自衛隊の輸送力強化策は理解するが

世界に衝撃を及ぼす　トランプ米政権による輸入関税強化策が明後日に迫り、影響で我国主要株価も大きく下げている様だ。

石破政権も　流石にこの事態は看過せず、トランプ米大統領との緊急電話会談など　対応策を繰り出してもいる様だが、当初の関税強化策を緩和させられるかどうかは未知数だ。

トランプ米政権は　我国を含むアジア太平洋地域の安保のあり方も見直しを図る様だとの指摘もあり、我国側も　防衛省をメインに対応を進めている由。その一環が、この所活発の度合いを強める　中国大陸の動向に対応した陸上自衛隊メインの輸送力強化、自衛隊海上輸送軍整備の動きだろう。

特に台湾周辺の情勢緊迫化の場合などに備えた動きともみられ、将来へ向けての増強見込みを含め　やむなきものとは思う。ただ　この動きについて望みたい事が一定あるのも事実。以下　昨日の産経新聞ネット記事を引用して、みて参ろうと思う。

「自衛隊海上輸送群が発足式　陸自は主体、中国(大陸)念頭に輸送力強化　中谷防衛相『重要な一歩』」

南西諸島への輸送力強化を目的とした　防衛相直轄の新組織「自衛隊海上輸送群」が 4/6、拠点を置く海上自衛隊呉基地(広島県呉市) で発足式を開いた。輸送群は乗員の約 9割を陸自、約 1割を海自で構成。

中国(大陸) が海洋進出を強める中、組織の垣根を越え　人員や車両、物資を運ぶ能力を高める狙いがふる。

中谷　元・防衛相は発足式で「陸自と海自が力を合わせて海上輸送に当たる部隊の新編は、歴史的に極めて重要な一歩だ。まさに新しい時代の統合運用の象徴となるものだ」と訓示を述べた。

輸送群は 3/24に約 100人態勢で発足した。小型級の「にほんばれ」がすでに配備され、中型級の「ようこう」も 5月にも就役する。台湾や尖閣諸島での有事に備え、本当から南西諸島をつなぐ役割を担う。

輸送群は段階的に拡充し、2027=令和 9年度までに中型級 2隻、小型級 4隻、小回りの利く機動舟艇 4隻の計 10隻態勢とする。中型級は本州と沖縄本島や奄美大島を、小型級は沖縄本島と宮古島や石垣島、機動舟艇は　接岸が難しい小島への輸送を想定している。(引用ここまで)

考えたくはないが、中国軍や同国海警のこれまでの動きなどから　台湾周辺情勢の緊迫化に備えるべき必要が迫っているのは事実。一部左派には何をどう申しても無駄かもだが、そうした勢力を含む左派野党は別としても　党派を越えて自衛隊輸送群の整備強化の必要を共有する必要があろう。

ここからは拙希望も交えるが、こうした輸送群に　有事の際に沖縄県離島の住民避難を担える様、自衛隊法の改正なども速やかに視野に入れて頂きたいもの。現状では、有事の場合の沖縄離島部居住の各位避難に際し　民間船舶や航空機の使用が想定されている由。しかし　それでは拙い。

有事に民間頼みがどれ位通用するかは未知数ではないのか。船舶や航空機借り上げの権限も限界があろう。ここは住民避難に自衛隊が主力となれる様、速やかな法整備を進めて頂きたいものだ。

もう一つは、やはり北方への備えを手薄にしてはならない事だろう。ロシア国による　北方領土不法占拠は今も続き、戦後直ぐの頃から「まだ北海道侵略の意図を放棄していないのではないか」との指摘を幾度か聞く所だ。南西諸島方面と同じ海上輸送群をという様な言及はしたくないが、例えば　工事途上の北海道新幹線の札幌延長に伴い JR北海道などが将来経営から退くとされる　函館本線南部の貨物鉄道線維持策に陸自が関与する様なあり様が検討されても良いと思う。

これは我国安保を考える上で　一定でも必要性があると心得る故、今回も含め　折々主張したく思う。今回画像は、この春先　先年の崩落事故から復旧成った　静岡市郊外の景勝地・薩埵