Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

議場の華 今は昔

2014-06-22 15:00:02 | 国際・政治

かねて世界遺産への登録申請が行われていた、群馬・富岡の、明治期の殖産興業政策の象徴、富岡製糸場とその関連遺構が「富岡製糸場と絹産業遺構群」として、国際連合教育科学文化機関UNESCOより、正式に登録決定された。今年上半期の我国内屈指の朗報として、この決定を歓迎したいものだ。勿論、老朽施設をどう再建して、今後確実に増えるであろう見学人口にどう対応するかと言った課題もあろうが、近現代において、我国が先進国へと上って行った経産面の史実を語る資料として、ゆっくりでも良いから、できる所より着実に整備を進めて頂きたい。又、かく申す俺も、遠くない時期に、どの様な遺構なのか、己の目で確かめる事ができればとも思っている所である。

さて、目出度い事の一方で、政治の方では遺憾な出来事もあった。ここの所続く、同盟国が不当な攻撃に遭った場合の一定援護を叶える、集団的自衛権を巡る粗雑な議論のあり方もそうかもだが、ここでは先日、東京都議会にて、少子化対策を巡って質問中の、ある野党女性都議に向けられた、明らかに不当な野次、と言うより暴言行為について取り上げる事にする。まずは、今朝の地元紙 C新聞の冒頭読物などを引用しながら考えてみたい。

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「C春秋」 

「曲がったことが大嫌い。牛の角なんか見るのも嫌。道を曲がる時なんか、泣きながら曲がっている」

落語の「井戸の茶碗」に出てくる清兵衛さん。清兵衛なら号泣するか。これほど曲がった話はない。東京都議会のやじ問題である。

「やじ」とは呼べぬ。「やじ」には弁士を絶句させる正当性と鋭さ、そして「笑い」がなければならぬ。出産に悩む女性への支援について質問した女性議員に対する「結婚したらいいじゃないか」「産めないのか」は「やじ」ではない。悪意である。暴力である。これが第一の曲がったことである。

第二はこの人物が名乗り出ぬことである。発言に責任を持つことこそ最大の仕事といえる政治家が責任を負うどころか、逃げ隠れしている。ほとぼりが冷めるのを待っている。曲がっている。

第三は暴言を制止する人間がいなかったこと。誰の発言か知っているのに、黙っている議員が恐らく存在する。「黙れ!愚か者」と誰も声を上げぬ。しがらみか、見て見ぬふりをしている。これが最も曲がっている。曲がったことを許さず、正しいと信じたことを主張する。命に代えても主張する。そうでなければ政治家である意味も資格もない。

「他人の赤ちゃんが嫌いだった。子犬さえ憎かった。同級生の女性。授からなかった。その苦悩を暴言とそれに沈黙する人が笑っている。曲がっている。

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まあ必ずしも、良しとする方向性とは言えないC新聞だが、今回のこの記事は、締め括りがやや難解とは言え、ほぼ真実と核心を突いていると申さざるを得ない、と俺は思う。女性の社会進出により道を開き、仕事と家庭の双方が少しでも並び立つ様施策するとは、安倍自公政権の公約のはずだ。恐らくは与党側だろうが、野党女性都議に暴言を放った議員は、最上官たる内閣総理大臣の方針を、軽く見ていなかっただろうか。だからこそ、質問女性都議への暴言も軽々とできた訳だし、「国家レベルと東京都レベルの問題は違う」などと勝手に捉えていたのかも知れない。質問女性都議への侮辱もさる事ながら、こうした認識が事実なら、言語道断であろう。

一方で、一時は「議場の華」とも称された野次そのものの価値も、今世紀に入ってからは、地に堕ちた印象を受ける。前世紀、平成の初めまでは、確かに前掲記事の様な、意味のある野次もそれなりにあったのだが、今世紀に入り、第一次安倍政権、そして民主党政権の時期辺りからは「ただの暴言」が目立って増えて来た様だ。国会でも、自治体議会でも、野次と暴言の区別もしない不心得者が幅を利かす様になった印象が付き纏うのは事実。今回の当該議員がそんな輩なら、2020年五輪大会を初め、大切な局面に入る東京都の事共を任せる訳には参るまい。東京都民は次の選挙で蛮勇を以て落選させ、公民権停止に追い込むべきだ。社会的に葬送する位の事をやっても良い。

この問題に関しては、多くの海外メディアよりも批判が寄せられている様だ。曰く「男性=仕事、女性=家庭の古い思考から抜け切れていない事が、こんな問題を生じた。まだまだ多くの日本女性が、仕事や社会の面では低く見られている」と言う事の様だ。

最後に、自由民主党幹事長 石破 茂さんのご見解を紹介して、ひとまずの終わりとしたいが、こうした明らかな暴言を排除する強い姿勢を持たないと、我国の民主主義の先行きは暗いのと違いますか?

「発言者は、自ら名乗り出るべきだ。誰であれ『自分でした』と言ってお詫びすべきだ。仮に我が党であったとすれば、党としてお詫びをしないといけない。大変申し訳ない事だ。」

党幹事長のご見解でさえこれである。当該者がどこまでも逃げ隠れを続けようとするなら、検討中の声紋検査を断行するなどして、明るみに出してはどうか。

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コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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ココSAN、今回もご見解を有難うございます。率直な... (HAKASE(jnkt32))
2014-06-23 07:41:46
件の女性都議は、ご指摘の通りメディア人だった様で、その意味では罵った議員と「お互い様」って所がある訳ですね。
もしも、田中真紀子さん辺りだったら、大声で勝負に出た事でしょう。女性都議にも、これからでもその辺りを学んで頂きたい所です。
後、仰る様に、女性=基本家庭で概ねOKなんですが、昔より経済に余裕がなくなっていて、ある程度仕事と並び立たせるのは仕方がないと心得ます。
安倍現政権も女性閣僚を何人か擁し、その辺りの手当てを目指しているのはご存じかと思いますが、そんな状況下であの様な無神経な罵倒などされては、反って与党の為にも政権の為にもならないと、拙方は見ています。まあ次の選挙が苦しくなる事に思考が及ばなかったとしか申し様のない所があるのではとも愚考します。
後、この問題が、国境を越えて海外にも広く伝わったのも厄介ですね。こうなったら、都もメディアも、女性都議寄りのポーズをしないと、特に欧米の国際世論が納得しない。この辺り、我国の捕鯨問題とも何か通底している気がします。
お気にされている様に、女性都議寄りの発言は、得てして左派勢力の情宣に利用されるので、拙方もその辺りは要注意と心得ますが、今回は、それよりも同じ与党の安倍政権の政策遂行を大きく妨げるのが許せんので、記事にした次第。
そこの所は、一部でもご理解賜れれば幸いです。まずは、お礼まで。
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私は勿論ヤジを飛ばした人も悪いと思いますが・・... (ココ)
2014-06-22 23:04:27
自分自身が政治家として志を持ってその場に立っているのなら涙でごまかし 後で抗議するのではなく その場ではっきり決着を付けるべきだったのでは??

彼女の場合、結婚する気がないとしか思えないので悔しいはずはないように思うのですが・・・ っというのは

私は彼女を全く知らなかったのでウィキペディアで調べてみたのですが 明石家さんまの恋のから騒ぎに彼女が出演していた際の過去エピソード等を読んでそう思いました。内容は書くと長くなるのでウィキペディアを見てください!ヾ(´▽`;)ゝエヘヘ

正直、どっちもどっちかな・・・

このヤジがどうも自民党議員だったようだからここまで発展したような・・・・

ヤジを飛ばした自民党議員も要らん所で安倍さんの足を引っ張るでない!って文句を言いたいです。

もひとつ・・・女性=家庭 は古い思考でしょうか??私はそうは思わないのですが・・・

本当に彼女が 多くの日本女性が、仕事や社会の面では低く見られてる!ってあの場で感じたのであれば やっぱり彼女はあの場で 毅然とそれに対して反論すべきだったと思います。
ヤジった張本人を捜し出す云々の問題ではなくそのヤジの言葉に対して言われっぱなしではなく 反論すべきだったと!


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