生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

真実の愛とは・・・(その1)

2009-07-11 17:27:42 | エッセイ
 
何のドラマだったか忘れましたが、
 「真実の愛はないのか! 真実の愛はどこにあるんだ!」
と、愛に傷ついた男性が泣き叫んでいる場面を見て、涙が止まらなくなりました。

その人は、純粋に真実の愛を求めたのに得られなくて絶望しているのです。
そのドラマは、真実の愛などというのは、きれいごとにすぎない。人はみな自分が第一なのだから、真実の愛なんて存在しないのだという結論を示していました。

 
真実の愛とは何でしょう?
真実の愛は存在するのでしょうか?


愛というとほとんどの人が男女の愛を連想します。小学生に愛について尋ねると、「愛ってラブラブのことでしょ」と言います。
 
愛には4種類あることをご存じですか?
1つ目は エーロス(恋愛・夫婦愛)です。

今ちょうどユーゴーの「レ・ミゼラブル」(岩波文庫)を読んでいますが、マリユスがコゼットをに出会って恋に落ちる場面を読んで、心ときめかせています。恋をするとその人のことで頭がいっぱいになり、四六時中その人のことを考えるようになます。

ところが、その人に裏切られたとき、愛は憎しみに変わることがしばしばあります。

永遠に変わらぬ愛ではなく、簡単に憎しみに変わってしまうような愛は真実の愛とはいえませんね。

2つ目は ストルゲー(情愛、肉親愛)……これは親子、兄弟姉妹などの血縁の極めて近い者に対する愛です。

たいていの親は自分の子どもを愛します。生まれたばかりの赤ちゃんは、母親の愛に満ちた表情、言葉がけを受け取って成長します。何の愛情もなく赤ちゃんと目も合わせないでミルクだけ与えた場合、精神的だけでなく身体的発育が遅れてしまうそうです。

3つ目は フィリア(友愛、朋友愛)……これは自分の好みに合い、自分と共通な場を持つ者に対する愛です。 「走れメロス」は美しい友愛を描いていますね。

4つ目は アガペー(聖愛、神的愛)……これは神様の愛です。
アガペーの愛、これこそが真実の愛です。

エロースとストルゲーとフィリアという3つの愛は人間的な愛です。その相手が「自分にとって価値がある」と判断して愛するものです。

これに対してアガペーは、神様が 「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している」(イザヤ書43:4)と言われ、また 「キリストが代わりに死んでくださったほど」(ローマ人への手紙14:15)と言われたように、 「相手に価値がある」と判断して愛するものです。

            つづく


*日本クリスチャン・ペンクラブ(JCP)のHP更新しました。

*先日までJCPのHPに掲載されていたわたしのエッセイは、「生かされて・・・土筆文香」エッセイの部屋に掲載しています。


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2 コメント

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Unknown (チャキ)
2009-07-15 22:46:27
「・・・だから愛する」と「・・・にもかかわらず愛する」の違いを思い出しました。
神さまの視点は計り知れない深さ広さですね。
きょうも思いを深めさせていただきました。
ありがとうございます。
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チャキさんへ (文香)
2009-07-16 11:24:51
>神さまの視点は計り知れない深さ広さですね。
アーメン。その通りですね。

神様の愛は条件付きのない愛ですね。愛されるのに資格がいらないのですから感謝です。

こんなわたしでも愛されていることが嬉しいです。
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