王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

行く年来る年

2007-12-31 08:59:13 | 政治
衆院選764人が準備=来年解散を想定、急ピッチ-自・民対決218選挙区 (時事通信) - goo ニュース

今年も後一日になりました。昨日の風のせいでしょう。今朝は朝の寒さが一段と厳しくなりましたが良く晴れて富士山頂が雪をかぶった姿を丹沢の向こうに覗かせています。すっかり冬の景色と気温になりました。

さて小泉元総理の後を受けた安倍前総理ですが「戦後レジームからの脱却」「美しい日本」を唱えましたが相次ぐ閣僚の不祥事、社保庁による年金データー処理の出鱈目ぶりが影響して、夏の参議院選挙では惨敗しました。

もともと前回の衆議院で自民党の大勝は「小泉郵政解散」の刺客劇を受けての物ですから、その反動もあったのです。ここで衆議院を解散して直近の民意を問う事は一つの選択としてありました。
居座りを決めたものの参議院で野党が三分の二を占めたので「新テロ法」の成立が困難となりブッシュ大統領との(堅い?)約束が果たせなくなった(と思った)安倍前総理は任期半ばで総理を辞任してしまいました。

麻生一夜候補のあと、福田総理の誕生です。ねじれ国会を解消する為、民主党小沢党首と大連立を企画しましたが民主党幹部の了解を取れず、辞任騒動そして(慰留され)再度代表を務める等、何ともこれが日本の野党第一党なのかなとがっかりするやら小沢氏の本音が見えて納得したり。

小沢氏の秋の時点では政権奪取は難しかろうとの見方は正しいであろうと思うのですが、それを幹部の了解を取らず連立に走った所に小沢氏の古いと言うか融通無碍と呼ぶか鵺(ぬえ)的体質を感じてしまうのです。又その小沢氏に再度党首を懇願しなければ分解してしまう危うさが民主党の人材難と政策の狭さを象徴しています
野党第一党が社会保障費の財源に消費税を充当する方向に賛成するようでは革新政党の意味はなく有権者の20%以上を占める無党派層を政治参加させる熱源になりません。

社会面では暮れに清水寺の貫主が今年の漢字を「偽」と書いた様にたくさんの食品偽装、警官や公務員の不祥事、又ごく普通の人間による殺人殺傷事件が多発しました。

話は政治に戻って福田総理になっても「5000万件年金データーの処理」の闇の深さは深まるばかり「薬害肝炎」も総理による政治決断を発動できる機会であったのですが「一律救済」を議員立法に委ねてしまいました。
08年度政府予算案は83兆円。税収53兆円に対し国債費(国債の借り換えと利払い)15兆円を置いても、赤字国債5兆円とあちこちに大盤振る舞いです。
2011年のプライマリーバランス(基礎的収支)を0にする短期目標さえ危うい状態です。国策無くして自民党の選挙対策しか見えません。

これまでにも書いて来た様に国の累積債務882兆円、特別会計230兆円〔一般会計と重複分を除く)、一般財政83兆円の圧縮を優先順位をつけて実行する事。
その結果、既存の消費税5%を段階的に無くしてゆく事を提言する政治グループが日本の未来を切り開いてゆく事になるなると思います。
戦後の日本国平和憲法と日米安保との結合性双生児状態の問題、三権分立の欠陥と補正の問題、厚生省の薬事官僚に代表される国民の命に対する無責任、社保庁も含め歴代責任者の追求、国際貢献と自衛隊員の戦死と慰霊場所の問題等などの解決法を統合して提言し国民の緩やかな合意を集める事が政治の仕事になります。

2008年早々自民党は衆議院での「新テロ法」を再審議で可決するのでしょう。
これまで給油の多くを受けていた「パキスタンの海軍」ですが、パキスタンは元首相のマダムブットが暗殺され国家的混乱が報道され「核管理の危機」さえ噂されています。
「給油による国際貢献」も「地上部隊を派遣する案」も根本的に見直しが必要になるかも知れません。
日本の指導者には今まで以上に幅広い視野とそれに基づく選択肢を持って欲しいものです。

さて福田総理は年末の訪中を無難にこなした演出(日中双方の思惑もそうあって)で新年を迎えます。解散は洞爺湖サミットを終えてからとか伝えられています。
ねじれ国会と言いながら既に一部の場面では与野党の政策協議で法案が成立しているのです。いきなり連立でなく「案件ごとに党議拘束を掛けないで賛否を問えば議員の判断が選挙民により近くなります」
昔の自民党は党議拘束しても違反者の処分までは行なわなかったとか。小泉元総理による「党議拘束と違反者に対する刺客送り」が政権与党の幅を狭めたと言えそうです。民主党が自民党の左派を取り込むほどの提言が出来ると素晴らしいのですが

さて政局はサミット以降までもつでしょうか?
来年末には清水寺の貫主に「真」とか「善」とか書いて貰いたい物です。
それではどうぞ良いお年をお迎えください。


時事通信:

次期衆院選に向け、小選挙区と比例代表合わせて764人が立候補を準備していることが29日、時事通信の調べで分かった。自民、民主両党の直接対決は300小選挙区のうち218で固まっている。自民党は復党した郵政造反組と「刺客」の候補者調整という課題を抱える一方、民主党は60を超す空白区の解消が急務だ。

 衆院議員の任期満了は2009年9月10日で、05年9月の前回衆院選から既に2年3カ月が経過した。今年7月の参院選で大勝した民主党は、早期解散を求めているが、与党内では、08年7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)以降とすべきだとの声が強い。衆参のねじれ国会で衆院再可決に必要な3分の2を超す現有議席を維持することは極めて困難な情勢であるためだ。(以下省略)
コメント (10)
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