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公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

4月20日午前、与那国島近海の地震について

2015-04-22 21:24:07 | 気象・地震
平成27年4月20日10時43分頃の与那国島近海の地震について (気象庁報道発表)

4月20日午前、与那国島近海で起きた地震では、短時間ながら宮古・八重山地方に津波注意報が発令されるなど一時、緊張感が高まった。地震の規模はM6.8と大きいもので、震源はごく浅く、発震機構(地震のメカニズム)は南北方向に圧力軸を持つ逆断層型(速報)とされた。

正直なところ、地震の規模、震源の浅さ、そして宮古・八重山地方が震源に近いという事情を考えると、よく最大震度が4で収まったな、という感想を持つ。震度5弱~5強が観測されてもおかしくないほどの規模だったと思っている。

気になるのは、この地震の震源がフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界に近いということだ。いうまでもなく、この2つのプレートの境界は南海トラフにつながっている。過去の地震履歴を見る限り、この海域でM6を超える地震が起きたのは、2006年10月12日のM6.1以来、8年半ぶりという久しぶりのものだ。震源があまりに遠いという事情もあり、実感が持てないかもしれないが、遠くない将来、南海トラフ大地震が起きた後、「今振り返ると、広い意味ではあの地震も前兆のひとつだった」と言われることになる地震かもしれないと当ブログは考えている。

南海トラフ大地震に関しては、東南海・東海と異なり、長い目(10~50年スパン)で見ると、刻一刻と発生に向かって進んでいるとみて間違いないと思う。東日本大震災直前の数年間に、プレート内部での逆断層型地震(岩手・宮城内陸地震など)と三陸沖のプレート境界上での中規模の地震が連動するように増えた後、東日本大震災へとつながっていった。

南海トラフ大地震が、東日本大震災と同じような経過をたどるかどうかはわからないし、断定はできないが、過去から現在まで巨大地震を見つめ続けてきた当ブログの“皮膚感覚”では、南海トラフ地震は今、長期的前兆活動の中期を終え、後期に入ったのではないか。かつては、当ブログも南海トラフ地震について「西日本の太平洋沿岸地域で、防災など公共事業予算を確保するための方便」と思っていた時期もあったが、次第に予断を許さない段階にきたように思う。

個人レベルで備えをするのはまだ早いように思わなくもないが、備えておいて悪いことはないのだし、官公庁や企業の「備え」は「Xデー」後の多くの人の生活に影響を与える。南海トラフ沿岸地域の官公庁や企業では、避難誘導・救助計画の作成、備蓄品の計画的調達といった準備をそろそろ本気で始めた方がいいのではないかと当ブログは訴える。

荒唐無稽だと思われるかもしれないが、1978年の宮城県沖地震から30年以上経過していることなどを根拠に、当ブログが東日本大震災の3年近く前から、三陸沖での地震に警告を発していたことを思い出してほしいと思う(「気象・地震」カテゴリの過去の記事を参照)。現実から目を背け、自分たちの想定外のことが起こると無様な言い訳、屁理屈、ごまかし、はぐらかし、隠蔽の限りを尽くしてきた不誠実な「科学者」の言葉よりも有益な予測が詰まっているものと自負している。

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