ひとり座禅のすすめ

自分ひとり、坐禅(靜功)を日常生活の中で取り入れていくと今までと違った感覚を覚えていく。

稲盛和夫さんのお坊さんになった理由から

2007-01-31 13:46:34 | 気づき
 京セラの稲盛和夫さんが、何年か前に得度して、托鉢も行ったという話を聞いていて、何故、企業人の方が、お坊さんになったのか関心を持っていました。

 たまたま、本屋さんに立ち寄って、何気なく本を眺めていたら、「稲盛和夫の哲学、人は何のために生きるのか」PHP研究所発行 の本にめぐり合わせました。 パラパラとページをめくって、ビックバンとか、サムシンググレートとか、生命体とかの言葉が目に付き、最終章に何故、得度をするようになったかが、書いてありました。

 詳細は本に任せることにして、縁あって京都の円福寺とお付き合いをするようになり、西片擔雪(たんせつ)老師の後見人になることとなりました。 ある時、京セラが、ファインセラミックスの人工膝関節を、許認可を得ずに販売したということで、マスコミから集中砲火を浴びたことがあったとのことです。

 それは、既に認可を受けていたファインセラミックス製の股関節を、医師の方々からの強い要望により、膝関節に応用したという事情があっただけに、自分からは、言いたいことが沢山あったようです。 稲盛さんは、あえて汚名を着せられたまま耐えようとしたそうです。

 然しながら、連日マスコミに書き立てられますと、その憤懣は抑えきれるものではありません。 そんなときに、稲盛さんは、擔雪老師のところに行って「実はこんなことがあって、大変な目に遭っているんです」 と話したところ、擔雪老師は、既に知っていたようで、第一声は「それはしょうがありませんな。 稲盛さん、苦労するのは生きている証拠ですわ」 慰めてもらえると思っていたら、それは当たり前だという。 

 更に続けて、「災難に遭うのは、過去につくった業が消える時です。 稲盛さん、業が消えるんですから、喜ぶべきです。 今までどんな業をつくったか知らんが、その程度のことで業が消えるのなら、お祝いをせんといかんことです」。 その言葉は、稲盛さんを立ち直らせるには、最高の教えであったということです。

 その後、平成9年9月7日に、擔雪老師の導きを得て、円福寺で在家のまま得度することに繋がっていきます。