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生かされて

乳癌闘病記、エッセイ、詩、童話、小説を通して生かされている喜びを綴っていきます。 by土筆文香(つくしふみか)

美しい追憶(その1)

2007-01-14 21:58:45 | 日記

昨日は納骨式、今日は娘の成人式で祝福にあふれた2日間でした。
納骨式には、教会員で父と面識のない方もたくさん来て下さって、有り難かったです。


牧師のS先生も生前の父とは面識がなかったのですが、わたしが伝えていたことをもとに「生かされて」という題でメッセージしてくださいました。
父の死後、父が三浦綾子さんの本「永遠の言葉」を抜粋してワープロで書き写していたものを見つけた話しをS先生にすると、是非見せて下さいと言われたので、コピーしてお渡ししていました。それは、字数にして約7000字にもなります。


「これほどのものを書き写すということは、よほど感動し、共感していたということでしょう。一文を紹介すると、
わたしたちは、なぜ生きなければならないのかという問いを発しがちですが、生きるとか死ぬとかという人生の一大事の「なぜ」はだれにもわからないものですね。それよりも私たちは、だれも「生きる」のではなく「生かされている」と考えると、おのずから生き方も変わってくると思うんです。
と書かれています。お父さんのような年代の男性は、『自分の力で生きてきた』という思いが強い人が多いのに『生かされている』という心境になったことはすごいことです」
と先生が言われたのを聞いて、感動を新たにしました。

それから、ホスピスに入院して召されるときのようすも語って下さいました。
わたしは父との思い出を語りました。父の思い出として書いた物を紹介します。実際に語ったのとは多少違っていますが……。

            
美しい追憶
父は厳格でしたが、根はとてもやさしい人でした。小さい頃の思い出というと、遊んでもらった記憶はないのですが、コーヒー好きな父は時々喫茶店に連れていってくれ、チョコレートパッフェをご馳走してくれました。

父は几帳面できれい好きなので部屋が散らかっていたり、洗面所が汚れているとしかられました。わたしは父に逆らってばかりいて、ちっとも片づけようとしませんでした。素直な娘ではなかったのです。

孫が生まれると、父は孫をとても可愛がりました。子どもや孫たちに囲まれているときがいちばん幸せだと言っていました。

とくにわたしは娘を出産してから喘息で10日間入院してしまいました。ちょうど父が退職したしたばかりのころでした。
父はおむつを買え、ミルクを飲ませ、お風呂に入れてくれました。
妹の子どものこともかわいがり、勉強を教えてくれていました。

去年の2月に末期癌だとわかり、余命3か月といわれました。それでもしばらくは体調がよかったので、「お父さんといい思い出を作りたい」という妹の提案で、四月の初めに両親と妹一家、娘の6人で箱根に行きました。そのとき父は体調がよく、旅館で出された食事を全部たいらげたので癌が治ってしまったのではないかと思ったほどです。

箱根で生まれて初めて父から手紙をもらいました。この旅行の感謝と、母のことを頼むというようなことが書かれていました。
旅行から帰るとわたしは返事を書いて、そのとき父にイエスさまのことを伝えました。
                             つづく

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