干震源が近く、震源深さも10kmとほぼ同程度であるが、2年近くも前の地震であり、関連はあるともないと断定できない。

ただ、ひとつ言えるのは、3回の地震の中では今回が最も南海トラフに近いところで起きたということだ。内陸直下型の地震であり、東日本大震災のようなプレート境界型ではない通常の断層型地震だから、直ちに南海トラフ地震の前兆と言い切るのは難しい。現に、記者会見した気象庁の地震津波監視課長も、予兆とは言えないと慎重な言い回しをしている。

当ブログは現状で地震予知は困難だと思っている。だがそれでも、いざそのときが来たら人的被害は最小限であってほしいという思いもある。そこで、苦肉の策として「将来、○○大地震が起きたとき、あれも前兆のひとつだったのだとして振り返られる地震になる(かもしれない)」という表現を使うことがしばしばあるが、今回の地震についてはその表現を使う必要はないと思う。そもそも最大震度こそ5強であるものの、地震の規模はM5.0と、日本周辺では月1回~数回程度は起きている日常的範囲のものである。それなのに揺れが大きかったのは、直下型でしかも震源が10kmと浅かったことによる。当ブログが東日本大震災の「予兆」のひとつと考えている2008年6月14日の「岩手・宮城内陸地震」はM7.0、2008年7月24日の「岩手県内陸北部地震」はM6.8だった。それに比べ、今回の地震はあまりに規模が小さすぎる。岩手・宮城内陸地震と比べると、今回の地震はマグニチュードが2も小さく、地震のエネルギーは1000分の1である。少なくとも「岩手・宮城内陸地震」「岩手県内陸北部地震」クラスにならないと、近い将来の巨大地震の予兆とは言えないであろう。

ところで、昨年の伊予灘地震、一昨年の淡路島地震、今回の地震の3つを見比べて、気になることがある。この3つの震源がいずれも中央構造線(画像:Wikipediaより)にきわめて近いことである(伊予灘地震はわずかに北、今回の地震はわずかに南、そして淡路島地震はほぼ真上)。東日本大震災以降、和歌山県北部でも地震が相次いでいることを考えると、やはり中央構造線とその周辺での地震活動は明らかに活発化している。

この中央構造線のほぼ真上に位置しているのが、伊方、川内の両原発である。ここを再稼働すれば、数年後にどのような事態が待ち受けているか、考えるだけで身の毛がよだつ。この両原発の再稼働は無期限中止すべきであろう。――もっとも、安倍政権が反対意見に耳を傾けるなんて、原発事故以上にあり得ないと思うが。

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