今朝届いた小惑星探査機「はやぶさ2」の、地球と火星の間に位置する小惑星「リュウグウ」の着陸成功は、久々に聞く朗報だったと思う。2005=平成17年に 小惑星「イトカワ」着陸を果たし、その後地球に感動の帰還を果たした 先代「はやぶさ」に続く快挙。今回は、着陸の精度向上など 更に高度な運用が図られている様だ。
当然 小惑星「リュウグウ」の物質採取などの本格活動はこれからだが、既にその為の 最初の弾丸を打ち出す指令も計画通り発せられた由で、誕生直後に天体多数の衝突などで失われたとされる 太陽系原始の状態解明が期待され、その事から 生命の起源解明へと 研究活動が大きく動く可能性も秘めていると言われる。年内一杯はかかるとされる、小惑星での活動並びに 来年末に予定される地球への無事帰還を祈念したいものだ。
さて「はやぶさ」シリーズの様な小惑星探査機を用いた研究活動も、勿論持続が大切だろう。拙者は、その為に大きな二つの項目に注目しようと思っている。その一つは、探査機や小型衛星の運用の問題。こうした宇宙探査の事共が話題になると 必ずつきものになるのが「軍事利用されるのでは?」の懸念。拙的にはもう「杞憂」レベルなのだが、特定野党勢力とそのシンパ連中をメインに、本気でそう思い込んでいる向きがある様だ。
そんな懸念を抱いても仕方がない、というのが拙所感だ。我国の宇宙調査研究は、あくまでも平和目的だ。国際レベルでは米露や中国大陸辺りが軍事利用も意図するだろうが、我国は与しないだろう。仮に同盟関係ある米合衆国がその様な動きを示しても、少なくとも直接手を下す事はないという事だ。勿論 同盟関係の上から明らかにできない機密部分も それはあるだろうが。
もう一つは、研究予算の問題。他の教育科学分野でもそうだが、宇宙調査研究の費用も その相当額が我々の血税で購われているのは事実だ。予算執行が厳しく審査されるべきは勿論だが、かと言って かつての旧民主党政権下の 不調に終わった事業仕分けの様な無神経なカットが行われる事だけは繰り返されぬ様心がけなければならないだろう。この担当だった蓮舫現立憲民主参議の「二位ではダメか?」の様な中途半端な姿勢は通らない。
厳重な審査を経た上で、生命の起源に迫る様な 枢要な調査研究には最大限の予算が付与できる様 関係各省庁は努めるべきだ。医学分野で IPS細胞の研究開発を手掛けた 山中伸弥・京都大教授も、研究予算の確保には相当に苦労されていると聞く。その一方で、必ずしも明らかな緊急性、重要性があるとは言い切れない文系の政治系「研究」活動に、数億円規模の巨額予算が下りた例もあるやに聞く。学術面の審査態勢も必要な見直しをしなければ、我国の科学技術レベルの維持は難しいだろう。
広く知られる様に、我国の総人口は残念ながら 今後当分は減少基調となる。その事はとりも直さず 我国の納税人口も減る事を意味する。総人口減からの 経済規模縮小も考慮されなければなるまいて。そうなれば、医学など他分野と共に 今後増々予算確保の審査を厳重にせざるを得ないだろう。だからと言って 真に必要な分野を疎かにする事も許されない。今回の「はやぶさ2」の小惑星「リュウグウ」到達からは、そうした事共も感じる所ではある。今回画像は、昨年暮れに捉えた JR名古屋駅前辺りの夜景の様子を。勿論 小惑星の輝きは届かない事でしょうが。