生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

わたしの遺言(その2)

2008-05-27 15:02:17 | 日本クリスチャン・ペンクラブ
クリスチャン・ペンクラブの例会で「私の遺言」というテーマで発表したものを掲載しています。


ここに乳がんの手術前に書いた主人宛ての遺言があります。恥ずかしいので読むのをどうしようかとためらったのですが、はからずも今日(5/24)は27回目の結婚記念日なので、一部紹介させていただきます。


わたしはあなたと結婚して本当によかったと思っています。あなたが無口なため、なかなか心が通じなくてずっと寂しい思いをしてきました。
あなたと色々な会話をしたいと願っていたのですが、わたしが一方的に話すだけなので、会話はなかなか成立しませんでしたね。
わたしは自分のことを省みないであなたに変わってほしいと願っていたので、心に悲しみがありました。

でも、あなたが無口なのは生まれつきで、意地悪でわざとしゃべらないでいるわけではないということ。わたしは自分勝手でわがままなところがあり、人を傷つけるような言葉を話したりする人間なのに、あなたは寛容な心をもってわたしをやさしく見守ってくれましたね。
体が弱く、掃除も料理も下手なのに教会のことばかり一生懸命であるわたしに対し、あなたは一言も批難の言葉を言わず、毎週日曜に教会へ出かけることに対しても、文句ひとつ言いませんでしたね。

そんなことを考えると、あなたに変わって欲しいと願うことは間違いだと気づきました。そう気づくと、あなたに対する感謝の気持ちでいっぱいになって、悲しみは喜びに変わりました。本当にありがとう。

中略

わたしは、イエス様を本気で信じています。あなたにも信じて欲しいです。そうすれば、天国で再会できるからです。イエス様を信じる者は、天国へ行き、永遠の命をいただけるのですから。

                    つづく

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