座禅をはじめる時に一番大切なことは、長く吐く呼吸に意識を集中することです。 体の自然な生理的な動きから、一般的に云われている禅宗の腹式呼吸ではなく、ここでの深呼吸の要領で行う、はじめに大きく息を吸ってから、出来るだけゆっくりと長く吐く呼吸を行います。
深呼吸の要領で行う呼吸法が、呼吸する胸の動きと下腹の臍下丹田の動きが、自然であるからなのです。 残念ながらはじめに息をはきだし、同時に下腹からも吐き出す呼吸法は、体の生理的な動きからは反しているのです。
例え、禅宗で云う「空の理念」があったとしてもです。
胡座を組んで座る時には、座布団の上にもう一枚の座布団を、そのままお尻の下に敷くか、折り畳んで敷くか自分の好きにして胡座を組みます。 当初は結跏趺坐や半跏趺坐に拘ることなく、普通の胡座でも良いのです。
先ず深呼吸の要領で行う長く吐くに慣れることが最優先です。 胡座の組み方は、後日、変えていっても良いのです。
上半身は肩の力を抜いてリラックスし、頭のてっぺんを天から引っ張られているように維持します。 上半身を力を抜いて直立させることにより、重心が垂直上に来ますので床からの反力により、上半身には力が抜けた状態になり、長く座禅をしてもつかれません。
両ひざは上半身が転倒しないように座布団に接しているだけにします。 禅宗のホームページにあるように、お尻と両膝の三点で上半身を維持しようとすると、重心は三点の交点に来て両膝にも力がかかり、長く座禅をするには疲れてしまいます。
両手は膝の上に重ねて置きます。 手印の組み方は後日、変えても良いのです。 先ずは長く吐く呼吸に意識を集中することを優先します。
上記の要領で胡座を組んで、長く吐く呼吸に意識を集中して、毎日1時間座り続けます。 はじめは足も痺れますが、慣れてくれば何ともありません。
座禅の実践を通して、何らかのものを感得して、学んで下さい。 体の微妙な変化を楽しみながら座禅を行って下さい。